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52 脩人

本日も宜しくお願いします

 朝から春休みの課題をしっかりやって本日の予定分まで終わらせた僕は、魔獣討伐の相談をシュートと始めた。


「さて取り合えず、明日は“毒の森”に行くんやんな?そしたら、まずはバジリスク探しと、ワンチャンでマンティコア遭遇やな」


《うん。冒険者ギルドの資料によると、バジリスクの討伐は毒の効果範囲外の遠距離から攻撃を加えるか罠を仕掛けておくかがお勧めなんだけど、脩人は何か作戦ある?》


「防水の服と防毒ガスマスクを着けて近づくって手もあるで?

 マンティコアの毒はガスを口から吸い込むんと毒液の地肌への接触がダメージを与えるんやんな?」


《なるほど。毒の空気や液を防御する魔道具か》


「シーサーペントの内皮で上下の繋がった服、手袋、ブーツ、目出し帽を作って、ガスマスクは『浄化』を付与した物を付けて、あとはいつも通り普通に近接戦闘で倒せば()えやん?あ、眼鏡もあった方が良いか」


《それ、良い案だと思うけど、今から作るとなると討伐に係る時間が無くなるかも》


「それな~!

 えーっと具体的にはどれくらいかかる?」


《う~ん、最低でも4~5日くらい?》


「あかんやん!討伐に使える日数の半分が潰れるやん!」


《だね》


「『障壁』魔法で身を守るとか、服に『障壁』を付与しとくとかで、ガスマスクだけ作ったらどう?」


《それなら1~2日あればできると思う》


「じゃあ、それで決まりな」


《攻撃方法は?バジリスクは魔術耐性も物理耐性も高いよ。

 シーサーペントの時みたいに『火弾』の紙の魔道具を丸めて、爆発する球を作っておく?体の大きさはシーサーペントよりもバジリスクの方が小さい筈だから、しっかり効かせられると思う。

 問題は石化だね。どうやって、視線を合わせない様に近づいて、それを口の中に放り込むかなんだよな~》


「体内の耐性は高くないやろうから、それが一番確実やな。

 バジリスクの動きをある程度制限できれば・・・ハニービーの時みたいに『付着』の罠を仕掛けとくのは?蜘蛛の巣みたいに網目にかけて体を絡ませて動きを制限するねん。

 あ、『石化』を防ぐのにも『付着』が使えるな!『付着』が付与された布か何かを『移動』で飛ばして、バジリスクの顔面に張り付けて、目を塞いでまおうぜ。

 そこまでやれば、バジリスクも怒って咆哮を上げたりするん(ちゃ)う?そのタイミグを逃さん様にして、爆弾食らわせたれ!」


《おお!勝ち筋が見えて来たね!》


「作戦通りに行くかどうかは分からんけどな。

 明日はまずは現地調査だけな。バジリスクを発見できたら、罠の仕掛けるポイントとかを見定めて、それで街まで戻ってきて準備開始。後日改めて討伐作戦決行する。

 解毒剤とか『石化』を解除させる魔薬も仕入れておけよ」


《了解》


「次はマンティコアやな。こっちは偶然に遭遇して、突然戦闘が始まる感じになりそうやろ?明日出遭わへんとも限らんし、しっかり作戦たてとかんとあかんな」


《マンティコアは上級魔術で倒すって資料には書いてあったけど、上級魔術なんて使ったら素材が台無しになるし、そもそも僕は上級魔術に適性が無くて使えない。

 俊敏性も高いって話だから、爆発の魔道具を口に放り込むとかも難しそうだよ》


音響閃光弾(スタン・グレネード)はどうやろ?目を眩ませる程の閃光と耳をつんざく様な爆発を起こして、1秒だけ全感覚を麻痺させて動きを封じる武器やねん。いま動画見せるわ・・・こんな感じや。

 マンティコアと言えど目と鼓膜は流石に無防備やろ?

 ほんで一気に距離詰めて、目か口から魔法を纏わせて攻撃力アップした剣で刺突するねん。脳まで到達する角度と深さで。で、脳みそを魔法で焼き切るねん」


《『閃光』は僕が開発した魔術だね。爆音はどうやれば良いかな?》


「爆発は“瞬間的に発生する体積の急激な膨張現象”で、これに伴って発生する音が爆音や。

 具体的には、圧縮された空気の入った袋を破くとか、爆発物を爆発させるとかやな」


《なるほど、『障壁』で球体を作って、中の空気を圧縮して詰めれば良いのかな?“乾燥携帯食”を作るときに使う“真空”の反対の状態にすれば良いんだよね?》


「そうそう」


《でも1秒でマンティコアを殺れるかな?》


「この作戦はタイミングが大事やな。

 マンティコアに対峙するのに作戦が1つだけやと危険やから他にも考えよか。

 そやなぁ・・・バジリスクの毒はマンティコアには有効なんかなぁ?マンティコアの毒袋ぶっつけてみる?

 あと、接近する前に毒針のある尻尾は無効化しときたいなぁ」


《毒には耐性を持っていそうじゃない?“毒の森”で狩りをしてるんだし。

 あと、毒針の尾は、尾自体に意思があるかの様に動いて襲って来るって、資料には書いてあったよ》


「尾には目も耳もないから、スタン・グレネードは効かんやろなぁ・・・それこそ、罠を仕掛けておきたいけど、遭遇戦じゃあ、そうもいかんなぁ」


《動きも俊敏って言うから、罠も難しいんじゃない?》


「そうやなぁ・・・トリッキーな獲物には『誘導』魔法違(ちゃ)う?こないだ、10発の同時発動できてたよな?盗賊騒ぎの時。

 まず、初級の水魔法で圧縮なしで『誘導』だけ付けて、マンティコアを攻撃するねん」


《え?魔術耐性高い相手に、初級のしかも『高威力』なし?全く効果ないよ?》


「うん、その攻撃を何回かやるねん。いくら魔法耐性が高くても、“『誘導』で自分を確実に追って来る魔術攻撃”って言う未知なもんには、最初は警戒するやろ?でも何回か繰り返したら、油断して避けようともせんくなるやん?

 そのタイミングで水魔法で飛ばす水を熱湯に変えて、それを目・耳・鼻・口・肛門と、ありとあらゆる穴の中にヒットさせるねん。

 あ、熱湯やなくて、土魔法と組み合わせて溶岩的なもんにしたらどうや?魔法耐性と物理耐性が熱にも耐え得るもんなんか見ものやな」


《・・・それをされる側の身になって想像すると、悪魔の所業だね》


「どうやって攻撃しようとも、命を刈る事には違いないで?」


《まぁ、そうなんだけどね》


「あとは、こんな作戦はどうやろ?――――――」


《それなら、こんな方法も――――――》


 その後も僕は、シュートと討伐作戦について相談を続けた。



じわじわ更新中

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