盗賊を討伐してみた
ジパングへの出航を待ちながらこの港街に滞在して3日目にいつもの様に出航の確認のため港へ向かうとイベントが発生している事を確認した。
どうやら私が見逃していた訳では無く、弟勇者一行が漸くこのイベントの前段階を済ませたと言う事だろう。
そのイベントとは盗賊一味が王族が大事にしている宝を盗みダンジョンに籠ると言うもので、勇者一行にその宝を取り戻して欲しいという所謂勇者一行のレベルUPの為のイベントと言っても過言じゃない。取り戻した宝は王様に返さないでイベント完了をスルーする事もできた。
王様に話しかける度にお願いすると言われる煩わしささえ我慢すれば、その貴重な王族の宝を勇者の物にもできると言うもので、とにかく盗賊一味をダンジョンから追い払いさえすればイベントは進んだ。
そしてその盗賊一味をダンジョンから追い払うと、その一味は今度はこの街近くの洞窟ダンジョンにあるアジトに戻るという設定で、やはり勇者一行の魔王討伐の進行にはまったく関係ないイベントだった。
しかし私にとって大問題なのは、このイベント発生中は船の出航がまったく無くなってしまうと言う事だった。
私からしたらそんな事でやる気無くすなよと船員たちに言いたいところだが、イベントなのでしょうがない。
かと言って、今頃盗賊一味のイベントを進め始めた所を見ると、この街に弟勇者が到着するのはまだまだ先の話になりそうだ。
と言う事で、あまり悩む事も無く盗賊一味を討伐する事にしたのだが、問題は弟勇者を無視して私でもイベントを進められるかと言う事だった。
まぁ、イベントが進まなかったら諦めれば良いだけの話だとイベント発注元に話しかけてみると「盗賊一味に困り果てているのです」と普通にイベントが進行した。
ならば後はアジトへ向かい盗賊一味を討伐するだけだと早速洞窟ダンジョンへと向かう。
神殿とは方角が違うのでこの際だからその辺のマップも埋める事にした。
マップは冒険者の館で冒険者登録すると貰えて自分で埋めて行くタイプのものだったので、自分が移動した場所や一度行った事のある場所はマップを見れば確認出来る。
確かに現在地が分かるのは便利だが、すでに全マップ頭にある私にはぶっちゃけ無くてもあまり困らないものではあった。
それに魔王城のある場所など勇者が特別なアイテムを揃えないと行けない場所もあったので、私はマップの完成は早々に諦めていた。
今はマップを完成させるよりもお気楽自由気ままな冒険を楽しむべく全力を使うべしと、さっそくイベント進行の為洞窟を目指す。
そして洞窟ダンジョンの攻略をしていてここでMPの実もHPの実も新たに手に入れる事ができた。
やはり貴重なアイテムは勇者イベント絡みかと改めて実感しながら、これでステータスコンプができると気分は上がる一方で、そのまま難なく盗賊達も討伐する。
不思議なのは魔物と同じく然程苦労せず盗賊達を仕留めた筈なのに、魔物は絶命するのに盗賊達は瀕死の重傷止まりで、その瀕死の重傷状態で起き上がり心を入れ替えると訴え続けるのだ。
イベント上これはもう『はい』と答えるまで永遠に続くやり取りで、色々と思う所もあったがもうなんかツッコむ気にもならず、これでイベントは終了したのだろうと私は街へ戻ったのだった。
リオン
盗賊
レベル 24
HP 243
MP 251
力 539
素早さ 999
体力 168
賢さ 141
運の良さ 999
固定スキル 鑑定 複製
装備 闇の衣 ドラゴンブーツ ドラゴンローブ 復活の指輪 グリンガムのムチ
現在の手持ちの金額 24891G