プロローグ
この作品に興味を持っていただきありがとうございます!
新作になります!
まだまだお話のストックは足りませんので、初回のみ2話投稿で、しばらくは1日1回の投稿をさせていただき、その後は不定期投稿となる予定です。
拙い物語ですが、どうぞよろしくお願いいたします!
「ええ〜幸也と遊んでもツマンネーよ!なぁ、佳奈?」
「うーん、そうだね。幸也、おとなしすぎるよね〜」
「だよな!もうあいつのこと仲間に入れるのやめようかな!」
「こらッ2人ともそんなこと言わないの!将吾くんもよ!」
「キャハハ!将吾くん、うちのママに怒られてやんのー」
「………………。」
佳奈ちゃんと将吾くん……
ずっと友達だと思っていた。
でも、2人にとって僕は邪魔者だったんだ……
言いようのない悲しみと悔しさで、僕は木の陰から出ていくことができなかった。
ミーン、ミーン、ミーン、ミー……
2人のために家から持って来たアイスは、蝉が鳴き叫ぶ夏の公園の暑さで溶け始めていた――
*****
ピロピロ、ピロピロ……
スマホの目覚ましが鳴る
はぁ……
また小学生の時のあの夢か……
今日から中学3年だぞ。
受験とか塾とか、考えなきゃいけないことがたくさんあるからこんなことで頭を悩ませている場合じゃないのに……
しかもあれから3年は経っている。
完全にトラウマになってしまって、未だに女の子と話すことはもちろん、どうやって友達と接したらいいか、なにも分からなくなってしまった……
夢にまで出てきちゃってるし
こりゃ重症だな……
ベッドのヘッドレストの上に置いてあるスマホに手を伸ばす。
うんん――手がスマホに届かない……
ゴチッ
「あ、痛!」
スマホがヘッドレストから落ちてきて、おでこを直撃……
ツイテナイ
おでこをさすりながら、モソモソとリビングに行くと
「ごめん、幸也!寝坊しちゃって朝ごはんこれから作るの!」
朝からバタバタしてると思ったら母さんか。
「……母さん、いいよ。牛乳でも飲んどくから」
母さんも忙しいからな
こうやってたまに寝坊したりする。
「や、おはよう幸也。なんだまた寝坊したの母さんは。僕もやるよ」
父さんだ。
すでにネクタイまでしている。父さんは一家の中で1番のしっかり者だ。
「ありがと。今日仕事休みだからって油断しちゃった」
「僕は午後から仕事休むからね」
そう言って父さんを朝食の準備を手伝い始めた。
「おはよー。わぁ、お兄ちゃんすごい寝癖ー」
続いて妹の琴葉がリビングにやってきた。
琴葉は今日から中学生だ。少し大きめの制服を着ている。
入学式は午後からなのに。
「やぁ、やっぱりとても似合ってるよ琴葉。本当に。早いもんだなぁ」
「えへへ、ありがとお父さん」
少し恥ずかしそうにして得意げになっている娘を見て涙を浮かべる父さん。
琴葉が嫁に行く時はこんなんじゃ済まないかもな……
我が家は朝からバタバタとして朝食は食べそびれるは、妹からヤイヤイ言われるは
なんか、やっぱりツイテナイ。
まぁ、いいさ。
今年こそ……
今年こそはちゃんと友達を作るぞ!
お読みくださりありがとうございます!
良い点悪い点、何でもよいのですが感想をいただけると今度の作話の励みになります。
これからもどうぞよろしくお願いします^_^