第11話 〜討伐クエスト〜
視点を一人称メインで書き始めます。
ハヤトは驚きが隠しきれていなかった。
異世界転生した主人公は、高いステータス、そして強い能力が判明していって…
「低ステータスじゃねぇか」
思わず声に漏れたが、実際ハヤトのステータスは割と低い方だった。一応ステータスが高いものもある。
[解放5]
…解放って何?[潜在]との違いが分からない。ついでに潜在も4と割と高い方。
俺は、もしかしたらステータスは低くても、最強の能力なら持っているのではないかと期待した。なぜなら、[解放5][潜在4]だからだ。
そう思い、ギルド店員に尋ねる。
「ステータスの他に、能力のような項目はありますか?」
「[能力]は、基本的に魔界の方でつくことが多いので、人間ではほとんど見られないですね。一応特殊能力を持っているのでしたら、冒険者ランクカードに記載されていると思いますが」
なるほどな。つまり俺の冒険者ランクカード能力の項目には何か記載されて、
いなかった。
本当に最弱レベルからのスタートのようだ。
受け入れなければいけない現実に、俺は床に顔を埋めた。もちろん周りの目を気にせずに。
「ちょっと、やめてよハヤト…」
アオイはその場で慌てながらそんなことを言っていた。
この女神は一体どのようなステータスをしているのか。
きっと女神の権限か何かで…
そういえば、異世界に来た時に、神力が無いだとか言っていたような気がする。そんな気がしながら俺は言う。
「ちなみにアオイさんはステータスはどのように…」
慌てていたアオイは落ち着き、ランクカードを見ながら言う。
「全部平均だよ」
やっぱりか。神力が無くなるってそういうことなのか。
ていうか、守るとか言ってた奴が、守られる側よりもステータス低いってダメじゃないか?
再び俺は床に顔を埋める。
───────
色々あって、俺たちはクエストを受けることにした。生きていくための資金集めだ。ギルド店員は2人に話しかける
「それでは、クエストを選択してもらいますが、おそらく最初のクエスト選択となると思いますので、こちらでオススメを決めることは出来ますが」
俺は申し訳なさそうに言う。
「あの、討伐クエストは受けたくないです…」
「…分かりました。では、こちらで決めさせていただきますね。おそらく探索クエストになると思います。」
俺はギルド店員がカウンターに戻るのを見届けた。
アオイは少し驚いた顔でこちらを見てきた。そして、何か言いたそうにこちらを見てくる。
正直なところ、俺は討伐クエストを受けたくはない。
討伐は言わば、[殺す]ということだ。
もちろん、討伐すべき敵を倒さないと、被害が出てしまうから、討伐しなければならないというのはわかる。
でも、もっとみんなが笑顔でいられることは出来ないのか。
討伐する敵にだって、家族がいる。
仲良くご飯を食べたり…
仲間と遊んだり…
そうだ。敵だって人と変わらない。
「俺にはもう殺せないんだよ…」
あぁ、また声が漏れてしまった。
アオイはこの言葉を聞いていたか…?
俺はアオイの方を見る。
そこには、さっきからずっと真顔のまま何か言いたげな表情でこちらを見てくる女がそこにいる。
俺は変なことを言っていたか…?殺すことは良くないことだろ…
きっと今の俺は変な様子なのだろう。
アオイはそんな様子の俺に向かって、やっと言ってきた。
「[誰1人失わず、全員救ってみせる。]あの時のハヤトが言った言葉、覚えてる?」
いきなり何を言い出すかと思えば、
俺はなぜ、今そのようなことを言うのか意味が分からなかった。
「それ[理想論]でしょ?」
あぁ、そうか。そうだな。確かに、これは理想論だ。
「そんな考えで、この先魔界王とどう関わっていくの?」
魔界王か…魔界王とも殺し合わずに円満に解決する方法があるのだろうか。
「もし、魔界王が融通の利かない奴で、殺さざるを得ない状況になった時、君は魔界王を殺せる?」
俺が…魔界王を…殺す…殺せるのか…?
俺がそんなことを考えていても、アオイは続けて話す。
「このままずっと討伐クエストにも行かないで、私を守れる程強くなれるの?」
俺に、覚悟はあるのか…?
不穏な空気が漂っている。
前回の投稿からまぁまぁ期間空いたの申し訳ない。




