コンクリートロード
引き続き、ごつごつとした岩でできた遺跡の中をドスドスと突き進む。
だんだん、ゴーレムに近づいてきた! もうすぐ、射程圏内だ!
さすが、霊長類最強女子。仕事できるなあ。
「ゴーレム! やれ!」
某考古学者スタイルの魔王が、ムチをしならせて、低い声を響かせる。
「ウッス!」
ゴーレムが僕らの目の前の道をぶん殴った!
よりにもよって、細い橋みたいな道!
「うわあ!」
慌てて、急ブレーキ!
1回の衝撃で、橋になっていた岩が、深い谷底へ吸い込まれていく。これじゃ、渡れない……!
「ラブリーピース! 私は、結婚式の支度をしながら、待っているぞ!」
ちゃっかり渡りきった魔王が反対側から叫ぶ。
今、投げキッス、いらない!
「手伝うッスよ~!」
「そうだな。まずは、この筆で、招待状を書こう」
「ウッス!」
そんなことに、魔法の筆を使わないで!
……っていうか、花嫁は、そちら側に渡れないんですけど!
「これは、まずいな……」
サラサが谷底を見つめる。
ユイナがポンと手を叩いた。
「よし! 飛ぼう!」
えっ!? 数百メートルはあるけど……!?
「陛下。さすがに、無理です」
サラサが深いため息をつく。
……ですよね。
「そかそか~。即死しちゃうか~」
ユイナ、てへぺろ……じゃない!
全然、笑えないんだけど!
「ラブリーピース!道を作ってもらえるか?」
「道……!」
そうか。その手があったか。さすが、サラサだ。
ええと……よし! これで、行こう!
「ラブリーピース☆コンクリートロード!」
目の前に、平らな灰色の道が出現する。
日本でよく見る、コンクリートの道だ。
出来立てホヤホヤ!我ながら、いい出来だ。
「もう少し、風情のある道、作れなかったの?」
ユイナが残念そうな顔をする。
ここで、風情いる!?
「道は、道でしょ!?」
そりゃあ、レンガの道とか、虹の道とか……ファンタジーっぽくて、いいけど……。
考え込んでいると、サラサがスタスタと進み出した。
「うん! 走りやすくて、いいぞ!」
「ほら!」
サラサには、大好評だったでしょ?
「え~……」
ユイナは不満そうだけど、とりあえず、進む。だって、早くしないと、僕の結婚式が始まっちゃうし。いや、花嫁にはなる予定はないんだけどね。




