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48 脩人

本日もよろしくお願いします

 年末年始は比較的穏やかに過ぎて行った。

 僕ん()の年越し蕎麦は(にしん)蕎麦や。お()んが京都出身やねん。

 炬燵で蕎麦食いながら歌番組見ながらダラダラして、除夜の鐘の鳴るころに近所の神社に行って年越し初詣して、生姜のたっぷり入った無料の甘酒(もろ)て帰宅・就寝。

 元旦はお()んと婆ちゃんと姉ちゃんの3人で賑やかに作ったおせち料理とお雑煮を食うて、寝正月やな。雑煮は京風に白味噌や。具材は丸餅、鶏肉(かしわ)、京人参、大根、蒲鉾、三つ葉と風味づけにゆずの皮。

 2日と3日は親戚の人らが入れ替わり立ち代わり挨拶に来て、仰山(ぎょーさん)お年玉ゲットした。

 特別な出来事は、上の彰人(あきと)兄ちゃんが彼女連れてきて「俺、結婚するわ」言うて、宴会が始まった事やな。優しそうな人やった。ちょいポチャな体形で胸がデカくて、心身ともに癒し系みたいな?「彰人(あきと)兄ちゃん仕事大変なんかな?癒されたいんかな?」思た。


 そんな感じであっ(ちゅ)う間に冬休みが終わってもーて3学期が始まり、僕は復学した。1年ぶりの通学は思いのほか疲れた。気持ちと体力の両面で。

 新しいクラスは、まぁ可もなく不可もなく?

 初詣の時、「穏やかな学校生活になるよーに」ってお願いしといたけど・・・どぉやろな?

 休学中に復習と、元同級生が届け続けてくれた授業ノートで予習してたから授業にスムーズに入れてるのは救いや。

 シュートの世界では年越しには特にイベントはなくて、毎日魔道具製作に追われる日々や。ちょっと開発し過ぎたせいで、販売用の魔道具製作ばっかやってるからちょっと詰まらん。


《詰まらないとか、それ言っちゃう?誰のせいだよ・・・》


「まぁ・・・2人の共同作業?連帯責任?運命共同体?一蓮托生?」


《難しい言葉で言い直されても、僕は意味分かんないからね》


 てな感じで時々じゃれ合うくらいで、今の所新しい開発はストップしてる。キーファインダーの魔道具のその後の話もまだスルホンさんから来てないし。


 「シュートが開発をストップしてるから言ぅても、僕がアイデアを温めたり構想を練ったりするのは構わんよな?」


《止めて!止めて!止めて!これ以上追い込まないで!》


「シュートは聞き流しといてくれて()えからな!」


《いや、いや、いや。脩人の考えつく物に僕が魅了されちゃわない保証がない。って言うかほぼほぼのめり込んじゃう》


「まず、今のところ解決できてない大きな課題があるやろ?」


《課題って?》


「魔石のランニングコストや」


《冒険者が命を張って獲って来るものだからね。それに同じ量が安定的に供給される訳じゃない。多い時もあれば少ない時もある。季節によっても増減するし》


「不安定供給ってのが問題やな。だから魔石の値段はいつまで経っても高いままなんや。安定的に十分な量の魔石が流通するようになったら、きっと安くなるんと(ちゃ)う?」


《かもね》


「充電池みたいに空になった魔石に魔力を注入することができたら()えと思うねんけど。現行、そう言う技術はないねんな?」


《うん、聞いた事ない。試みは何度もされてるみたいだけどね。魔道具の書籍で読んだ話では、魔石に魔力を注入する過程で魔石が割れちゃうみたい》


「あ、魔石に魔力を注入する方法は分かってるんや?で、魔力注入する時割れてまうか・・・注入する魔力の量とか、注入速度とかに問題があるんかな?それとも、魔石自体の強度?使い切った魔石は脆いんか?」


《う~ん。そう言えば、魔石は使い終わったら捨てるだけだから、強度について観察したは事ないなぁ》


「今夜、確認してみてくれ。そやなぁ・・・検証項目としては5つあるな。

 まず1つめは、魔石には属性があるんか?って事やな。ソードディアは水魔法で自身を防御してたやん?ソードディアの魔石に魔力を注入する時に属性を意識しながら注入してみてくれ。水属性を意識した時とそれ以外の属性を意識した時とで違いを観るんや」


《属性を意識しながら・・・やったこと無いけど、試してみるよ》


「よし。2つめは、完全に空になった魔石と少し魔力が残ってる魔石、使(つこ)ぉてない魔石で強度に差があるかどうか」


《強度か・・・金づちで叩いてみる?》


「そやな。3つめは、空になった魔石、1割くらい魔力が残った魔石、3割、5割、7割の魔石と使(つこ)ぉてない魔石にそれぞれ魔力を少しだけ注入してみてくれ」


《ふむふむ》


「同じパターンで魔力を新品以上になるような大量の魔力を注入してみてくれ。これは実験用のホールでやった方が()えな。シュート自身も『障壁』魔法かけとけよ」


《注入し過ぎると爆発する危険があるね》


「最後に注入する時の速度を色々変えてやってみてくれ」


《分かった》


「シュート、これがもし上手く行ったら、魔力充填魔道具の開発や!」


《やっぱり・・・そこに行きつくよね・・・》


「シュート、これは社会貢献やで!この魔道具が開発できたら助かる人が仰山(ぎょーさん)おるんと(ちゃ)うん?ほんで魔石問題が解決されたら、シュート以外の魔道具技師達も(こぞ)って魔道具開発に乗り出すやろ?魔道具の黎明期が到来するんや!」


《そ、それは壮大だね》


「シュート。()()()()()()()()()()かやない。やらなあかんのや!これは使命や!天命や!」


《て、天命って・・・そんな大げさな》


「僕って言うブレーンを持ってるシュート以外に誰が開発すんねん?何で僕らはこんな摩訶不思議な状況になってんねん?って思たら、そこに行きつくやろ?」


《まぁね》


「ほな、頑張ろか?」


《わ・・かった・・よ》


「頑張ろか!? 」


《分かったよ!やれば良いんでしょ?やれば》


「良し良し、面白(おもろ)なってきた」


《脩人!? 》




じわじわ更新中

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