第21話 〜規格外〜
スーパー眠いタイム
俺たちはギルドへと戻っている途中だ。
アオイさんは途中で再び意識がなくなってしまったため、背負っていった。
傷口に直接服が擦れる。
痛い…痛いけど、
アオイさんは、これ以上の痛みなはずなんだ。
脇腹に大きい傷が2箇所…しかも無理に神力を引き出して、負担がかなり大きい。
…アオイさんも守れるくらいに、強くならないといけない。
俺は心の中でそう決意した。
───────
俺たちは、ギルドに着いた。
ギルドに入ると、全員俺たちの方を見た。
そりゃそうだ。さっきまで初心者だった奴らが、数時間経って血みどろで戻ってきているからな。
当然だった。
そんな中、さっき、ギルドの説明をしてくれたギルド店員がやってきた。
「ど、どうしたんですか!?」
「…そんなこと後で良いじゃないですか…彼女の治療お願いします…」
「わ、わかりました。すぐに回復施設へ!」
そう言うと、裏からタンカーを持った男ギルド店員がアオイを運んでいった。
良かった。とりあえずは一安心だ。
そんな様子の俺にギルド店員は言う。
「えぇと、ハヤトさんは治療は…」
「すいません。後でも良いですか?少し、後ろの女性と話が…」
「わかりました。ですが、かなり傷がありますので、早めに来ないと、傷跡がなくならない可能性も…」
「…マジですか?」
俺はその答えに、先に治療しようか迷った。
何故かと言うと、赤髪の少女に色々聞きたいことや、お礼などがしたかったからだ。
治療する時間によっては、治療後に会えなくなる可能性があったのだ。
そんな困惑している様子を見て、少女は言う。
「命優先。さっさと治療してきて」
俺はその言葉に感謝した。
「ありがとうございます。えぇと…」
「私の名前は[リア]。君の治療が終わるまで、ギルド内にいるから、名前呼んで。行くから」
「わかりました。では、また後ほど…」
そして、俺は自力でアオイが運ばれた方へ向かった。
っていうか、この世界って治癒魔法あるのか…?
───────
回復施設に向かう俺の姿が見えなくなると、ギルド店員は言い出す。
「しかし、なぜあんなにボロボロに…」
そして、リアは言う。
「[衝撃竜]と戦っていましたよ」
ギルド内が一気に静まりかえった。そしてギルド内にいる冒険者達がこちらを見ていた。
何やらザワザワしている。
「え?インパクトドラゴンって言ったか?」
「確か、[Aランク適正モンスター]じゃ…」
「どういうことだ、アイツら数時間前まで[冒険者って何だ?]的なこと言ってただろ…」
リアはそんなザワついている言葉を聞き取ることは出来なかった。
ギルド店員はリアに尋ねる。
「インパクトドラゴンって、本当ですか?」
「え、えぇ」
「良く逃げ切れましたね…」
そんなギルド店員の声に、再び場がざわつき始めた。
「あぁ、本当だよ…」
「私なら出会ってすぐ死んでるわ…」
リアは、今回のざわつきは聞き取ることが出来た。
全員、[良く逃げられた]などと言っていた。
彼らは、一生懸命戦ったのに、なんで逃げられたなんて言うのだろうか。
そう思い、リアは言う。
「いや、倒したんだけど!」
ギルド内の全員が「はい!?」と言い出した。
まぁ確かに、驚いて当然。
Aランク討伐クエストなんてこの町では滅多にクリアすることが出来ないもんね。
「いや、嘘だろ…え?倒した…?」
「倒…したって…え…?」
「はい?タオシタ?」
全員、語彙を失っている。
ギルド店員はリアに質問してきた。
「…ちなみに、あの2人のランク知っていますか…?」
「?[A]でしょ?」
リアは、彼らのランクを知らなかった。インパクトドラゴンと戦うレベルの人達だから、強いのだろう。
そんなことも思っている顔をしている。
ギルド店員は小声でリアに言う。
「…[E]です…」
「え?」
「数時間前、冒険者登録したばかりの[E]ランクです!」
リアは、この場の誰よりも驚いていた。
ギルドは、騒然たる空気であった。
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