映画のような恋を見たい!!
映画のような恋をしよう
ベンチで食べるアイスクリーム
芝生で見上げるヘリウム風船
海辺で感じる夕凪
私はただ一人パソコンに向かって文字を打っている
思い出か、妄想か、分からない場所を描きながら
あの日は君たちは夜空に浮かぶ星々を
ひとつひとつ跳んでいった
後ろの誰を気にしながら
予報通りの夜雨で君たちの姿が見えなくなってしまった
その向こうで君たちは何をしているの
じゃれあっているのか
足下の猫は髭を掻いて教えてくれない。
温かかった紅茶が湯気を上げなくなった頃
見上げた空には雲も君たちもいなくなっていた
さよならひとつ言わないで
エンドロールも流れることなく
私は再上映をずっと待っている
私は通勤電車に乗って
記憶が景色と共に失われていくことに
きっとひたすら抵抗しながら