表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/16

11

 「そんなわけで、今日はアナログゲーム持ってきました」


 前回から少し日が空いて、今日と明日は国の定めたお休みである。

 しかしながら、うちの両親は社畜なので呪いを吐きながら朝イチで出勤していった。

 いつものことといえば、いつものことである。

 

 「いや、そんなわけでとかじゃなくて、学校にバレたらまずいんじゃ?!

 噂になってるって、相当だよ!!」


 「まぁ、その時はその時かなって。

 でも、たぶん誰も噂なんて信じてないと思いますよ。

 確認にきた感じはしないし、そもそもわざわざ山登って墓に行くくらいなら、家族の送迎かチャリで街のゲーセンやカラオケ行って遊んだ方が楽しいでしょ。

 今の時代、自分とスケさんがこうして交流してるってバレたら、すぐ拡散されちゃうんですよ」


 言いつつ、持ってきたボードゲームをレジャーシートの上に広げる。

 古き良き、双六ゲームである。

 これは、かなり昔からあるゲームらしいし仮にスケさんが知らなくても、説明が簡単だから選んでみた。

 あとは、トランプと、折りたたみ式の囲碁一式。

 生憎、チェスや将棋はうちには無かった。

 ある意味、無くて良かった。

 さて、静かに遊ぶなら囲碁だろうか?

 いや、ここはやはり、


 「とりあえず、トランプで神経衰弱でもしますか」

 

 「…………」


 二人でできるカードゲームは限られている。




 「……記憶力、良すぎません?」

 

 数分後、スケさんの呆れた声が漏れた。


 「そうですか? 

 でも、地味に何度か覚え間違えてますよ」


 「いや、たしかにそうなんだけど」


 現在、自分のとった札の方がスケさんの札より多い。

 これでも何度かカードの場所を間違えて覚えていたり、公平に適度にカードをシャッフルして配り直したりしたのだ。

 つまり、暗記以外はしていない。

 もちろん、イカサマは無しである。


 「私、やっぱり脳みそが無いから弱いのかなぁ」


 自虐のブラックジョークだろうか。

 まぁ、たしかにスケさんはスケルトンなので脳みそなんて無いのだが。


 「じゃあ、次は【豚のしっぽ】でもやります?

 ルールは『ご苦労さん』でどうですか?」


 「……それもゲームですか?」


 なんてこった、スケさん豚のしっぽ知らないのか。


 「はい、本来なら四人とか大人数でやるトランプの遊びです」


 ちょうどいいので、動画を検索してやり方を見せる。


 「ははぁ、なるほどなるほど」


 「あ、でも二人ならスピードがいいかもしれないです」

 

 「スピード?」


 またも疑問符を浮かべてこちらを見て来たので、これまた携帯端末で動画を検索してやり方を見せる。

 説明する手間が省けるから、本当動画って便利。


 「へぇ、こんな遊びもあるんですね。

 私、ポーカーくらいしか知りませんでした」


 「いや、ポーカーできるってすごくないですか?

 自分、役が覚えられなくてポーカーで遊べないんですけど」


 恥ずかしい話だが、花札やマージャン、なんならチェスや将棋も苦手だったりする。というか、ルールを知らないので出来ない。

 何度も言うが役が覚えられないし、チェスや将棋は駒の動きが覚えられないのだ。

 囲碁はその点、駒の動きを覚えなくていいし、アプリでコンピューター相手に今でも遊んでいたりする。


 「え?」


 スケさんが、信じられないとばかりにこちらを見てくる。


 「え?」


 自分は、『覚えられませんが、何か?』と無言の圧で返した。

 多分だけど、興味が無さすぎて覚えられないんだと思う。


 「いや、ポーカーができること、それ自体を凄いって言われたの初めてな気がして、ちょっと驚いたというか、新鮮というか。

 いや、本当に初めてかは自信ないけど」


 あ、そっちの意味の『え?』だったのか。

 自分に出来ないことができる人のことは、たとえ相手が骸骨だろうと凄いと思ってしまう。

 これはきっと自分の思考の癖みたいなものなんだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ