孫はつらいよ
チリチリボンバー頭の魔王。
咳き込むたびに炎を吐くドラゴンさん。
かまってちゃんの人食いサメ。
この状況……僕がなんとかするしかない!
なぜなら――この中で最も一般人に近いから……!
「皆さん、下がっててください! ぼ……じゃなかった、私がやります!」
「ほう……」
「ふむう……」
魔王とドラゴンさんが、興味津々に僕を見つめる。
なんで、こういう時だけ気が合うの!?
「ラブリーピース☆ウォーターアタック!」
滝のような水がサメに直撃!
……でも、サメはケロッとしている。
残念! 効果はないようだ……!
「おお、あれなんか良さそうじゃ」
ドラゴンさんの視線の先には、サメの三倍はありそうな巨大な岩が。
あ、あれを、どうしろと……?
「ラブリーピース。私の方を見よ」
魔王のイケボに従うと――
そこには、岩を綿菓子のように軽々持つイケメン(魔王)が……!
きらきらオーラ眩しいっ……!
ボンバー頭が気になるけど、今は岩だ……!
「この岩を打てえええ!」
魔王が、僕にひょいと岩を投げる。
昭和の野球漫画かああああ!
という思いを込めて、腹の底から叫ぶ。
「ラブリーピース☆ロックホームラアアアアン!」
カキィ――――ン!
岩がサメに直撃、洞窟の天井も巻き添えでぶっ飛んだ!
人生初の場外ホームラン……!
僕、MVPもらえるかな? ワクワク。
「うむ! 見事じゃ!」
後ろでドラゴンさんが、目を細めてパチパチ拍手。
その隙に、ボンバー魔王が、しれっと僕に近づいてくる。
「さすがは、私の妻になる女だな」
ドラゴンさん、即座に睨む。
「妻!? お前のような尻軽男に、やるわけなかろう!」
火花が再びメラメラと燃え上がる。
「あ、あの……」
はあ……孫はつらいよ。




