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41 脩人の中のシュートと、シュートの中の脩人

本日もよろしくお願いします


ブラックモードにされていた方は、ここで元の配色に戻して下さいませ。

 こんち。脩人です。

 僕が意識を取り戻して、早3ヶ月が経ちました。つまり、事故から6ヶ月以上経ってます。月日の経つのは早いもんです。

 僕は頑張った!リハビリは大変やった。


《脩人、誰と喋ってるの?》


(いや、何となく?)


 まず、意識が戻ってから直ぐに医者に聞いた僕の状態やねんけど、やっぱり僕は頭を強く打ってて、診断名は『脳損傷 びまん性軸索損傷』って言うらしい。交通事故とかで頭部外傷を負った後、MRI上、脳に異常は認められへんのやけど広い範囲で脳の線維組織が損傷してる事で、意識障害が6時間以上続くんを『びまん性軸索損傷』って言うらしい。

 『びまん性軸索損傷』は事故直後の検査で脳に異常が見つれへんくても、事故後しばらく経ってから脳全体が萎縮する事があるらしい。恐ろし。

 他は肋骨3本と左足の骨折があったんやけど、僕が意識無い間に治療されてて、そっちはもう骨がくっ付き始めてるって。「若いから治りが早いね!」やって。

 あと、擦り傷打撲多数。これはすっかり()ーなってる。


 両親やお姉ぇちゃん、お兄ぃちゃんらは毎日のように見舞いに来てくれて、僕が戻って来るって信じて声掛け続けてくれたらしい。感謝、感謝。

 意識戻って初めての面会の時、家族みんなに大泣きされた。心配かけてもーたわ。

 高校は休学になってて、これからのリハビリ期間も考えたら、留年して2年生の三学期からやり直す事になりそうやって。


 それから警察が来て、事故当時の状況を聞かれた。本当(ほんま)は僕自身は(なん)も覚えてへんのやけど、シュートのお陰で事故の詳細を話す事ができた。車のナンバープレートもハッキリ言うたった。

 黒いセダンタイプで、和泉300や08—93。 (“∋”は“や”やった)

 頭打って3ヶ月も意識無かった人は、普通事故前後の記憶は飛んでて覚えてないもんやって、不思議がられたけど、「傍目に意識ない間も頭ん中では意識があって、必死で思い出したんや」って誤魔化しといた。あながち嘘やないしな!


 その後の捜査で玲子さんらの仲間の関与が分かって、殺人未遂で再逮捕されたって、見舞いに来てくれた優人君と店長が教えてくれた。美人局事件の上告も棄却されて、奴らの刑が確定したらしいわ。僕に対する殺人未遂の裁判はまた別個(べっこ)でこれから始まると思う。

 

 それでや、リハビリなんやけど、まず指先を動かす訓練から始まって、足先、腕と進んでいった。意識ない間、体の筋肉や関節が強張らんようにずっとマッサージやストレッチしてくれてたお陰で、リハビリは比較的スムーズやったらしい。その比較対象を知らんから、僕にとっては終わりの見えへん苦行でしかなかったけどな!

 「絶対まだ無理やって!立たれへんって!」って言う、体ぐにゃぐにゃな状態で、立つ訓練もさせられて、めちゃスパルタやった。理学療法士が鬼にしか見えへんかったわ。でも、そのスパルタのお陰で、3ヶ月経ったいま、歩行器に掴まりながらやけど、何とかひとりで歩ける様になってきた。亀の如き歩みやけどな!

 

(うん、頑張った。僕)


《本当に頑張ったよね、脩人。歩ける様になるなんて、僕、絶対無理だと思ってたよ。“りはびり”なんて概念、僕の世界には無いからね》


(シュートの応援も力になったで。ありがとーな!これからも宜しく頼むわ)


《僕の辛いときは脩人が助けてくれたからね。お互い様だよ!》


(シュートの生活がもうちょっと落ちついたら、体の不自由な人の生活を支える魔道具を開発しても()えな!)


《え!? そんな発想無かった!そうか。そうだよね。僕の世界に歩行器なんて便利な物ないし、義足とか義手だっけ?そんなのも無い。無いなら作れば良いんだね!》


(ああ、リハビリ仲間に義足の人とか義手の人、おったな。力仕事の人の為にパワードスーツを開発しても良さそうや)


《ぱわーどす?何?それ》


(パワードスーツな。人間が「着用」して、電力や空圧で筋力を補助するねん。重量物の持ち運びとか、走ったり、跳んだり、人間としての動作を強化・拡張するんや。今度、動画見せたるわ)


《へぇー!『身体強化』の魔術みたいだね》


(うん、それを魔法使えん人でもやれるんや)


《なるほど。大口注文の方も、もうちょっとしたら終わるから、そしたら新しい魔道具の開発に時間が割けると思う。どんな円環術式が必要か、早速考えなきゃ!》


(ほんで、それが好評を博して、また大口が入って忙しくなるって言う負のスパイラルの予感www)


《・・・販売に繋がらない、屋敷の改造を先にやった方が良いかもね》





▲▽▲▽▲▽


 今日もリハビリ頑張った僕が眠りについて、シュートの世界や。 

 僕らはシュートの屋敷の玄関に立った。


《さて、庭が草ボーボーで大変なことになってるな》


(忙しくて、屋敷を管理する暇なんて無かったからね)


《草刈り機と刈った草を掃除するのにブロワが必要やな。この後、僕の時間に動画を見せるわ。それを参考にしてもろて、魔道具作ろ》


(いま直ぐに、僕の『飛斬』で一瞬で刈れるよ?)


《シュート?僕は魔道具開発の話をしてんねん。「必要は発明の母」やっていっつも言うてるやろ?》


(ごめん、ごめん。じゃあ、今夜よろしく。あ、でも、良いのができても直ぐに販売する気は無いよ?自分の首を絞めるような事はしたくない)


()えよ。自己満(じこまん)やから》



 草刈り機は、ナイロンカッタータイプを採用して、ナイロンコードの部分はシーサーペントの外皮を利用した。「ちょっと贅沢過ぎか!?」って思てんけど、シーサーペントの外皮は耐久性が高いから、ガンガン草刈れるし摩耗も殆どせーへんから、結構コスパ()えかもやで。気ぃ付けんとあかんのは、草と一緒に岩でも何でもガンガン切り裂くから、屋敷の塀や壁、庭木に近づかん様にせなって事やな。

 ナイロン改めシーサーペントコードを高速回転させるだけやから、フードプロセッサー作った時の魔法陣を応用できたし、作るのに半日もかからんかった。

 ブロアはドライヤーの構造をまんま利用でいけたから草刈り機よりも短時間で出来上がった。温風を出す必要がないから、むしろ魔法陣は単純や。ハニービーの足の一番(いっちゃん)太い部分を使った。

 シュートがめちゃ気に入って、草刈りに没頭してもーて数時間後、庭の半分の範囲をやった所で夕方になり、今日の魔道具製作のノルマを全然やってない事に気ぃついて、「納期がぁ!」って言いながら深夜まで『付与』と魔法陣の書き込みをやるはめになったんはご愛嬌やな。


 よっしゃ!この調子で、屋敷の魔改造もやってくで!




次回、シュートの屋敷の魔改造を始めます

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