霊長類最強!
サラマンダーは、離れた道にドスンと着地した。
はあ……よかった……生きてる。
「いぇ~い! 爽快だね!」
ユイナが、満面の笑みを浮かべてる……!
怖い……でも、怖いのは、ユイナだけじゃなかった!
「な、何これ……!」
黒い、羽ばたく塊が全力でこちらに向かってくる。コウモリの群れだ。
某公共放送の生き物番組でしか、見たことないけど……本物は、けっこう大きいんだな……。
「陛下! 雑魚はお願いしますよ!」
「おっけ~! 任せて~!」
ユイナが槍を振り回して、道の隙間に、コウモリを叩き落としていく。
ハエ叩きならぬ、コウモリ叩き……!
ちょっと、コウモリがかわいそうになってきた。
「看板だ……!」
サラサが進みながら、叫ぶ。
看板の文字は、もちろんくずし字だ……!
「なんて書いてあるの?」
ユイナが僕を見る。
止まってる暇はないから、進みながら、読まなきゃいけない。え~っと……。
「右へ進め……!」
「さっすが、ラブリーピースだね!」
ひっ……! ユイナの笑顔が怖い……!
もし、間違えてたら、僕まで叩き落とされそう!
「よし! 右に行くぞ!」
サラサが突き当たりを右へ曲がっていく。
ドスドス、ドスドス……!
ようやく、遠くに、ゴーレムと魔王が見えてきた。
「フゥ~!てめえらなんかにゃ、負けねえぞおおお!」
チンピラゴーレムがスピードを上げる。
リーゼントが崩れそうなのが、気になる……!
「腹立つ~! 早く粉々に砕きたい~!」
ユイナが槍を構えて、ゴーレムにあっかんべえをする。
……っていうか、あなたが言うと、冗談に聞こえないんだけどっ!
「ラブリーピース!看板だ!」
ここに来て、また看板……!?
慌てて、じっと見る。
「踏むとスピードアップ……」
確かに、足元にきらきら光る矢印が見えてきた。どれも進行方向に続いている。
なんちゃらレース系のゲームでしか見たことないやつだ。
「よし。踏んでみよう」
サラサが踏むと、スピード爆上がり!
おおお! これはすごい! でも……。
「う、う~ん……目が回る……」
生身で乗るもんじゃないな……。
「しばらく、これを踏むぞ! しっかりつかまってくれ!」
「いぇ~い!ガンガン行こ~っ!」
ユイナの掛け声に合わせて、サラサがガンガン進む。
これが、この国の霊長類最強女子……!
もはや、僕の手には追えないよ……!




