47 脩人
更新頻度が落ちてしまって、申し訳ない
本日もよろしくお願いします
来月、復学することになった。
日常生活に困る事も減ってきたし、座学の授業を受けることに関しては問題なさそうや。懸念は実習やな。細かい作業なんかになると、スピーディにやれへんと思う。月1で家庭訪問してくれてる先生が、「そのへんは加味するって」言うてくれてはるけどな。
1学年下のクラスに入るんもちょっと心配や。2年の3学期やからな。グループとかもう固定されてるやろし、その中に入っていくんはハードル高いで。言うても陰キャのモブやからな。
と言う事で現実逃避の日々や。シュートの世界で魔道具作りするんが楽しーてしゃーないねん。
『転移』の魔法の開発は暫く禁止やって言われてるから、いま実現させたいんはメールやな。キーファインダーの開発に成功したことで、文字情報を送るのは何とかできそうと言う事は分かった。でも、送った情報を文字に起こすんが現状無理や。液晶画面とかブラウン管とかシュートの世界で作るにはハードルが高すぎで現状では不可能に近いな。
こう言う時は既成概念に拘らんと、発想をガラッと変えてみるのが良えやろな。つまり、モールス信号からちょっと離れてみるって事や。
こっちのファンタジー物の漫画や小説でまず目につくんは、手紙に魔法をかけたら鳥みたいに相手の所まで飛んでいくってパターンやな。“伝書紙鳩”とか“呼び鳥”、“魔道鳩”って名前がついてる。他に、「生きた鳥(に見える物)が飛んで行って、囀って言葉で伝える」ってパターンもあったな。
「紙を鳥の姿にならせて遠くまで飛んで行かせるとか鳥の幻影を出すとか、魔法で可能なんやろか?」
《まず、手紙を鳥の形にする必要があるのかどうか分からないんだけど。
それから、手紙の宛先が、特定の人物なのか特定の場所なのかで難易度が全然違ってくるよね?
前者の場合、人って常に移動するよね?手紙がその人物を探して飛んで行くなんて無理じゃない?
後者の場所を指定して飛んで行く場合、手紙を見るべき人と見るべきじゃない人を区別するのは難しくなるから、秘匿性の高い内容は送れないね。そもそも、場所を指定する方法からして思い浮かばないんだけど。
そして、声で伝えるなんて想像を絶するね》
「う~ん、あかんかぁ・・・何かないかなぁ・・・宛先の特定方法・・・宛先が移動してても届ける方法・・・キーファインダーみたいに「俺はここやで!」って知らせる発信装置を持つ?で、そこまでどうやって手紙を飛ばすか・・・」
《手紙を飛ばすことができたとして、その方法だと、長距離は飛ばせないね。発信装置の魔力が届く範囲に限界があるから》
「鳥みたいに手紙が飛ぶってファンタジー発想から離れよっか。ドローンやったらプロペラ回すだけやから簡単に開発できそうやで」
《もの凄く高価な手紙だね。それと、どんな形であれ飛んで行く手紙は肉食の鳥とか飛行可能な魔獣に襲われる危険性を孕んでるね》
「ああ!安全性も考慮しなあかんねんなぁ!それやったら、やっぱ転移魔法を開発する?手紙を転移させたら一瞬で届くし、安全やし」
《だから『転移』を安易に開発するのは危険だって!》
「シュート・・・僕、閃いたかも知れへん」
《え?脩人、怖いよ。閃かないで》
「これ見てくれ。ここに2枚の紙がある」
そう言いながら、僕は1枚目の紙に「A」と綴り、2枚目の紙に「B」と綴って、2枚の紙を20㎝ほど離してテーブルに置いた。
次に、2枚の紙を入れ替えた。
「分かる?交換や!これ、魔法で何とかならへん?」
《・・・?》
僕は再び、2枚の紙を入れ替える。それを繰り返す。
「2枚1組で準備しとくねん。2枚には入れ替えの魔法陣を書いておいて、ほんで手紙のやり取りをしたい2人が1枚ずつ持っとくんや。
で、その紙に手紙を書いて魔法を発動すると紙が入れ替わる!こうすれば、確実に相手に手紙が届くやん?なぁ、これ、魔法でできひん?」
《・・・交換・・・入れ替え》
「そうや、交換や。僕のめっちゃ気に入ってるファンタジー小説に出てくる魔法や」
《・・・・・・・・・・・》
シュートは長考に入って返事せーへんくなってもーた。
うん、何とか開発してくれ。待ってるわぁ!
そんな時、スマホに優人君からラ〇ンが来た。「久しぶりに顔かせや」って。バイトしとったコンビニで待ち合わせる事になって、出かけた。
▲▽▲▽▲▽
久しぶりに会う優人君は相変わらずの目つきの悪い人相やった。いまも同じコンビニでバイトしとるんやって。僕は暫くバイトは無理やなぁ。
「ちゃ~っす」
「おう、元気そうやん。ふつーに歩けてるし」
「はい。今日はどないしはったんっすか?」
「賠償金入ったんや。飯行こうぜ。奢るし」
「え!? あいつら素直に支払ったんっすか?」
「玲子の親が金持ちやったんや。あんま騒ぎ大きくしたーなくて示談にしたい言うて、さっさと払ってくれたわ口止めに色も付けてくれたで!ネットで拡散されたら揉み消すの大変やからな」
「玲子さん、そんな良えとこのお嬢さんで、何でヤクザなんかとつるんではったんやろ?」
「さぁな。反抗期と違う?」
「ふははっ反抗期言う歳と違いますやん!」
「金持ちの考える事は分からんわ。んな事良えやん。飯、飯!どこ行きたい?」
「じゃあ、駅前のカツどんとかどぉっすか?」
「良えねぇ!勝った記念やしな!で、太田君の事件の方はどないなん?」
「犯人は逮捕されて、裁判で執行猶予なしの有罪判決ですわ。悪質やからって事で6年付いたらしいっす」
「悪質で6年か。甘いんと違う?」
「傷害罪は15年以下って決まってるらしいっす」
「危険運転なんちゃらってやつじゃないん?それやともっと長いん違うん?」
「今回のは交通事故やのーて傷害罪らしいです。「凶器が車やった」ってだけで。でも、危険運転致死傷でも15年以下らしいっすよ普通の交通事故やったら7年以下らしいっすわ」
「うわぁ。甘すぎんなぁ。あんな糞虫ら、一生閉じ込めといて欲しいわ。で、賠償金とか入りそうなん?」
「民事はこれからっす。でも、ヤクザ相手に民事しても支払い能力がなかったら、どうしようもないらしいっす」
「ほーか。まぁ頑張れや。原チャ買いなおさんとあかんしな」
「バイクは家族に止められてるから無理やと思います。働き出してから車かなぁ」
「過保護な家族やな。でも良え家族や」
「ええ。僕もそー思います」
それから優人君とカツどんを食べながら事件に係るあれこれを喋った。かなり長く喋ってて店に居座ってたから煙たそうにされてもーて解散になった。
僕が二十歳になったら居酒屋行こって約束して別れた。それまでこの交友が続くかどうか分からんけどな。
じわーじわ、更新中




