第8話 〜風の町〜
1話2000文字以上書けないマン
ダイルが自己紹介してくれたので、2人も自己紹介した。
「俺はハヤトと申します。よろしくお願いします。」
「アオイです。よろしくお願いします。」
3人が挨拶をそれぞれ済ませたところで、ダイルは2人に質問をする。
「通行証を持っていないって…隣の国にでも忘れて来たのか?」
「あ、いや…そもそも[通行証]が何なのかがよく分かっていないんだよね…」
アオイのそんな発言に、ダイルは少し困惑しているように見えた。
ダイルは続けて2人に聞く。
「じゃあ、冒険者ランクカードくらいは知っているだろ?」
2人は申し訳なさそうに視線を逸らす。ダイルはかなり驚いていたようだ。
ダイルが、「今までどうやって生きてきたんだ」とでも言いたそうな顔をしているようにハヤトは見えた。
ダイルはそれでも話す。
「ま、まぁ、知らないものは知らないからな…冒険者ランクカードはともかくとして、通行証はないと何も出来ないし困るんだよな…。よし!作り方教えるわ。でも、俺が教えるよりも、専門の人が教えた方がわかりやすいな。とりあえず、ギルドに行ってみようか。」
2人は男の優しさに感謝した。裏がありそうな人にも見えないし、とりあえず安心した。
そしてようやく[ギルド]という異世界でしか聞かない単語が出てきた。
少年は再度、ここが異世界であることを確認した。
ダイルが歩きながら呼んでくる。
「ギルドはこっちだ。ついてきてくれ。」
「あーごめん。そこで少しだけ待ってくれないか?」
ダイルは進む足を止めた。少年はそれを確認すると、神に聞く。
「自己紹介で[自分は神です]発言しなかったけどさ、やっぱり神なの黙っていた方がいいのか?」
神はそんなことかと思うと、質問に答える。
「今の私には神力がないから、普通の人間と大して変わらないし、仮に神って言って注目集めたりしたら面倒くさいからね。特に私たち第八女神にとっては。」
第八女神とは何なのかよく分からなかったが、きっと八属性の神のことだろう。
ていうか、全員[女神]なんだ。
「わかった。とりあえずアオイが[神]なのは黙っておくわ。」
そういうとダイルの方に歩き出した。
───────
今更かもしれないが、俺はアオイが本当に神なのか怪しくなっていた。
あの時はどっちみち地獄に行くか、1人で転生すると思っていたから疑う必要はなかったが、今回みたいなパターンがあると、[アオイとは何なのか]考えさせられてしまう。
しかし、現状神らしからぬ行為はなされていないので、[今は]特に疑いはしていない。
───────
「ハヤト?」
「ん、あぁ。」
アオイの声で自分の世界から戻ってきた。
あぁ、そうだ。今俺たちはギルドに向かって歩いている所だった。
今のうちにダイルに聞いておきたいことがあったのだ。
俺は質問する。
「そいえば、この町って何て言うんだ?」
「この町はウィング・ランドだよ。風の町さ。」
そのまますぎて面白かった。ダイルが続けて話す。
「この町は他の国や都市なんかと比べたら劣るかもしれないけど、なんかこう、雰囲気が好きなんだよな。」
他の町の雰囲気は知らないが、確かに、この町は周りが自然で溢れている。
道には花が咲いているし、所々に数多く木が植えてある。
「何となくわかるな。それ」
ダイルは微笑した。続けて話す。
「別に自然だけということでもないしさ。この町はEとか、Dランク冒険者が多いんだよな。だから冒険者なりたての人とかがよくこの町に来るんだよ。」
ランク?ランクについてはあまり理解していないが、ダイルの言い方から考えるに、Eが1番下で、そこからアルファベット順に上がっていくのかな。
そんなことを考えると、ダイルの足が止まった。
ギルドに到着した。
(´・ω・`)