三つ巴の……KA・O・SU!
魔王が僕に一歩、また一歩と近づいてくる。
これは――絶体絶命のピンチ……!
「むむむ……なんじゃ。お前は」
ドラゴンさんが、僕と魔王の間にズイッと割って入った。
……ナイスプレー!
「ドラゴンよ! ラブリーピースを、今すぐに解放せよ!」
「わしのかわいいラブに手を出すんは、千年早いわい!」
ドラゴンさんと魔王の間に、メラメラと火花が散る。
ちょっと待って。
何この構図!?
僕、ヤバい恋人を連れてきた孫みたいになってんだけど!?
その時――。
背後のサメが、ドドドドドッと音を立てて突進してきた!
「うわあああ!」
もう逃げられない……! 今度こそ、終わった……!
……と思ったけど。
「私に任せろ!」
「わしに任せろ!」
ドラゴンさんと魔王が、息ピッタリに同時宣言!
「はあああ……!」
魔王が手に力を溜め始める。
黒いカメハメハ的なやつかな……?
「よし! わしもひと肌脱ぐぞ!」
ドラゴンさん、どこを!?
そう言う間もなく、ドラゴンさんが口に炎を溜め――
「ゴオオオオッ!」
……と言いたいところで――
「ケフゥッ!」
盛大に咳き込んだあああ!
しかも、魔王の方に向かってえええ!
「ぐおっ!?」
魔王のさらさらストレート黒髪が、チリッと焼けた……!
僕が想像してた“ゴオオッ”とは違うけど、威力はちゃんとドラゴンさん級!
「私の邪魔をするでない! ドラゴン!」
「昔は、いけたんじゃがな~……こう……ゴオオッて……」
ドラゴンさん、説明中にもう一発!
「熱っ!」
「大丈夫ですか……!?」
「私なら、大丈夫だ!」
……いや、そのチリチリボンバー頭で言われても。
説得力ゼロ!
「ギャオオオオオ!」
そして、存在を主張するサメ!
三つ巴の――KA・O・SU!
僕は、心の中で叫ばずにはいられない。
「ツッコミが、追いつかないっ!!」
……と。




