表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/56

熱い魔法少女に、僕はなる!

空を飛ぶのって、みんなはきっと「わ〜! 気持ちいい〜!」って言うんだろう。

でも、僕は――怖い!


下を見ると、家も木々も豆粒みたいに小さい。冷たい風が顔を叩いて、体がぐらぐらと揺れるたび、胃がキュッと縮んだ。


頼むから、早く着いて……!


「着きましたよ」


祈るような気持ちでいたところに、ユニコーンの優しい声が届いた。

その瞬間、体の力がふっと抜け、胸を撫で下ろす。そろそろとユニコーンから降り立つと――。


「ありが……」


お礼を言いかけた僕は、思わずその場で固まった。

目の前に、透明な羽をきらめかせた人たちが、すでにたくさん集まっていたのだ。


彼らはふわりふわりと宙を舞い、陽光を受けてシャボン玉みたいに光を反射している。

どこから湧いてきたの、この人たち……!


「さあ~! クッキングショーの時間だよ~!!」


そんな僕の混乱をよそに、ユイナのテンション爆上がりな声が響き渡った。


ええっ!? このノリでいくの!?

心の準備、全然できてないんだけど……!


周囲の熱気に押され、僕はぎゅっと拳を握り締める。怖い。でも――。


「魔王とそのしもべたちは、欲望のままに各地で異変を起こしています。それを止められるのは、あなただけです」


ユニコーンが、いかにもそれっぽい神聖な声で言った。


いや、そんな簡単に言われても……!


「……僕に、できるのかなあ」


思わず弱音が漏れる。

目の前の光景は、どこまでもきらびやかで、そして異様に熱い。これを収めるなんて、どう考えても荷が重い。


「必ず、できます。仲間と力を合わせれば」


ユニコーンの瞳は、迷いなくまっすぐだった。


「……はい」


不安しかない。でも、やるしかない。

ユイナと――あの謎の食材たちが、僕を待っている!


そのとき、ユニコーンの体が眩しく光り始めた。


「ご健闘をお祈りしています」


最後にそう告げると、ユニコーンは光の粒になって、ふっと消えてしまった。

同時に、僕の手にずしっと重みがのしかかる。


恐る恐る見てみると、そこには――。

きらきらと輝く、白い液体の入った瓶が握られていた。


こ、これは……まさしく――!


ユニコーンのミルクだっ!!


胸の奥で、何かが静かに灯る。

怖いけど、逃げたくない。ここで踏ん張らなきゃ、きっと後悔する。


「よし――!」


僕は大きく息を吸い込んだ。

会場の熱気に負けないくらい、僕も熱い男……いや、魔法少女になってみせる!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ