プロローグ
「はぁ、どうしてこんなことに」
私は一人で寂しい道を歩きながら呟いた。
「ただ実験に失敗して部屋を一つぶっ飛ばしただけなのに、なにも追い出す必要はないだろ」
しかし、今さら言っていても仕方ありません、取り敢えず情報を整理しましょう。
えー、まず私フォル・シュバルツはちょっと昔に色々あってこの国の王であるあのジジイに気に入られ是非とも我が城内で魔術の研究者として残ってくれないか、と提案されて私は半ば強制的に研究者にさせられてしまいました。
流石にほとんど強制でやらされたので研究なんか全くやる気になりませんでしたよ。
でも、私も魔術はそれなりにできたのでいつの間にか真面目に研究をしていました。
しかし、実験には失敗が付き物なので結構な回数の失敗しました、そのたびに研究室が半壊するので流石にあのジジイも困っていたのでしょう、今回の研究室を完璧にぶっ飛ばす規模の失敗は目を瞑ってくれませんでした。
そして、ジジイから町外れにある空き家を研究室として使ってくれ、と言われ今に至るわけです。
うん、自分で思い返してみてもあのジジイ最悪ですね。
強制的に研究者なんかにして、仕方ないから真面目に研究をしてあげていたら、その実験の失敗でまた強制的に城から追い出すって一体どう言うことなんだよあの我が儘ジジイは。
はぁ、取り敢えず状況の整理は出来ました、あと少し歩けば新しい我が家です。
「しっかし、周りに何もありませんねー、民家どころか畑すらないなんて」
まぁ、その方が好き勝手できるので私としても好都合なんですけどね。
強制的にとはいえ一度研究に手をつけたのでしっかりとやり通しておきたかったんですよね。
これならいくら実験で爆発を起こしても誰にも怒られなくて良いですねー、なんて思いながら歩いていたらどうやら目的地に着いたようです。
家の大きさはそこそこですが装飾などはほとんどされておらずシンプルな見た目です。
そしてその家の隣には小屋のようなものがあります、物置小屋かな?と、思いながら家の中に入りました。
中は思ったより掃除が行き届いていて綺麗で、テーブルや椅子などの家具はある程度揃えられているようです、食料もここに来る前に私が買ってあったので今すぐにでも生活が始められるようになっていました。
家の構造は二階建てになっており4~5人ぐらいは住めそうな感じです。
あのジジイが空き家と言っていたのでもっと酷いものを想像していましたが、思ったより家の状態がいいので一安心です。
寝室はベッドが一つ、それに机と椅子、あとクローゼット等が置いてあり、広さは王都にある宿屋の部屋より少し大きいぐらいです。
それから持ってきた荷物を片付けたりしていたらすっかり良い時間になってしまいました。
窓の外を見てみると真っ暗で何も見えなくなっていました、流石に引っ越しの初日に料理をするのは億劫なのでそのままでも食べられるものを適当に食べて済ませました。
夕食後部屋に戻りあのジジイに見せる報告書を書き、ベッドに寝転がりながらこれからどうしようか考えていたら急に眠くなってきたのでその日はひとまず疲れを癒そうと眠りにつきました。
思い付きで投稿したので更新は不定期です。
出してほしいモンスター娘がいれば教えてください。
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かなり大幅な修正&冒頭のカットをしました。