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途切れた煙の行方  作者: 河童敬抱
1/2

これは愛でこれは友情どれも綺麗でどれも腐って濁ってる


僕は百円ライターを何度かこすり

ようやくタバコに火をつけた。


一度深く吸い込み、細く煙を吐く。


タバコを吸う時は部屋ではなく、ベランダにでる。


部屋が禁煙というわけではなく

ベランダで吸うのが好きだからだ。

このベランダには捨て忘れたゴミが溜まっていて

まるでゴミ捨て場をここに設置したかのような汚さだ。

ゴミ袋の中身は菓子の袋、炭酸ジュースのペットボトル、そして自分で処理をした精液を包み込んだティッシュが多く捨てられている。


僕はかなり、だらしがない。


そしてタバコの火がフィルターギリギリになったころ、

ケータイが鳴った。

ナオキからのメールだ。


「親と喧嘩した!殺されそうだからセイタの家行ってもいい?」とのことだった。


僕は

「全然いいよ。タバコとジュースだけ買ってきてよーよろしく。」と返信して

すぐに「おばさんは連れてくるなよ。まだ殺されたくない。」と追加で送った。

ナオキからは

「おう」とだけ返信があった。

意外とさらっと流されてしまった。



簡単に部屋を掃除して待つ。

謎の改造をしたのであろうバイクの騒がしい音が聞こえてくる。

その音は僕の家の前で止まる


ナオキのバイクはエイプ50という原付だ。中古で手に入れてマフラーを変えたらしい。


ナオキから「着いた。上がっていい?」とメールが来た。

マフラーを変え爆音を流しながら現れた割には律儀に聞いてくる。


こちらも

「どうぞ」と返す。


そして家に入ってくる。

僕もナオキも実家に住んでいる。

と言っても今我々は高校2年なのだ。


僕も彼も不良ではないが、道は外れている気がする。

下で僕の両親と愛想よく挨拶をして階段を登って、僕の部屋に勢いよく入ってきた。

なんかよくわからないが、真っ白でオーバーサイズなスウェットを着ていた


「セイター!やべぇって。マジで殺されるかと思ったわー」と笑いながら話し始めた。

僕の部屋の定位置に座りながら話し始めた。

殺されそうになった理由はこうだ。

ナオキは僧侶の子であり、それを継ぐことが決まっている。が、本人にはやる気がなく勉強もせずに遊んでいるため何度か衝突していたが、今日は「クソババア死んでしまえ!」と怒鳴った結果、包丁を持ち出されて追いかけられたということだ。

仮にも僧侶の子であり、僧侶にさせたい母親とのやりとりとは思えない。


一通り愚痴を話した後

ナオキは「ちょっとタバコ吸うわ」とベランダにでた。

「きたねぇな!おーい!」と笑いながら出て行くのを僕も追いかける。


ナオキも何故かベランダで吸うのが好きだった。

2人で汚いベランダに座り

僕のライターで火をつける。


季節は冬

寒空に2本の煙が漂う、

一本は細く長く

もう一本は雲のように


別々の形の煙は冷たい風が吹いて途切れた。


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