(あらあら)
「さみしい……」を聴いてしまったよ、
あの娘の。
あらあら、太陽はようやく
黄昏へ向かって傾きかけている
あれあれ? 悲しそうにみえるゾ
電波悪いか、
あたし悪いか、
いや、悪くったってかまわない
(むろん知ってるわ、遠くから来るもの
虹を求めて走るもの、早いもの勝ち)
でもかならず『速い』ものが
勝つわけではない、
ないない、
ないんだッつーの。
ね〜?
って、おちこむか、やっぱ?
だから、あなたの部屋へ行こか、
泊まったからといって
なにかが起こるわけでもないし
ふたりけっこう酔っぱらってて
あなたもう目ぇあいてへんし
こりゃもうやぶれかぶれ
やぶれた恋含め、『こいばな』でもどう?
あなた眠るまでつきあってあげる
明日の朝までふたりここで 寝よっか?
ソファーがあたしで、ベッドがあなたよ
べつになにするわけじゃないのよ。
ただ好きなだけでね、
いや、「大」好きなだけでね、ち、ちょっと
なに逃げてんのよ、じょーだんよ、
うそうそ。あたしそんな趣味ないし。
まったくそんなんちゃうし。
ほんまにそんなんちゃうし。
ちっともそんなんちゃうし。
で、ちょっとだけ、そっちいって、いい?
はは、おもろ、ほんきでビビってんの?
あ、花、あるやん。
そらあるわな、花くらい、
お茶いれよぉか?
なんかケバい包装やな、このお茶、
って、ま、味は普通みたいやな
いる? あったかいうちにどぉ?
うん、のみのみ、酔いもさめるやろ、
そんで、もう、寝ぇ。
なんも話ないやろ、
そんなけ泣いたらもうええわ
よしよし、髪の毛ゆっくり撫でてあげるし
毛布もちゃんと肩まで掛けてあげるよ?
のど気色わるくないよね?
じゃ、ほんとにもうおやすみ。。。
(くちびるだけ、いい?)
(ありがとう。)