乙女の恥じらい
翌朝。
ジャンの何もない部屋で、僕は――せっせと着飾られていた。
白地に大きな花柄のビキニ。腰には同じ柄のスカート布を巻き、髪はポニーテール。仕上げに、ハイビスカスみたいな大きな花を飾る。
ユイナは真剣な顔で、細かいアイメイクを施していた。
といっても、最近はナチュラルメイクが流行りらしい。目元のキラキラやつけまつ毛は控えめ。ほんのり色づいた頬と、少し輝く瞳……という感じだ。
「よし! リハ通り、完璧にできた~!」
ユイナが満足げに手を叩く。
予想はしていたけど、魔法少女の衣装以上にスースーする。というか、風が吹いたら寒いレベルだ。
「こ、この格好で……行かなきゃ……ダメなの?」
思わず震える声が漏れる。
肩もお腹も、いつもより露出している。見られることを想像しただけで、顔が一気に熱くなった。
男なのに、こんな格好……恥ずかしすぎる……!
そんな僕を見て、ジャンが悶絶した。
「くう~……この乙女の恥じらいがたまんねぇなあ!」
……いや、なにが「たまんねぇ」なの!?
僕、男だよ!? いいの!? それで!
その時――。
ゴオオッ!
地鳴りみたいな音が響き、部屋の中が一瞬で暗くなった。
慌てて窓の外を覗くと、銀色の鱗を持つ巨大なドラゴンが翼を広げている。鋭い瞳が、こちらをじっと見下ろしていた。
「お。お迎えが来たみたいだね」
ユイナが楽しそうに笑う。
……僕は全然、楽しくないけど!
「ま、俺様たちも、あとで行くから、心配すんな」
ジャンが胸を叩いて言った。
「え? 助けに来てくれるんですか?」
この人にも優しい心があったのか……ちょっと見直した――と思った、その直後。
「いや~……ドラゴンに取られた笛を探しに行くついでに、助けようかな……って、思ってさ」
「……ついでに!?」
てへぺろ☆って顔するなぁぁぁっ!
期待した僕がバカだった……。
「わかり……ました……」
こうなったら、自分の身は自分で守るしかない!
魔法少女ラブリーピース、いざ出陣!!




