表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/56

永遠の謎

槍を持ったユイナが、すさまじい勢いでコブラに突撃していく。


「うりゃあああ!」


速い! 目で追えないほどの速さで、コブラを切ってる!

コブラの方も混乱していて、どうやら目が回ってるみたいだ。


……え、これ、僕いらなくない?


そう思っていたら、コブラと目が合ってしまった。

や、やばい! こっちに来る――!


「あ……!」


ど、どうしよう。こういう時、なんて叫ぶんだっけ!?

砂はあるけど、水は……いや、考えてる場合じゃ――


と思った瞬間。


コブラが、何かで一閃に切り裂かれた。


「え……」


そこに立っていたのは、黒髪ショートボブの女性。

メガネに赤いジャージ――。


「こいつは、火と砂には強いが、水には弱い」


凛とした低めの声が、やたらかっこいい。

いや、待って、学校の先生にしか見えない!


というか――あなた、誰ですか!?


「説明は後だ。喰われたくなければ、やってみろ」


「……わ、わかりました!」


水、水……この辺で水といえばオアシスの池くらいだけど……。


「ラブリーピース! ザバッとドーンで行こう!」


ユイナが唐突に叫ぶ。


ザバッとドーン……?

いや、意味わかんないから!?


「なんでもいい! このままだと餌になるぞ!」


先生、生徒に舌打ちしないでぇぇぇ!


すぐやりますからあああ!


「ラブリーピース☆メニメニウォーターパ~ンチ!」


オアシスの池の水が巨人の姿になり、

コブラの胸元をドカン! ドカン! ドカーン!


そして――


「コブラ、ノックアウト~!」


ユイナが拍手を送る。

やれやれ……なんとかなって、本当によかった。


「魔法少女に変身できる少年を連れた、戦闘狂の女が旅をしていると聞きましたが……あなたでしたか、ユイナ女王」


「えっ、ユイナの知り合いなんですか?」


そのわりに、ずいぶんな言い方だな。

いいのかな、女王様にそんな口きいて。


「大丈夫だよ。フーマ。この人、砂漠の精霊だから」


ユイナが清々しいほど笑ってる……!

さすが、鋼の女。強い。

そして、当然だけど、黒髪の女性は、学校の先生じゃなかった……!


「そ、そうなの?」


恐る恐る黒髪の女性を見る。

落ち着いた笑みと、どこか達観した雰囲気――完全に“できる大人”だ。


「私の名は、サラサ。よろしくな」


ビビっている僕に、サラサが手を差し出してくる。


「……は、はい。よろしくお願いします」


その手を握ると、冷静な見た目とは裏腹に、温かな感触が伝わってきた。


「しかし、魔法少女として召喚した存在が少年とは……一体どういうカラクリなんだ?」


「僕も、よくわかんないです……」


真顔で聞かれても、わかんないものはわかんない。

これはもう、永遠の謎だ。


「ま、いいや! とりあえずこの子、お肉にしちゃうね!」


ユイナがコブラの方へ歩き出す。

そして、目にも止まらぬ速さで切り刻み始めた。


コブラをさばくユイナは、年上とは思えないほど、目をきらきらと輝かせていた。


やってることはちょっとアレだけど――楽しそうだ。

僕も、あんな風に、人生を楽しめたら、いいな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ