第20話 〜救世主〜
投稿ペースが落ちてきてしまった。
調子を戻さないと。
俺は、わけも分からずその場に伏せる。
とは言っても、これから何が起こるのかくらいはわかる。
謎の少女は、ドラゴンに向かって弓を構えていた。
そう。弓だ。きっと、さっき俺をドラゴンから助けてくれた矢を打ってくれたのもこの子であろう。
つまり、あの子が俺達の味方であるのはほぼ確定だろう。
謎の少女は言う。
「火矢!」
技名だろうか。名前は淡白な技であるが、遠くからでも感じる火の熱気は、凄まじいものであった。
そして、火矢が放たれると、ドラゴンの方を狙っていく。
これなら間違いなく、ドラゴンを仕留められる。
…いや、待て、
…ドラゴンが、目の前で…殺されるんじゃ…?
状況的に、そんなこと言っている場合じゃないのはわかっている。
しかし、自分の理想が、目の前で、何も出来ずに、消えていくなんて、これから先、心に引きずってしまう。そう思った。
思ったところで、俺に出来ることなんて何もなかった。
俺は地面を強く叩いて嘆いた。
「クソッ!」
そして火矢はドラゴンに当たる。
当たったのは腹であった。
何故だ…仕留めるなら、頭とか、首とかを狙うはずじゃ…
単に狙いを外したか…?
色々考えられるが、結果は結果だ。謎の少女がドラゴンを殺す前に俺がケージを取り出して、ドラゴンを閉じ込めれば…
しかし、謎の少女はそんな行動も許さないのか、また弓から放った。
あぁ…間に合わなかった。今のは救えたはずなのに…
悔しかった。辛かった。
しかし、結果は結果だ。せめて亡骸くらいは…
そう思ったのだが、そこにドラゴンはいなかった。
どこに行った…?
そう思ったが、下から鳴き声が聞こえてきたので、下を見てみた。
そこにいたのは、ケージにかかったドラゴンだった。
俺は驚いた。
俺の使ったケージ…ではない。
というか、何故かこのケージ、先端がケージとなっている[矢]のようであった。
ケージの角から、木の枝が、矢柄のように付けられている。
…さっき見えなかったが、弓から放たれたのは、矢ではなくて、ケージ…?
そんなことを考えていると、謎の少女はこちらに来る。
ロングヘアで、赤い髪をしていた。
ずっと、火の光が反射したことで髪が赤く見えていたと思っていたが、まさか赤髪だとは。
しかも、目も赤い。
しかし、この少女、何故か心が引き寄せられてしまう。
表現するとしたら、[好き]のような感情に近いのだろうか。
何か、普通の人とは違う何か…
いや、そんな深いこと考える必要はない。とりあえず感謝だ。
謎の少女がこちらに着いたら、俺はすぐに感謝した。
そして、アオイさんの手当てをしないと…
「ドラゴンのこと、ありがとうございました…すいません、出会っていきなりこのようなことを言うのもあれなのですが、あちらの女性の手当てを…」
「分かっています。すぐに」
そう言うと、謎の少女は腰に付けてある鞄から、緑の玉を取り出した。
優しいオーラを感じる。素材はガラスみたいであった。
その玉を、アオイの近くの地面に投げた。
そして、割れてしまう。
一瞬焦ったが、故意的に割っているのだから、きっとそういうものなのだろうと瞬時に判断した。
すると、アオイさんの体全体から緑色のオーラが出てきている。
オーラが消えたと思うと、アオイさんは目を覚ました。
「アオイさん!」
俺は思わず叫んでしまった。
謎の少女は言う。
「分かっていると思うけど、[治癒玉]だからね。ただの応急処置レベルしか回復しない。ごめん。アイテムが今はこれしか…すぐにギルドへ戻りましょう」
俺たちは、この少女のおかげで命を救われた。
しかし、この少女は一体何者…?
言ったっけ?
アオイさんはショートヘアね。




