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38 シュートの中の脩人

本日もよろしくお願いします

 僕が事故ってから1ヶ月が経った。

 相変わらず僕の生身の意識は戻らんままや。つまり真っ黒空間に閉じ込められてる。で、シュートは、と言うと、ついに僕らは真っ黒空間で落ち合えたんや!

 落ち合えたんやけど、ふたりでただダラダラと駄弁るしかやる事ないねんけどな。

 落ち合えた切っ掛けは、ちょっとした閃きやった。


《そう言えば、僕の真っ黒空間に入った時、どこスタートなんやろ?》


「どこすたーとって?」


《つまり、前日歩き回って、シュートの世界に戻る直前の歩き止まった所からのスタートなんか、毎回リセットされて(おんな)じ場所からスタートしてるんか、どっちなんやろ?思うてな》


「ふむ?」


《もし毎回リセットされてるんやったら、真っ黒空間に行った時に、真正面方向、右方向、左方向、後ろ方向、右前斜め方向、左前斜め方向とかって、順番に探した方が()えかもやで?》


「なるほど」


《僕は動かんと待ってるから、今夜からそれ試してみようや》


 と言う訳で、順番で違う方向に探索するようにして()ろたら、何と!後ろ方向が正解やった。ほんで毎晩、シュートが後ろ方向に300歩位進むと僕に出会えるって言う(ちゅう)事が分かったんや。面白(おもろ)いんは、シュートの世界では、シュートは僕の声は聞こえてても姿は見えてへん。けど、真っ黒空間では、僕とシュートはお互いの姿が見えるし、声も聞こえるねん。2人とも幽体状態やからかもな。僕が体に戻ったら、たぶんシュートの姿は見えへんくなるんと(ちゃ)うかな?


 シュートの時間は魔道具と“乾燥携帯食”作りまくり。真っ黒空間では駄弁りまくりで過ごしてる。

 そうそう、僕らはチアミルに到着したんや。ほんで、スルホンさんが繋がりを取り付けてくれた魔道具技師さんに晴れて推薦状を書いて貰う事ができて、王都で魔道具技師登録の手続きを済ませてきたのが3日前。

 今は審査中や。登録許可が出るのに1ヶ月位かかるらしいわ。魔道具技師としての技量を示すために、登録担当者の目の前で簡単な魔道具を1つ作成して提出してん。書類に不備が無いかの調査と共に、提出した魔道具が壊れへんかの耐久テストをしてるらしい。

 登録が完了次第直ぐに売り出せるように、魔道具を量産中って訳なんや。合間で“乾燥携帯食”も作ってる。せやから、シュートの時間は脇目も振らずに朝から晩まで作業してるねん。ブラック企業並みの労働時間やで。

 今作ってるんが売れたら、その売上金で人雇って、チアミルでも“乾燥携帯食”製造工場を建てる予定やし、魔道具の方も外枠の作成を手伝ってくれる作業員を確保する予定や。そうなったらちょっと楽になれると思う。

 売る魔道具は、1つ1つ魔道具の登録も必要や。それは1人1人やらなあかん。

 どう言う意味かって説明すると、例えば照明の魔道具。照明の魔道具に必要な基本の魔法陣は一般的に公開されてる。この基本の照明魔道具に魔道具技師さんがオプション機能を付けたら、オプションの魔法陣は魔道具技師さん毎にオリジナルの物が付加されてる訳や。

 でシュートが照明の魔道具を作って売りたいです。ってなった時には、基本の魔法陣のみを使用した場合も、オプション機能を付けた場合も、それぞれで登録せなあかんねん。シュートと全く同じ形、同じ魔法陣の魔道具をBさんって言う魔道具技師さんが作る場合も、Bさんが登録からやるねん。1回登録したら、同じ魔道具技師が作る分には同じ型の魔道具はなんぼでも作って()えねんで。登録時に魔法陣情報を明かす必要はない。

 登録のされてない魔道具は売ったらあかん事になってるから、これは魔道具に不具合が生じた場合、誰が作ったんか調べたら魔道具技師に直ぐに辿り着けるって言う(ちゅう)メリットもあるし、魔法陣情報を盗まれて類似商品を作られてもーた場合も、犯人が直ぐ分かるって言う(ちゅう)メリットもあるねん。

 因みに、未登録の魔道具を売ったら販売店がペナルティを被る。

 いちいち登録すんの面倒やけど、魔道具技師を守るって意味もあるから怠らんとちゃんとやらなな?


 チアミルの住まいはスルホンさんが事前に準備してくれてた。チアミルを囲む街壁のそばにあるお屋敷や。敷地が広くて、屋敷は小ぶりやけど厨房が広くて、屋敷以外に魔獣の解体作業にも使える庭師小屋や厩もある。

 前に、アテロールでシュートが住んでた借家を選んだ条件を話してたのを覚えててくれて、似たような条件の物件を探してくれたんや。流石スルホンさんや。相手のニーズに答える見越した対応って、成人したてのシュートや高校生の僕とは(ちゃ)うわ。

 屋敷は借家やない。買い取って持ち家になったんや。今はタークミィ商会からの貸与になってるけど、ゆくゆくはシュート個人の屋敷になる予定や。

 つまり、魔改造し放題って事や!夢が広がるな?


「自動ドアとか、人感センサーライトとか、エスカレーターとか、空調システムとか、生体認証ロックとか色々入れようぜ?」


「どんな機能の魔道具か、言ってる意味が半分も分かんないけど、良いよ。

 脩人と色々作るのって楽しいし、売り物じゃなく自分だけの魔道具なら値段とか魔石の消費量とかあまり考えずに作れるから制作の幅が広がるよね」


「侵入者迎撃システムとか、転移装置で色んな部屋に飛べるとか、からくり館みたいなんにするんも()えかもなぁ。あ、いっその事、ダンジョン屋敷にする?罠とかゴーレムとか仕掛けて」


「・・・あまり物騒なのは作んないよ?」


()えやん、()えやん、人生楽しもうぜ!楽しんだもん勝ちやで?」


「程ほどにね・・・」




皆さんなら、屋敷にどんな機能をつけますか?

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