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19/24

ファミレスにて

中学最後の体育祭は無事幕を閉じた。


僕、なんも出場していないのに、めちゃくちゃ疲れた……

着替えることもままならないほどに、帰るなり僕は自室のベッドに倒れ込んだ。


あ、忘れてた!


「ごめん、マホ。ずっとポケットとの中で退屈だった?」


今日は朝から体育着だったからマホをズボンのポケットに入れっぱなしだったんだ。



急いでマホを取り出すと、


『……いいや。そんなことないよ。クックック……』


意外な反応

なんか、笑ってる……?


『声とか音だけだったけど、随分と楽しませてもらったよ……』


「そ、そう?ならいいんだけど」


ナニを楽しんだのか分からないけど、深く追及したくないなと思った。


「お兄!着替えた?!」


突然、僕の部屋のドアが開けて妹が入って来た


「なに〜まーだ体操着のままなの?!夜、外で食べるって言ってたでしょ?!」


「うるさいなぁ……ノックしろって言ってるだろ」


妹のオカン化が激しい……

それにしても、家族で外食って

学校の誰かに見られたら恥ずいって言うのに……


また大声で泣かれても嫌なので、胸ポケットがあるシャツに着替えてマホも連れ出した。







「えッ?…あ、藍川先輩?!こ、こんばんは……!」


「愛善、さん?……こんばんは」


だから言わんこっちゃない!


家族でやって来たファミレス。

遠くがいいって言ったのに、近所のファミレスに来てしまったからクラスメイトに会っちゃったじゃないか!

し、しかも、よりにもよって藍川さんだよ!

琴葉()がわざわざ話しかけちゃったから僕がいることもバレてしまった。最近エンカウント率高すぎだよ!


藍川さんはチラリと僕を見て、


「家族で来たの?」


「はいッそうです!藍川先輩もですか?」


「うん、お姉ちゃんと2人で来た」


先輩後輩同士でなんだか少し楽しそうだな。

僕は軽く藍川さんに会釈をすると、藍川さんも少し微笑んで軽く手を上げた。


なんだ。僕にも笑いかけてくれるんだ。


「学校の子?」


席に着くなり母さんが聞いてくる


「うん、部活の先輩なの。お兄は同じクラスだよね、藍川先輩は」


「……まぁ」


「そうなの?一緒にいるのはお姉さんみたいだけど、挨拶した方がいいかしら……」


「やめてよ母さん!恥ずかしいだろ!」


「なんだ幸也、意中の子なの?だったらもっとアピールした方がいいんじゃないかな?」


「父さんまで…放っといてくれって!早く注文決めよ!」


「まぁねぇ〜藍川先輩、ちょーカワイイし、ちょーモテるみたいだからね。お兄が惚れるのも無理ないね。あーでも(たかむら)先輩という強力なライバルがいるしな〜」


ニヤニヤしながら僕をからかう3人

まったくうちの家族はどいつもこいつも!

無視だ!ドリンクバーでも取りに行こう


「はぁ〜……」


ドリンクバーの前で大きなため息をつく

今日は本当に疲れる一日だ……

こんなに誰かに心を振り回されるなんて滅多になかったからかな


「選ばないの?」


ヒッ!


いつの間にか隣に藍川さんがいた


「ぼ、僕はコーヒーを……」


普段飲みもしないコーヒーを選択。

別にカッコつけているわけじゃないぞ!


「妹さん、可愛いよね。元気いっぱいって感じ」


何を言い出すやら

でも今日の保健室の時のことを聞かれるよりマシか……


「そんなことないよ。うるさくて。最近じゃ母さんと間違えるくらいだし」


「ふふふ。でも羨ましいな、私妹が欲しかったから」


笑ったよ……一軍女子の藍川さんが!僕に向かって!


「藍川さんと一緒に来てるのはお姉さん?」


「うん。お父さんが単身赴任先で体調崩してからお母さんも一緒に行っちゃって、少しの間お姉ちゃんと二人暮らし」


「そうなんだ……」


藍川さん、僕なんかに家庭の事情を話しちゃってもいいのかな?確かに少しおしゃべりな感じはするけど


ヴヴヴッ


突然胸ポケットが振動した


な、なんだ?マホか?

なんだってんだ


マホを手に取って画面を見ると


“アピれ”


真っ黒の画面に白い明朝体で、ただそう記されていた。


なんだこれ……?

いつそんな機能が備わったんだよ?!

何をもってして何をアピれと?!何考えてんだマホのやつ!


僕はマホの主張を無視して何事もなかったように胸ポケットにマホをしまった。


その時――


『藍川さんの私服初めて見たけど、すごく似合ってるね』


「ッ?!」




僕じゃない


今しゃべったのは


僕じゃないぞ!?




「そ、そう?……あり、がと……」


「あ、ぇと…いや…」


どうする……?

どう言い訳したらいい!

言葉が出てこない!


マホか?

マホが余計なこと言いやがったー!!

せっかく僕にしては珍しく上手く会話ができていたというのに!

なんで急にキモイこと言いやがるんだ!


「愛善君て、そういうこと……言うんだね」


「あ?!いや、ご、ごめん……」


「ううん、嬉しいよ」


微妙な空気になっちゃった

どうしてくれるんだこれ!


「じゃ、私戻るね」


「うん……」


藍川さんは少し恥ずかしそうにしながら自分のテーブルに戻って行ってしまった。


お読みくださりありがとうございます!

良い点悪い点、何でもよいのですが感想をいただけると今度の作話の励みになります。

これからもどうぞよろしくお願いします^_^

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