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妖艶な森
ユイナと別れてから、僕は1人で森を進む。
明かりは月だけ。頼れるのは、淡い月光だけだ。
しかも、素材になるモンスターがいるはずなのに、森は静まり返り、何も現れない。
……妙に、不気味だ。
その時――。
「あなたは……伝説の魔法少女……ですか?」
か細い女性の声が、闇の向こうから聞こえてきた。
誰……?
「どうか……この森を、守って……」
声は、ちょうど一番大事なところでふっと消えた。
それじゃ、手がかりゼロだよ……。
がっかりしていると、足音が近づいてきた。
思わず振り向く。
「ユイナ……」
月光を受けて、髪がきらきらと輝き、柔らかく揺れる。妖艶……という言葉がぴったりだ。
「……どうしたの?」
ユイナは少しもじもじしながら、顔を赤く染める。
「やっぱり……寂しくなっちゃって、戻ってきちゃった」
……え、ちょ、どうしたんだ、その表情!?
なんだか、心臓が速くなる……。
「ちょ、ちょっと……」
「だから、一緒に行こう」
ユイナがそっと手を伸ばして、僕の手に絡める。
――ドキッ。
胸が、どくん、と跳ねる。
よくわからないけど……まあ、いいか。
僕はユイナと手を取り、森の奥へと歩き出した。




