アタシマホ
家に帰ると、妹の[琴葉]が玄関先で仁王立ちして僕を待ち構えていた――
「ちょっと、お兄!あれ、どうにかしてよ!」
「なんだよあれって」
言葉の裏側から聞こえてきた
着信音
ティリリリリリ
ティリリリリリ
「ずっと鳴ってるのよ?!うるさいから早く止めて!」
「止めてって、僕、自分のスマホはポケットに……」
…………
まさか!
封印したはずのお化けスマホ?!
僕は騒ぐ妹を無視して階段を駆け上がった。
ティリリリリリ
自室のドアを開けると
確かに
ティリリリリリ
机の引き出しの奥から聞こえてきていた
僕は、急いで箱の封印を解いた。
きっとまた汚い言葉で僕を罵るんだろうな
……
どうしよう
捨ててしまうか……?
いや、いっそ壊しちゃった方がいいかも
そんな殺伐とした考えが首をもたげてきて
僕は箱を開けた――
『うぇーん!!ゔぇー!!怖かったよー!暗いの嫌だよぉぉ』
「…………は?」
『ごめ゙んなざいいぃ。もう意地悪なこと言わないからぁしまわないでぇぇ!』
ご、号泣?
………………なんだか拍子抜けしてしまった
「あ、いや…なんか、ごめん……」
『スン……スンスン……ヒック……ヒック……』
なんだろうこの罪悪感……
今日は女の子泣かせてしまう、特別な日なのかな
そういえば
このスマホのこと、僕はなんにも分からないし知らない
仕組みを知ったところで僕なんかに理解できないんだろうけど、話くらいは聞いてあげようかな……
「ねぇ……君のこと教えてくれる?もちろん嫌なら話さなくていんだけど」
『……別に嫌じゃない。アタシ、死んじゃった。と思う……』
「しん……いきなり重いな……じゃぁ君は本当に幽霊なんだ」
『多分……そん時のことは覚えているから……魂か精神か分からないけど、このスマホに憑依ったみたい』
「そうなんだ……それは、なんて言うか、ツラいね……生きていた時の記憶はあるの?」
『あるよ……アタシ、まだ高校生だったのに……』
「歳上、だったんだ。あ、そうだ、名前、教えてよ」
『死んじゃったんだし、名前なんかどうでもいい……』
暗ぁ……
これまでのキャラはなんだったんだろう
でも落ち込んだままいられてもまた変な動きされるかもしれないし
「でもそれじゃ不便だよ」
『じゃぁ、アンタがつけてよ。アタシの名前』
「えぇ?!……うーん、そうだなぁ……」
『言っておくけど、アホの子みたいな名前つけないでよ?!』
……うるさいなぁ。自分でつけろって言ったくせに
でも泣かしちゃったから文句は言わないでおこう
「じゃぁ……マホってはどう?」
『…………えッ?!……な、なんで?』
どうしたんだ突然?
動揺するなんて、なにかあるのかな
まぁ、安易に[スマホ]から取ったからなぁ。
「気に入らない?なら別の名前考えるけど?」
『ううん、いいよ。マホで』
なんだよ
よく分からないな。まぁ、嫌なら後で変えてとか言ってくるだろう。
『アタシマホ。以後よろしく』
「なにをよろしくしなきゃならんのだよ……」
なんか、さっき大泣きされちゃったから、スマホに霊が憑依とか、いろいろツッコんで聞きたい所があるけど、もう細かなところはもうどうでもよくなってきちゃった。
考えること、もう諦めよう……
さ、気持ちを入れ替えて[ファシフォー]でもやるか
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