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パラレル  作者: マフィン
9/50

第9話 SNS

ハロウィン全く関係ございません。

 俺はテレビを観ながらスマホでLiveの意味を検索した。マーシーは隣でずっと訳わかんないことを言っていた。

 「この世の中に同姓同名のそっくりさんがいるってことか?」マーシーは間抜けな声でそう言うと、テレビ画面とキスをしているくらいの距離で、画面を見ていた。

 「いやどう観てもあれは平ちゃんだって。別にテレビに映ってるからって今そこでライブをしている訳じゃないんだし。」するとマーシーは呆れた顔で俺を見た。

 「バカ、お前Liveってライブをしてるからそう書いてる訳じゃなくて、生放送ってことだぞ。」マーシーにそう言われたのと同時に俺のスマホにも同じ内容のことが書かれていた。

 「じゃあ、つまり平ちゃんは今画面の向こうにいるってこと?」

 「だからそう言っただろ?」マーシーの言葉にやっと状況を理解できた。

 「お前さっきの癇癪はなんだったんだよ。」マーシーは呆れた口調で言ってきた。

 「いやなんかマーシーが混乱してるのはわかったけど、なんで混乱しているのかわからなかったから」俺がそう言うと何故かマーシーはため息をついた。

 それからしばらく俺たちは放心状態が続いていた。その時ふとあることを思いついた。

 「なぁ、マーシーも平ちゃんに似てるんだから、ワンチャンアイドル目指せんじゃね?」するとマーシーは俺の頭を軽く叩いた。

 「バカ、今までモテなかった俺がアイドルなんて雲を掴むような話だって。」そうは言いながらもマーシーはどこか嬉しそうに見えた。

 「それにもし一旗あげるならお笑いだろ?」その一言は俺も嬉しくなった。確かに、俺たちはずっとお笑い芸人になりたいとは思っていたが、お互い金もなく、マーシーに至っては家庭環境が・・・ねぇ。とても親に頼れる状態じゃなかったから結局、諦めてないつもりで、どこか諦めてしまっているところがあるのかもしれない。

 俺はこれはチャンスかもしれないと思い、マーシーに揺さぶり攻撃をかけた。

 「お笑いだって今はイケメン多いし。マーシーがイケメンだけどめちゃくちゃボケとかギャップあっていいんじゃね?」しかし、マーシーの心には全く届いていないようだ。

 「いやどう考えたってお前がボケだろ?って言うのも当たり前過ぎて嫌だわ。」俺はそれを言われるまで、俺が壊滅的に独創的なツッコミしかできないことを忘れていた。

 「もう考えたってしゃあないし寝るわ。」大して眠くもないくせにマーシーは睡眠宣言をしたが、俺はどうしても平ちゃんのことが気になって、スマホを見続けていた。

 とりあえず検索ドライブで平ちゃんの名前うぃ入力すると、さすが有名人。画像付きで出てきた。どこからどう観ても平ちゃんがいっぱいいた。

 「ねぇ、なんで俺たち今まで知らなかったんだろうね?」

 「別にテレビとか観てないからなぁ・・・」確かにここ数ヶ月テレビ番組というものを一切見ていなかったのは事実だが、にしても知らなかったのが恥ずかしいと思うくらいのヒット数に少し戸惑った。

 マーシーも布団には入ったものの、スマホをいじっていた。多分マーシーも気になっていたのだろう。

 その時俺は平ちゃんの記事で少し気になるものを見つけた。もちろん速攻でマーシーにも共有した。

 「平ちゃんはドッキリ番組で有名らしいじゃん。」

 「どんなの?」

 「もしも家に平越時哉がいたらっていう題名でそこからブレイクしてるみたいだよ?」

 「アイドルよりもそっちがうけちゃった感じか。」マーシーはなんかあざ笑うように言った。

 「もしかして、あれドッキリ?」するとすぐにマーシーから否定が入った。

 「あのな、もしドッキリだとしたら、ネタバラシってやつがあるわけ。それがなきゃ単なる嫌がらせだから。」俺はそれでもまだドッキリ説を捨てきれなかった。

 「それにもし家にいたらっていう設定でしょ?でももう俺たちが既にいた時点で入ってきてるからもう思いっきり失敗じゃん。」そう言いながらマーシーの声がフェードアウトした。するとすぐに急に思いっきり手を叩いた。

 「そっか、だから動揺して意味わからんこと言ってたのか。うわーピザおごらんかったらよかったわー」マーシーは一人で納得して一人で後悔していた。だが俺がマーシーに共有したいのはそこだけではなかった。

 「でなんかな。今SNSで平ちゃんが家にいたら投稿するっていうのが流行ってるらしく、最近ではそれを投稿されたら平ちゃんの負けらしいよ。」そう言うとマーシーは「へぇ」と言いながら、さかんにスマホを操作し始めた。マーシーの指がスマホの画面を行ったり来たりしているのに合わせて俺も、SNSで平ちゃんの目撃投稿を検索した。

 すると思った以上にかなり多く出ていた。

 「いやいやボロ負けじゃん。」マーシーも同じタイミングで同じものを見ていたようだ。

 「ちょっと待って。」マーシーが急に体を起こした。

 「これ」俺はマーシーのスマホを覗き込んだ。そこには電車の中でイヤホンで何かを聴きながら立っている平ちゃんの姿が写っていた。

 「なんか見られてると思ったら、平越。私の家に来る気かなぁ?普通に困るから先手打つ笑」という文も一緒に投稿されていた。

 「相当嫌われてんなぁ」しかしマーシーはそんなこと言いたかったわけではなさそうだった。

 「じゃなくてよく服装を見てみろよ。」俺はいちいち服装とか見ないからこそ、正直そう言われてみれば着てたかもと思った。

 「確かに、この服平ちゃんだ。」

 「でも、この投稿がされてるのは2時間前。テレビが嘘をついていないなら今から2時間前に電車に乗ってるのはおかしい。」マーシーの名推理はしっかりアンチコメントとしてその投稿主に向けられていた。

 「じゃあ、やっぱりテレビの平ちゃんと俺らが知ってる平ちゃんは別人ってこと?」俺はあえて名推理についてはツッコまなかった。というよりわからな過ぎて、正直飽きていた。俺は普通に自分の知り合いたちの投稿をチェックし始めた。

 「なぁ、これ。」俺はある人の投稿を見てそのままマーシーにも見せた。

 「ついさっきじゃん!てかこれ誰の投稿?」確かにマーシーには彼のことは言っていなかった。まぁ別に秘密にしていたわけではないが、ゲーム仲間がマーシー以外にいるってマーシーからしたらショックで立ち直れないかもしれないと思うと、打ち明けることが出来なかった。

 「田中先生。」

 「場所は?」なんか浮気がバレたような気分だった。

 「知ってます。」

 「じゃあ、行ってみるか?」

 「それだけは・・・」

 「なんでだよ!」マーシーはそう俺に怒鳴りつけた。

 


全然思いつかなくて時間がかかってしまい申し訳ございませんでした。

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