野生のモンスター狩り始めました
投稿がとても遅れてしまい本当にすみませんでした。
今回はバトル回です。
氷の槍が奴に向かって飛んでいきました。
私は奴のからだの急所、今回の場合で言えば目を狙いました、体の皮がとても厚くいかなる攻撃でも弾こうとも目だけは強化することができませんし、それがもし不意打ちの攻撃であれば大体のモンスターならば殺せます。
私は勝利を半ば確信していました、このモンスターには私のこの攻撃を防ぐ手立てはないだろうと考えていました。
どうやら長い間こう言う勝負から離れていたせいで勘が鈍っていたようです、勝負に置いて忘れてはいけないことを忘れていました。
勝負は勝利が決するまで油断をしてはいけない、いや勝利が決したとしても油断はしてはいけない、と言うことをすっかりと忘れていました、本当にこの時の自分がとても情けないです。
私は自分の攻撃が奴に入る未来を予想していました、なのでこの時の奴の行動に呆気を取られてすぐに行動をすることができませんでした。
氷の槍が奴に向かって飛んでいきます、それが奴に体にあたる、と言ったところで私の思っていた未来とは全く違う出来事が起こりました、なんと槍が体にあたる直前に奴のからだが地面に潜り込んだのです、このときは本当にビビりましたね、確かにゴースト系のモンスターで物を通り抜けることができるのを知っていました、しかし奴からはそのゴースト特有のとても薄い気配が全く感じられませんでした。
自分は疲れすぎておかしくなってしまったかと思いましたね。
そんな風に私がそっちに釘付けになっていると、何者かにナイフを突き付けられたかのような感覚に襲われました、これはおそらく私の今までの経験の賜物でしょうね、私はそれにしたがって反射的にその場から離れました。
その瞬間地面から大剣のような爪が現れました、とても巨大ながら物凄いスピードで周囲にあった木をスッパリと切りながら凪ぎ払っています、今頃私があそこにいたら下半身と上半身がサヨナラしてそうです。
私が木の上に逃げたことでどうやら奴は見失ったようです、今のうちに奴のことを観察しておきましょう。
体調はそこら辺にはえている樹ぐらいの大きさです、今は四足歩行をしていてそれでこの大きさなので立ち上がったら倍以上ありそうです、その巨体には長く強靭そうなけが生えています、あれの前にはそこら辺の剣でのダメージなど無いに等しいでしょうね、その防御力に合わせて足についてる私の身長ほどもありそうな大きな爪からは大木をも容易く切れる攻撃力も兼ね備えています、そうですねぇ、簡単に奴のことを表すとしたらそこら辺にいるウルフを巨大化させて凶暴にした感じです。それに加えて不意打ちの攻撃を察知できる勘のよさや物体の法則を全く無視して地面に潜れる不思議能力つきです。
うん、帰りたいですね。
さて、観察はこれぐらいで良いしょう、しかし一体どうやって攻撃をしましょうか、あまりこう言う形態のモンスターと戦ったことがないのでどうするべきか悩みますね。
などと考えながらあいつの観察をしていたらあることに気がつきました、先程から奴は私を探しているのか地面に潜りいろいろな場所に移動していました、しかし奴の地面に潜りだしている場所は影が有るところばかりなのです、もっと言えば少しでも日が射し込んでいる場所には立ち入ってすらいません。
そこで私はあることを思い付き早速試してみることにしました、奴が地面に潜った瞬間にその場所の上にある全ての葉を切り払い日が射し込むようにするのです。
奴の動きに集中し地面に潜った瞬間に氷の刃が発射されるように術式の準備をしておきます。
術式を編み終わった直後に奴は地面に潜りました、もう少し編むのが遅かったら打てませんでしたね、飛んでいった刃が木の葉を切り払っていきます、すると地面から苦しそうに悶えながら奴が出てきましたら、やはり奴は日光を弱点としているようです、それに私が地面に潜っていると思っていたあれはどうやら影の中に入っていたようです。
大きなウルフの姿をしていて影の中を自在に行き来ができ日光が弱点、ここまで来てやっと奴の正体がわかりました。
奴はおそらく「デットウルフ」と言うウルフの特徴を持ちながらゴースト系である珍しいモンスターです、こいつはとても隠密せいに秀でていてとても気配が読みにくいです、その上影の中であればどこまでも移動ができるのですから恐ろしいですね、しかもゴースト系でありながらウルフの方が比率が多いので気配では全くゴースト系だと気づけません、なので私も奴がデットウルフだと気づけなかったんですよ、いやいや言い訳じゃないですよ、だって本当に分かりにくいんですもん。
まぁ、なんにせよ奴が何者かわかったところで戦わないといけないんですがね、デットウルフは気性荒くこのままここに放置したら王都の方に行ってしまう可能性があり危険なのでやっぱり私が殺さないといけないんでしょうね。
そうこう考えているとデットウルフが復活したようですね、やはりゴースト系ですね、日光のダメージが思った以上に入っていそうです、このままここら一体の木を全て切り取って日陰を無くせば楽勝で勝てそうです、しかしそこまでするとこの森に影響があるかもしれないのでやりません、代わりになる退治方法を考えないと行けませんね。
そんなことを考えてるうちにデットウルフは影の中に潜り込みました、もう一度木上に逃げても良いのですがそしたら長引きそうですね、ではすぐに終わらせるとしましょう。
私は感覚を外に集中させました、風が木を揺らす、普通にしていたら見えないぐらい小さな虫が木の幹を上がる、その全てが今の私には手に取るようにわかります、そうデットウルフがどこから出てくるのかさえも、最高に感覚を鋭くさせている私はその瞬間を捕らえることができます。
デットウルフは私の後ろ側から鋭い爪で私のことを切り刻もうとしていました、一体影のどこから襲われるのかわからなかったら相当有効な攻撃手段でしょう、しかし私にそれは悪手以外の何者でもありません。
私はデットウルフの爪が私にはつく前に緑の魔力を集めて空を圧縮してどんなものでも裁ち切れる空気の刃を術式で作りました、それをデットウルフの一番魔力の強い場所、つまりモンスターの心臓である魔石のある部分に空気の刃を横凪ぎに一閃しました。
私は空気と言うものは圧縮すればそこら辺にある剣より全然切れ味がいいと思っています、まぁ作るのが少し大変ですからあまり回りからは賛同を得られませんが、そして思っていた通りデットウルフの厚い毛皮を空気の刃が容易く切り裂いていきます、体の半分ぐらい切ったところでデットウルフの体の中心から紫色の魔力の光が漏れてきました、光源を見てみると私の顔ぐらいはありそうな大きな魔石がありました、これは私が見た中でも大きい方に入りますね、魔石の魔力で私の術式が解けないように少し気を付けながら刃の刀身を当てました。
パキンッ、と魔石が砕ける音がしてそのまま刃がデッドウルフを真っ二つに両断しました。
ふぅ、やっと倒せましたね。
しかし、倒したあとに言うのもなんですがあの魔石は壊さずに回収したかったですね、あんな巨大なものは絶対に店では手に入らないですからねー、まぁ魔石は無理でしたがその代わり毛皮や爪を貰っていきましょうか。
毛皮をはぎ爪を取り他のモンスターを寄せ付けないためにもデットウルフのを焼却して私は家路に着きました。
・・・
何とか他のモンスターには出くわさず安全に家に帰ることができました。
今回は全く出番のなかった私特性の術具を元の位置に戻し、実験に使うことがありそうなので、デットウルフから取った爪を磨いて毛皮を洗おうとしている時でした。
毛皮を広げていると毛の中から丸い水晶のようなものが転がり落ちてきました、私はそれを拾い上げて何かを調べるために魔力を探りました、しかし、長いことデットウルフの魔力にさらされていたため水晶の魔力を感じることができませんでした。
まぁ、置いておけばデットウルフの魔力が弱まっていくでしょうから、先に毛皮の処理をしてしまいましょう。
さて、まずは毛皮の汚れを落とすために洗いましょうか、うーん、思ったより汚れがしつこいですね、これは気合いを入れて洗わないといけません。
あ、ついでにさっきこの毛皮から出てきた水晶も洗いましょうか、毛皮についていたせいか思いの外汚れていますね。
「さて、こんなものでしょうか」
何とか汚れを落として毛皮を干し終わりました。
あー、もう今日はメチャクチャ疲れました、早く報告書を書いて寝ましょう。
・・・
『あぁ、もうこのまま助からずに死んじゃうかと思った、とりあえずこの水の中から抜け出そう』
ピチャッ、
『んー、壁が高くてうまく出られないな』
ズルズル、
『あ、あと少しで出られそう!』
ボチャッ、
『うーん、出られたはいいけど回りは真っ暗だし一体のどうしよう』
ビチャビチャ、
『んー、とりあえず私を助けてくれた人のところに行きたいけど、あれって多分人だよね、いっても大丈夫かな?』
ズチャッズヂャッ、
『でも、私のことを救ってくれたんだから悪い人じゃないよね、よし会いに行こう!』
ヌチャッヌチャッ、
『んー、でもどこにいるんだろう?
あ、なんかこの扉の向こうから私の知ってる魔力を感じる、多分あの人だ!あ、でも扉が開けない、じゃあ下から抜ければいいや』
ニュルンッ、
『よし、入れた
えーと、あの人の魔力はこの柔らかくて四角いやつの上だ、んー、体を伸ばせばギリギリ届きそう』
ニュルニュル、
『よっと、やっと上れた
んー、この人寝ちゃってるのかな、全然私のことに気づいてくれないな、じゃあ、このままこの人が起きるまで待ってよーっと
フフッ、起きたら私のことを見て驚くかなー、早く起きてくれないかなー』
プルプル
予告をつけてみました
『予告』
次回の「野生のモンスター飼い始めました」略して『モン飼い』は?
作中の初戦にしてはそこそこの強さを誇るデットウルフをなんなく倒したフォル・シュバルツ、その夜フォルに忍び寄る謎の影はいったい誰なのか!
次回
「野生のスライムを飼い始めました(仮)」
お楽しみに!
こんな感じでどうでしょう?