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42 シュート

本日もよろしくお願いします


やっと!

やっとで、魔道具技師の話になってきました。

こんなに長編にするつもりではなかったのですが…


 タークミィ商会で売り出した僕の魔道具は、「今までにない斬新な機能の魔道具」、「今までの物よりも何倍も明るい魔燈(まとう)」、「小型でも火力が強い魔竈(まそう)」と言う事で爆発的に売れた。勿論、スルホンさんの営業力による所も大きい。工房を建てて従業員をたくさん雇ったけれど、僕の忙しさは中々落ち着かなかった。


 でも、大口注文を終わらせた事で、少しずつ余裕ができてきた。そこで脩人の提案に従って、お屋敷の改造をやっていく事になったんだ。先日作った、“草刈り機”と“送風機”は楽しかった。あれは商品にすればきっと売れそうだけど、販売は屋敷の改造が終わってからにしたい。


「で、次は何をしたい?」


《まず、セキュリティ強化やな。「魔道具界の超新星」がシュートの事やってバレるん時間の問題やろ?そのうち屋敷に泥棒入られるで?せやから、屋敷の周囲の塀に結界を施すんと、門に生体認証システムを付けようぜ》


「盗まれて困る物は全部『収納』に入れてるから、大丈夫だけどね。でも入られないのが一番だね。

 じゃあ、シーサーペントの骨が山ほどあるから、それを壁に設置して、『障壁』を『付与』するよ。魔力切れを起こさない様に、魔石から骨に魔力を供給する魔道具も付けなきゃね。

 屋敷としては小さい方だけど、それでもそれなりの広さがあるから大変だ」


《地道に頑張れぇ~。生体認証には、魔力紋を利用したら()えやろ。魔力紋を登録した人の魔力を感知したら、鍵が開くってシステムにするねん》


「なるほど。魔力紋を感知する魔道具は既にあるから、それを応用すれば良いね。門だけじゃなくて、屋敷や作業小屋の扉にも付けた方が良いね」


 屋敷の敷地全体を囲う『障壁』の設置には10日ほどかかった。だって、広いんだもん。それに、門以外の部分からは人も動物も物や魔力さえ通さない様に『物理障壁』と『魔力障壁』の2重にしたから、それぞれで『付与』と魔道具の設置が必要だったんだ。


 それが終わったら、“魔力紋感知鍵”の作成に取り掛かったよ。

 元々付いていた門と扉を取り外して新調した。新しい門と扉の鍵は内部に埋め込んで、外観からは鍵の所在が分からない様にした。鍵穴も摘みもないんだよ。

 魔力紋感知の円環術式は公開されていて、実家から持ってきた書籍にも載ってる。それを利用して、登録されている者の魔力紋を感知したら内部で鍵が動いて解錠される仕組みを作った。

 門や扉は、一度開いて閉めたら自動で施錠され、解錠した後10を数える間に門や扉を開けなかった時も自動で施錠されるようにした。

 門は胸位の高さの位置に取り付けた掌の大きさの羽目板を、扉はノブの部分を魔力感知部分とした。

 自動で施錠する仕組みを実行させる円環術式を開発するのに、あーだこーだと脩人と相談しながら5日もかかっちゃった。


 やっとで魔道具の設置が完了して、今日は運用試験をするよ。

 まず、お屋敷の塀の外に出た。塀の高さは僕の身長の2倍はある。まず、その塀を越える感じで石を投げてみた。僕の投げた石は放物線を描きながら塀を越える軌道を飛んでいったんだけど、まるで塀の上部に透明の壁があるかの様に無音で弾き返された。

 次は魔術を打ち込んだ。魔術は高威力『土槍』だよ。塀と塀の上部の空間の2方向に打ち込んだけど、『障壁』に命中した途端に「バリバリバリ!」と音を立てて両方とも完全に弾かれた。弾き返された『土槍』が威力を半減させて僕に戻って来たので、『魔力障壁』を発動して自分を守った。危ない、危ない。

 攻撃魔術の余波が落ち着いたあと壁を確認してみたけど、傷ひとつ付いてない。


()えやん!完璧や》


「うん!大丈夫そうだねっ」


《上空はどれくらいの高さまでカバーしてんの?》


「塀の3倍くらいの高さまで。これくらい高ければ侵入できないでしょ」


《これ、障壁を越えようとする者や物がおったり、攻撃を受けた時に屋敷内に知らせるシステムが欲しいな》


「うーん、『障壁』の発動を感知して、音とか光で知らせる仕組みとか?ちょっと考えてみるよ」


 次に門に近づき、門を押したり引いたりしてみる。が、当然門は施錠されており開かない。次に、魔力を感知させる羽目板に掌で触れて、軽く魔力を流した。そうすると、「カリカリカリ・・・カチッ」っと音がした。もう一度門を軽く引くと、今度は何の抵抗も無く門は開いた。

 敷地内に歩を進め門を閉めると、また「カリカリカリ・・・カチッ」と音がした。門を押してみるが、開かない。


「おお!」


《こっちの具合も良さそうやん》


「そうだね!上手くいったみたい。感動する!」


 次に前庭を歩いて、屋敷に向かう。玄関の扉のノブを掴んで回そうとしたけど、ピクリとも動かない。今度はノブを握ったまま魔力を軽く流すと、「カリカリカリ・・・カチッ」と音がした瞬間、抵抗なくノブが回って扉を開く事ができた。


「うん、うん」


 室内に入る。そこは広い玄関ホールになっていて、正面に階段があり、奥の壁で左右に分かれて半螺旋を描く様に2階まで登っていく。


《玄関横ら辺に魔力感知センサーを設置して、それに手を翳して室内照明を着けたり消したりできる様にしようぜ。これは各部屋にも設置な。あ、使う部屋だけで()えか。その次がエスカレーターやな》


「脩人の世界の動く階段だね。でもあれと同じ物を作るのって難しそう」


《階段の端っこを一枚板がリフトみたいに昇降する感じでどうやろ?人がひとり乗れる位の板に重量を感じたら自動で昇降するような機能を付けるねん。人でも荷物でも運んでくれる様に》


「うーん?具体的な映像が思い浮かばない」


《こう言う時、シュートが僕の姿を見られへんってのが面倒やな。また今夜、ネットで検索してみるからそれを参考にしてくれ》


「分かった。じゃあ今日はこれで終わりにして、販売用の魔道具製作に戻るよ。今日の分がまた沢山届いているからね」


《はいはい、頑張ってな》





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