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物語は続いていく

戻ってきたところは、ベランダだった。

眼下には、東京の密集したビル群、せっせと動く車や電車、スタスタ歩く人たちが見える。

ここは、50階のタワマン……紛れもなく、もとの世界の、僕の家だ。


「お~い! 颯真~!」


「早くしなさ~い!」


扉の向こうから、父さんと母さんの苛立った声が聞こえてきた。ドンドンと激しく叩いている。やばい……支度が遅かったから、怒られるかもしれない……。そう思った途端に、体から嫌な汗がにじみ出てきた。


思わず、ぎゅっと、手を握り締めようとして、何かを握っていることに気づく。


え、何だろう……。


恐る恐る手を開く。


「あ……!」


そこには、シルベスタ王国で、ともに旅をしたハート型のコンパクトがあった。


僕と一緒にここまで来てくれたんだね。


「……よし」


僕は、部屋に入ると、ハート型のコンパクトを鞄に入れ、習い事の道具を持って、扉の方へ歩き出した。


彼女――魔法少女ラブリーピースの物語はここで終わった。


――でも。


僕――霧生颯真の物語は、ここから始まるんだ。



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