5話 初めての依頼
「これからどうするんだ義弟?」俺に義兄が尋ねてきた。
「何って、地上にいくに決まってるだろ。」
「すぐに地上に行けるわけないだろ。地上にいくには、最低Bランク以上にならないといけないからな。」義兄は呆れたように言った。
「そうなのか、じゃあどうやってランクを上げたらいい?」そう尋ねた。ちなみに今の俺のランクは、Eだ。ランクはECBAの順になっている。そして俺のお父さんはAランクらしい。すごいよな。
「こっちについてこい。」そういい義兄が席を立った。義兄が看板に向かって指をさし。
「あそこに書いてあるのがギルドがだしてる依頼だ。その依頼を受けて達成することができたら、報酬がもらえる。それをどんどんやっていくと昇格試験を受けれるようになる。」俺は義兄の話を聞きながら看板を見た。こんな依頼があった。薬草の収集、光石の採掘それと魔物の討伐系の依頼だ。
「義兄さん俺これ受けるからさ手伝ってくれないか?」そういい魔物の討伐系の依頼を指さした。
「手伝うのはいいが、大丈夫なのか?」そう不安そうに尋ねられた。
「大丈夫だ。3年間お父さん修行してたしな。」俺はそう自信のある声で答えた。
「なら大丈夫か、義父さん強いもんな。」兄はそう言いながら依頼の書いてある札をとった。
「これを受付の人に渡せ、そうしたらお前がこの依頼を受けたことになる。」そういい俺に札を渡してくれた。俺はそれを受け取り受付へ行った。
「依頼を受けるんですか?」そう受付のコウモリに聞かれた。
「はい。この依頼でお願いします。」そういい手に持っている札を手渡した。
「わかりました。冒険者カードを渡してください。」そう言われたので俺は冒険者カードを渡した。コウモリの受付が冒険者カードに何かを書いた。
「はい。これであなたは、この依頼を受けたことになりました。無事をお祈りしています。」俺は返された冒険者カードを受けとり。義兄のところへ行った。
「依頼は受けられたか?」そう聞かれた。
「ああもちろん、受けることができた。」
「まあ、受けることができなかったら問題になるもんな…。とりあえずついてこいダンジョンに行くぞ。」そういい義兄がギルドから出ていった。俺はそれを追いかけた。
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ダンジョンの入り口についた。入り口は冒険者で賑わっておりその近くには、武器や防具薬草などを扱っている店が並んでいた。
「おい、義弟行くぞ。」義兄さんは僕にそう声をかけてくれた。
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ダンジョンの中は俺の想像とは違った。床や壁は整えられた石でできているものだと思っていたが、これはただの洞窟だ俺の家とあまり変わらない。
「なにかあったか?」義兄が尋ねた。
「いや何もないです。」そう答えた
「油断してたら死ぬからな気をつけろ。」そう脅すように言われた。俺たちが進んだ先には薬草が生えていた。
「僕が採取するから、周りを見張っててくれないか?」そういい義兄は薬草の採取に取り掛かった。
「俺たちが受けたのは討伐系だから別に取らなくてもいいんじゃないか?」俺はそう言いつつ周囲を警戒する。
「でもな、とった方がいいんだよこう…「静かに。」喋っている義兄を止めた。近くに何かがいる。多分モンスターだ。周囲の警戒を強める。その時前からモンスターが出てきた。オオカミ型のモンスターが4体ほどだ。
「僕が魔法で倒すをする義弟はモンスターを引きつけておいてくれ。」そういい素早く魔法の詠唱を始めた。俺はそれを聞き1番手間にいたオオカミの方へ走り出した。
「「ギャオオオオ」」オオカミ型のモンスターが吠えいっせいに突進してきた。俺は手前のオオカミに向けてモグッラ流の技を放った。それを受けたオオカミは後ろに吹っ飛び壁にあたったオオカミは壁にぶつかった衝撃で潰れていた。力加減を誤ったようだ。オオカミが吹っ飛ばされ仲間のオオカミたちが立ち止まった。俺はそこに向かって走り一体二体とオオカミを吹っ飛ばした。今回は力加減を誤らなかった。
「義弟すごいな…」義兄は詠唱をやめ俺にそう話しかけてきた。
「それほどでもない。お父さんならもっとはやく仕留めてただろうしな。」
「とりあえず…この4体の素材を回収しよう。」そういいオオカミを指さした。
「わかる?やり方。」
「わかるよそのぐらい。」俺はそういい爪でオオカミの皮を剥ぎ取り牙を抜き取った。
「とりあえず今日のところは、帰ろう。」そう義兄が収集したものをバックに入れながらいった。
「俺は、まだまだ行けるぜ。」
「お前は今日が初めてなんだから。」
「ちぇわかったよ。」俺はまだ行けるのに。
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ダンジョンから出るとさっきの賑わいが嘘のように静まり返った市場が目についた。
「けっこう時間が経ってるな、大体22時ぐらいだろ。」そうおれにおしえててくれた。俺たちは冒険者ギルド目指してあるいていった。
ギルドについた俺たちは受付へ出向いた。
「何のご用でしょうか?」コウモリの受付が聞いてきた。
「依頼の達成報告を。」義兄がそういいバックからオオカミの皮と牙を渡した。
「わかりました。こちらが依頼達成での20ペソこっちが素材の売却での50ペソとなります。またよろしくお願いします。」笑顔で言ってくれた。俺たちはそれを受け取ったあとギルド内にある酒場に行った。
「いらっしゃい。」そう言いながら店員が俺たちを席に案内してくれた。
「注文は決まってるか?」
「はい。グラーワインを一つそれと薬草サラダを。義弟お前は?」
「えっと……俺も同じのでお願いします。」何があるかわからなかったので義兄と同じものにした。
「初めての依頼どうだったか?」義兄が俺に笑いながら聞いてきた。
「けっこう楽しかったよ。」俺はそう答えた。
「そうか、それはよかった。」兄は嬉しそうにそう言った。