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うさぎコサージュ『桜の花が咲く頃』

作者: 物語のあるリボン作家 / いろいと

物語のあるリボン作家『いろいと』です

私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります

手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています


関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております



小説は毎朝6時に投稿いたします

ぜひ、ご覧下さい♡



Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい

hhtps://www.instagram.com/iroit0

ピンク色のお花があちこちで、おめでとうと口ずさんでくれている

桜並木を、真新しい大きなランドセルが自慢気に歩いていく

明日からちゃんと背負っていけるのだろうかと、母の心配をよそに、左右に大きくランドセルを振りながら、写真を撮るパパに向って走っていった



『歩いてるとこを写真に撮ってるのに、こっち来ちゃ撮れないでしょ』

『だって早く学校行ってみたいもん!』

きっとそんな話しをしているのだろうと予想をしながら、私は、ゆっくりと二人の元へ足を運ぶ

はしゃぐ娘の晴れ姿を一生懸命何とか写真に収めようとするが、なかなか一筋縄では行かないようだ

学校までの道のりを、一緒に親子で歩くのは、これが初めての事

少し距離はあるが、私の母校ということもあり、一人懐かしい気持ちで歩いていた

満開の桜は、淡いピンクの花びらをひらひらと舞い踊らせる



·

学校の門をくぐり、入学説明会で渡されたプリントを取り出した私は、自分の教室がどこなのかを娘と確認しながら、教室へと向かう

1年生は1階の北校舎のようだ

教室の目の前にはプールがあり、夏はすぐにでも入りたくなるだろうから、恰好のよそ見スポットになること間違いなし

もちろん、そのよそ見スポットナンバーワンの窓際の席が、娘の席である



入学式が始まるまでの間、子どもたちはこの教室で待機するようで、保護者は皆、体育館へと移動するよう促された

体育館へ入ると、色画用紙で作られた大小様々な桜の花が、あちこちに装飾されているのに目につく

花道には、横に長い植木鉢の中に4本ずつ植わったチューリップがズラリと並べられ、今から始まる学校生活を見守ってくれるようにも見えた



·

たくさんの拍手の中、花道をまだまだ小さな子どもたちが歩く

キョロキョロと少し緊張気味の子どもたちを、温かく迎える大人たち

誰もが皆優しい笑みを浮かべ、中には涙を潤ませている人もいる

いつの間にか大きくなる娘の姿に、私の膝の上に座っている息子を見るなり、ずっとこのままでもいいかもしれないなと、ギュッと息子を抱きしめた

先程の教室で、説明を受けていたのか、お辞儀をする場面で、一斉に子どもたちがお辞儀をする

前にいる人で、あまり姿が見えなかったが『髪飾り』でどこにいるのかは把握出来ていた

よそ見をしているのは、うちの子だけ

そうは言っても、 一瞬で大人びて見える我が子に胸を熱くさせながら、あっという間に過ぎる入学式を拍手で見送った



·

帰りのランドセルには、たくさんの教科書が入り、結構な重さになっている

後にひっくり返らないかと心配になりながらも、手を繋ぎ歩く娘と息子

胸元の『うさぎのコサージュ』が楽しそうに笑っている

いつしかこの道の往復も見慣れてくるようになるのだろうか

ふわっと春の薫りをさせながら舞い踊る風は、ひらひらと桜の花びらを乗せて優雅にお辞儀をする

入学おめでとう

·

最後まで読んで下さり、ありがとうございます


色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです


また明日、6時にお会いしましょう♪

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