第25話 〜アイテム〜
道具か。戦闘において、アイテムの存在というのは大きいものだ。
治癒玉なんて、典型的な例であろう。リアさんのあの時の言葉通りの性能なら、治癒玉とは、微量の回復が出来るアイテムなのだろう。
しかし、この微量に、アオイさんは救われたのだ。
それに、道具は治癒玉だけではないはずだ。戦闘面においても必ず道具の存在は戦局を有利にするだろう。
「お願いします」
俺は迷うことなく了承した。
「じゃあ早くその傷治療してこようか」
リアさんの言葉に、俺は[うっ]となった。
火炙りは嫌だぁ。
「その前にもう1つだけ先に聞いていいですか?」
俺はリアさんに言う。
「何?そろそろ治療しないと、傷跡が残るわよ」
「その件です。この世界って治癒魔法は存在しないのですか?」
この世界は八属性の他に、[派生属性]が存在しているというのは、アオイさんが言っていたので知っている。
治癒属性なんて存在するような気はしないが、念の為だ。
「いや、存在はするけど…」
リアさんもこう言っているわけだし、やっぱり存在するのか…ん?
「存在するの!?」
俺は机を叩きながら飛び上がってそう言った。
周りの冒険者がこちらを見ている。
目立ちすぎたようだ。
俺は咳払いをしながら再び席に着き、話し始める。
「存在するのですか…リアさんは使えるのですか…?」
「あ、えぇと、治癒魔法って、貴族だったり、王族に与えられる属性なの…」
リアさんは、何故か俯いていた。
あぁ、あの場でアオイさんや俺を治癒魔法で回復出来なかったことを申し訳なく思っているのか…?
全然気にしなくてもいいのにな。王族や貴族なんて滅多にいないだろう。
「全然気にしてませんよ。とりあえず、治療室行ってきます」
それだけ言い残して、俺は回復施設へ向かった。
───────
あー火炙りだ。絶対痛いやつじゃないか。
この町には治癒魔法を使うことが出来る貴族はいないのだろうか。
まぁ、ギルド店員の人達も俺たちのためにやってくれたんだよな…それを否定するのは違うだろう。
覚悟を決めるしかないか…
回復施設へ向かうとどんどん重くなっていく足を振り上げて俺は前に進んだ。
そんな感じで回復施設までついた。俺はアオイさんのいたベッドの所まで進む。
そこでは、まだ意識を失っているであろうアオイさんがいるだろう。回復が間に合っていないはずだ。治癒玉でも使えたらな…
そう思いながら、アオイさんがいる場所のカーテンを開けた。
「あぁ、ハヤト、怪我は大丈夫?」
「…あれ?」
もう意識取り戻してる?早くないですか?
「アオイさん…もう意識が?」
「えぇ、ダメだった?」
まぁ、良い事だけど。
「にしても早くないですか?」
「あの人が治療してくれたの」
そして俺はアオイさんが指を指す方向を向いた。
鮮やかな色彩に、美しいレース…人目見ただけで、俺はその人が貴族であることがわかった。




