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49 脩人

本日もよろしくお願いします


2週間も空いてしまいました

最近、ゲームとなろう内を読み漁る方向にいってしまってまして・・・


 工業高校のクラスで僕はいまちょっと浮いた存在や。

 どこから漏れたんか、僕の噂話が独り歩きしとるねん。

 曰く、上から落ちてきた人

 曰く、ヤクザにタイマン張って、返り討ちに遭ってリハビリが必要なレベルの大怪我をさせられた人

 って微妙に真実が混ざってるのが厄介で・・・でも、言葉尻だけ見たら大きな誤解を受けそうな内容で・・・

 ちょっと、いやかなり遠巻きにされてる。


 「ヤクザとタイマン張った人」になんか怖ぁーて近づかれへんって事やな。みんな敬語で喋ってきよるし、苛めは受けへん代わりに気の置けん友達を作る事もできひん状況や。

 だから目下の僕の悩みは「友達が欲しい」。

 これは切実な問題や。人ってつくづく「ひとりでは生きていかれない群れの動物」なんやって実感。


 そこで僕は部活に入ることにした。今まで帰宅部やってんけど、バイトに行く事もなく、道場にも通わんくなった放課後は暇を持て余しぎみやねん。

 僕が選んだんは“文芸部”や。ここでならファンタジー好きの同士と出会えるかもと思ってや。

 見学に行ったら、温かく迎えてくれたわ。話を聞くと、部員数は20人ほどおるけど普段集まるのは5~8人くらいやって事やった。集まってるみんなは純粋に文章を書くことが好きって感じやった。ファンタジー物が好きって人もちゃんとおった。


 部活の雰囲気はほんわかしてるし、何かを強要されるって事もなさそうやったし、その場で入部を決めた。

 入部してまだ1週間程やけど、ファンタジー物が好きな人らと話が盛り上がってめちゃ楽しい。でも、駄弁ってばかりもおられへん。年に1回、同人誌を出すらしくて、ここに投稿する事が部員である最低条件らしくて、幽霊部員の人らも投稿だけはしてるんやって。発行は10月。入稿は9月。

 僕は拙い文章ながら、シュートの物語を書くことにした。僕にしたら観察日記みたいなもんや。「事実は小説より奇なり」って言葉があるけど、シュートの物語は「小説に見せかけた事実」や。長編になるけど、9か月弱あるし頑張って書くで。


 「ファンタジー小説を書く」って宣言したことで、“物語の設定を相談する”(てい)で魔法の事とか相談できる相手ができた。

 今日もファンタジー好きの部員2人相手に転移魔法について話題に上げてみた。


「“転移魔法”の仕組みを説明するのって(むづ)いよな?」


「今まで行った事のある場所で、心に正確に思い浮かべることがでる場所に転移できるって設定が多いやん?あと、転移させたい人とか物に触れて、飛ばすとか」


「僕は『転移門』の設置をお勧めしますよ。座標軸とかを事前に細かく設定して魔法陣を描く感じだと思いますよ」


「それが、“転移させたい物”に魔法陣を描いて、転移させるって設定にしてて、そうすると生物に魔法陣を描き込むのってどうしたら()えんやろ?思て」


「『召喚』みたいに、地面に描いた魔法陣がピッカァ~って光って魔法陣の上に乗ってる人や物を送る感じで()えと思うけど」


「魔法陣の上空の空間ごと転移させるイメージですか?」


「空間ごとやと、室内で作動させたら天井とかもくっ付いてくるやん?」


「それは範囲指定すれば()えんと(ちゃ)う?」


「それ範囲設定ミスったら、範囲から手足とか頭とか飛び出てたら、どぉなるんやろ?手首チョンパ?首チョンパ?」


「拘るなぁ・・・そこまで突き詰めてリアル求める必要ある?そも、ファンタジーなんて“あり得へん”事を書いてるんやし」


「ま、まぁそうやねんけど・・・ある程度納得が欲しいって言うか・・・」


「じゃあ、転移させる範囲は“魔法陣と接触している物”って事で()えと思いますけど」


「空中に魔力で魔法陣を描いて、“転移窓”を開いてそこに飛び込むとか恰好良いくない?転移窓を閉じたら魔法陣ごと掻き消えて、隠密行動的な感じになるとか」


「即興で魔法陣をシャシャッと書くとか(むず)いと思うわ。紙に描く時も、めっちゃ集中して丁寧に描かなあかんし」


「そうなん?普段からちょくちょく描いてるん?中二病?」


「あ、いや、そう言う訳やないねんけど・・・はははっ」


《描いてるのは僕だけどね。確かに空中に描くなんて無理だよ》


「だよねぇー。あ・・・コホン。色々アイデアありがとー。またちょっと考えてみるわ」





▲▽▲▽▲▽


「どうや?シュート。転移魔法やれそうか?」


《だから、『転移』は暫く封印だって・・・はぁ。確かに興味深い意見もあったね》

 

「ちょっとうずうずしてるんと(ちゃ)う?開発してみたくなってるんと(ちゃ)う?」


《もー!誘惑しないでよ!》


「ところでさぁ、手紙転移の魔道具は距離的にどれくらい行けるんか検証してみなあかんと思うねん」


《『移動』の魔術ね。検証ってどうやるの?》


「自宅に手紙を受ける魔道具を置いといて、シュートが移動先から手紙を送るねん。チアミルの街中、チアミルの壁外、で、徐々にチアミルから離れて行って、ポイント、ポイントで手紙送るねん」


《日帰りできる距離までしか行けないよ。忙しいし》


「それ、どうにかならんかな?」


《それって?》


「シュートはこの先、ワーカーホリックのまま人生を歩むつもりか?」


《ワーカホ・・・?》


「たまには休もうって事や。長期休暇。定期的に休み取って、それで仕事が回る範囲でしか受注せーへん様にしようぜって事」


《ええ!? そんなの無理だよ!今でも完全に注文をさばききれてないんだよ?これ以上減らすのは・・・》


「最初はシュートの魔道具を売り込んで認知させるために、ある程度は無理する必要があったけど、今やシュートは“売り手市場”。特に強く宣伝せんでもシュートの魔道具はどんどん売れる。ちょっと位顧客を制限しても大丈夫や。

 それに他の魔道具技師もシュートの魔道具を真似して、これから類似品がどんどん出てくるって。だから必ずしもシュートが作らんでも客は別で(おんな)じ様な魔道具を別で手に入れられる。

 僕らはまた新しい商品を開発して、魔道具界の先頭を走り続けれたら()えねん。一旦出回った物に拘って(おんな)じ物を必死に作り続けんで()えねん」


《はぁ・・そうなのかな?》


「スルホンさんには転移魔法の件は内緒にして、休暇の相談してみようぜ?それにたまには冒険者らしく狩りもしたいやん?欲しい素材とかピックアップして、それを目的に行先とか決めよう!1週間くらい旅したらリフレッシュできるで?」


《確かに、最近は屋内での作業ばかりでちょっと根を詰めすぎてたかも。素材探しの旅なんて楽しそうだね》


「せやろ~?

 休みを1~2ヶ月先に設定して受注調整しよ。ちょうど春先やったら『加温』グッズも『冷却』グッズもそんなに注文入らんのと(ちゃ)う?」


《確かに!新しい魔道具を開発したりしなければ落ち着くね!》


「よっしゃー!決まったな。今夜早速スルホンさんに会いに行こうぜ!」





じわじわ更新中

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