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カウントダウンイセカイタイム  作者: あおいろ
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第16話 〜隠されたもの〜

あいうえお

ドラゴンがアオイの方へ向かって行く。

ドラゴンはまた口を大きく開ける。

花吹息(ブルーム・ブレス)の構えのはずだ…

しかし、放たれたのは花でも種でもない。それどころか、何もなかった。空間に揺れが生まれただけだ。

衝撃波なのだろうか。

ギルド店員の情報ミス…ではないだろう。

つまりこいつはブルームドラゴンではない。

上位ランク適正の竜と考えるのが妥当か。

ここに来るドラゴンはブルームドラゴンのみだと思っていた。これは俺の誤算だった。

アオイは衝撃波攻撃が来るのを、さっき俺がやられたのを見て知っていたのか、薙刀を地面に刺して衝撃波で吹っ飛ばされることを防いだ。

しかし、今度はドラゴンは、爪で攻撃しようとした。

これをアオイは薙刀の柄で受け止めたが、反対側の爪攻撃をアオイは脇腹に直撃してしまった。

爪で攻撃を受けた2箇所から大量出血している。

俺は動けなかった。怖いのだ。俺は冒険を舐めていた。

クエストを受けないからって、それ以上に強い敵が現れないとは限らないのだ。

本当に、自分が情けない。

全員救うってさ。俺が言った言葉だ。

目の前の女性1人守れやしない。

ましてや、俺に機会(チャンス)をくれた人を、

せめて、彼女を死なせたくない…!

今だけでいいんだ、1人救える程度の力くらい振り絞れ!

───────

その頃、先程までハヤトと話していたギルド店員は、とある疑問を抱いていた。その疑問を、風の町(ウィング・ランド)のギルドマスターに聞いてみることにした。

ギルドマスターと聞かれると、おじいさんのような人がいるようなイメージがする。しかし、この町のギルドマスターは女性であった。


ギルド店員はギルドマスター室の扉を2回ノックする。


「ギルドマスター様、お聞きしたいことがあります」

「どうぞ。入ってくれ」


ギルドマスター室は、対面するような形でソファーのようなものが置かれている。その奥には、仕事机だろうものも置いてある。

ギルドマスターはソファーに座り、待っている。ギルド店員は、反対側のソファーに座る。


「どのような要件か言ってみろ」

「先程、緑髪の男性と黄色髪の女性が冒険者ランクカードに登録をされていました」

「そうか。それがどうかしたか?」

「女性の方が、全てのステータスにおいて平均を出しておりました」

「全ての項目でか?」

「はい」


ギルドマスターは考えている。ステータスが全て平均値というのは、基本的にありえないのだ。この世界において、全ての項目でステータスが一致したというケースがない。


「確かに、そのようなケースは見た事がないな。しかし、ステータスがオール1やオール5でないのならば、ランクカードの故障ということはまずないだろう。心配はしなくて良いと思うな」

「了解です。そして、男性の方なのですが、」

「あぁ、そちらもか。何があった?」

「速さの項目のみ、数字が現れなく…」


ギルドマスターは立ち上がった。物凄い勢いでだ。


「ど、どうなさいましたか?」

「…おい、その男、他のステータスは出ていたということは、故障ではないのだな…?」

「あ、はい…他の項目は3や2が多く、全体的に見ると、平均値よりもやや下くらいのステータスになっていましたが…」


ギルドマスターは突然笑いだした。


「そっか、数字が現れなかったか…1項目…。いや、1つだけでもとんでもないがな…!」

「え、えぇと、数字が現れないというのはどういうことでしょうか。」


ギルドマスターは説明する。


「ステータスには、1,2,3,4,5のステータスがあり、1が最低で5が最高であることは知っているな?」

「あ、はい。知っていますが、」

「あぁ。しかし、それは世界的に99.99%の人が1から5の数値を出しているからこのような数値が範囲だと定められたのだ」

「と、言いますと?」

「ステータスの上限値は、無限に存在するという訳だ!」

「で、ですが、ステータスに上限値があるのでしたら、その数値が書き込まれるのでは?」


ギルドマスターはニヤリとしながらギルド店員の方を見て言う。


「冒険者ランクカードに2桁以上の記入は不可能なのだ」

「…ということはつまり…」

「あぁ、その男は速さの項目のみ、ステータス10以上の潜在を秘めている!しかし、魔力の使い方によっては、10以上のステータスレベルの力を持つ者も他に何人かいるが、素のステータスで2桁は本当に驚いたな…言わば天性の才能だ」

「そ、そんなに凄いことが…」

「あぁ、まさかこの町から現れるとは…これで、世界で4人目の[2桁持ち]が現れた訳だ」


2人は事の重大さに驚きを隠せなかった。

ギルドマスターは言う。


「この事は、2人だけの秘密だ。分かったか」

「はい!分かりました!」

───────

そんなことを知るはずもない緑髪は、女神を助けるために動き出す。


震える足を、固い決意で打ち砕く。

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