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47 シュート

本日もよろしくお願いします

久々でどーも

 ここ数日、僕は考え続けている。

 脩人から提案された、『入れ替え』の魔術を発動する円環術式についてだ。

 『移動』の魔術の応用だ。自分ではなく物を移動する。しかも視覚できる範囲外に。これ、もうほぼ『転移』の魔術だよね。危険な予感がするんだけど、それよりも僕の好奇心の方が勝ってしまった。

 だって、『入れ替え』だよ?そんな発想、どうやったら思いつくの?脩人の言葉に、頭をガツンと殴られた様な衝撃を受けたよ。


 まず『移動』の魔術はどうやって発動しているか?

 移動したい場所を目視して、そこに存在する自分を意識して魔力を流す。そうすると、目的の場所に魔力の楔が打ち込まれて、その楔と自分との間に魔力が繋がる。あとは魔力が僕の体を目的地に引っ張って行ってくれる感覚。

 と言う事は、2組の紙に楔を打ち込んで、この2枚の紙の間に魔力の繋がりを持たせる。そして、魔力を流すと相手側に『移動』する。うん、これだと『入れ替え』にはならないな。

 もちろん、『移動』でも良いのかも知れないけど、「手紙のやり取り」をしたいならやっぱり『入れ替え』の方が良い気がする。手紙を受け取ったら、返事を書かなくっちゃあ駄目だよね?『移動』だと一方が相手に手紙を送ったら、相手側に2枚揃う事になって、その組は使用終了。手紙を受け取った人は返事を送るのに、新しい2枚組を使って手紙を書くって事でしょ?

 あ、紙同士の組じゃなくて、受信“箱”と“手紙”を組みにすれば良いのか?それなら、1個の“箱”に対して複数枚の“手紙”を準備できるね。

 でも箱を持ち歩くのは面倒だ。出先でもどこでも受け取れるのが『入れ替え』の良い所じゃない?

 なら、『移動』を双方向に発動するようにして・・・っと、紙の裏に円環術式を書き込んで、表面は手紙を書くと。手紙を折り曲げても円環術式に不具合が出ないか確認して・・・


「あ!!」

 

《どうした?》


「この『手紙の入替』の円環術式って公開したくないんだけど!」


《うん、せやな》


「紙に書いた円環術式って隠せない」


《紙を2重にしたら?もしくは透かしみたいな感じにして・・・柑橘類の汁とかで書いて、乾いたら見えへんくなるみたいなのもあったな》


「そっか・・・ああっ!!」


《こんどは何や!? 》


「紙に書いた円環術式は、魔術が発動し終わったら塵になって散っちゃうじゃん!手紙が紛失するよ!」


《だから、紙を2重にしたら()えやん!》


「それでも使用は1回こっきりになるんだから、『入れ替え』しなくて良いんだよ!『移動』で良いんだよ!」


《ああ・・・まぁな。手紙に関しては、『交換』は忘れてくれ》


「ううぅ~~・・・天才的な閃きだと思ったんだけどなぁ」


《でも、まぁ、『転移』魔法の原型が出来上がってきたやん?『交換』また別で使えるよ》


「うーん・・・ほんとに上手く行くかは、まだ分からないよ。机上の空論かも」


《ほんじゃあ、試作品ができあがったら試そうぜ》


 



▲▽▲▽▲▽


 あれから20日程かかっていくつかの試作品ができあがった。

 僕は運用試験をするために屋敷の大広間に移動した。

 ここは本来は晩餐会などを行う広間なのだけど、内側に『障壁』を何重にもかけていて、魔道具の実験場にしたんだよ。爆発したりしても、壊れたり汚れたりしないし、防音にもなっている。


「さて、まずは2枚の紙を『入れ替え』するよ」


 準備した2枚1組の紙。2枚とも2重になっていて、1重目が手紙として文字を書く部分。ここには1枚には「シュート」と、もう1枚には「タークミィ商会」と書いてある。そしてそれぞれに貼り合わせてある2重目には僕が開発した『入れ替え』の円環術式が書いてある。

 5歩ほど離して紙を置いた。そして僕は「シュート」と書いた方の紙に触れて魔力を流し込んだ。

 僕の魔力に反応して魔術が発動した。一瞬後には僕の触れている紙は2重目がサラサラと崩壊して散っていき、1枚だけが残る。その紙には「タークミィ商会」と書かれていた。


「よしっ!」

《よっしゃ!》


 脩人と僕の声が重なった。


 次に、「しゅうと」と書いた紙を手に持った。これと対になる手紙はここへ来る前に僕の寝室に置いてきた。それには「おおたくみ」と書いてある。

 僕は「しゅうと」と書いた紙に魔力を流した。一瞬後、僕の手元にあるのは「おおたくみ」と書かれた手紙に変わっていた。 


「うん、離れた場所からも問題なく『入れ替え』できるね」


《次は『転移』魔法か?》


「うん、『移動』の魔術ね。

 “受信箱”に“手紙”が届くかやってみよう」


 手元にあった“手紙”は、5歩ほど離れた位置に置いてあった“受信箱”に問題なく届いた。

 “手紙”の次は枝で『移動』を試したが、これも上手く行った。


 そして、本、剣、大樽、肉と言うふうに、無機物、大小、有機物など順番に試していった所、いずれも問題なく、『入れ替え』や『移動』ができた。


「『移動』させたい物と『移動』先の場所に円環術式を書いておけば『移動』は可能だと分かったね。でも、この方法だと「円環術式を書いておくと言う下準備()()に」不特定多数を『移動』させる事はできないね。

 それからもうひとつの課題は生き物だね。生き物にどうやって円環術式を書きこめば良いんだろう?」


《それはまた別の技術やなぁ・・・

 それにしても、何だかんだ()ぅーても、しっかり『転移』魔法開発してまうしwww》


「まだ完成はしてないし、『転移』じゃなくて『移動』だし・・・」


《ナンチャッテ転移魔法な。

 とりま、パミドロル国のキーファインダー魔道具の扱いの動向を確認してからスルホンさんと相談やな》






じわーじわ更新中


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