34 脩人
本日もよろしくお願いします
脩人は真っ黒空間から抜け出せるのか?
シュートと落ち合うことができるのか?
今日も今日とて、真っ黒空間を歩き続ける。
目ぇ覚めて、直ぐに立ち上がって、歩き始めた。
どうやら、シュートもこの真っ黒空間に来ているらしい。
せやけどシュートは僕の中に入らず、何でか僕らは引き離されているらしい。
「シューーートーーーォ!!」
時々叫んでみる。
シュートが僕を探してくれてる。
どうにか落ち合われへんやろか?
行けども、行けども、真っ黒空間。
不思議と体は疲れへん。
空腹感も、口渇感ない。
寒さも、暑さも感じーひん。
おしっこも、うんちもしてへん。
不思議な空間や。
ほんま、ここ何処やろ?
それでも、歩き続ける。
立ち止まるって言う選択肢はあらへん。
シュートが僕を探してくれてるんや。
「シューーートーーーッ!!」
時々、叫ぶ。
ひたすら歩き続ける。
それでも真っ黒空間は続く。
ただ、ただ、歩く。
「シューーートーーーッ!」
シュートは僕の安否が分からへん事で、えらい心配してくれてる。
シュートの回想のおかげで、僕は自分に何が起こったんか分かった。
僕は原チャに乗ってて、後ろから車にぶつけられたんや。
たぶん、玲子さん達の一味。
事故当時の記憶は戻ってけーへん。
顔面が血だらけやったみたいやし、頭打ってるんやろうな。
脳挫傷。
植物人間みたいな状況やろか?
まぁ、死んでない事だけは確かや。
昼間はこうして真っ黒な空間を歩いてるし、夢の中では相変わらずシュートの世界に行けてるし。
何とか、夢の中でシュートに話かけられへんかな?
今までも何度も、シュートも僕もお互いに話しかけられへんか、試したけど無理やった。
でも、そこまで意地になって、しつこく話しかけてへんから、ホンマはできるんと違うやろか?
今夜、いや、毎晩、ひたすら話しかけてみよう。
家族にも心配かけてもーてるなぁ。
相変わらず、真っ黒空間を歩く。
「シューーートーーー!!」
そう言えば、目標物が無いと人間って真直ぐ歩かれへんって、確かあったよな?
同じ場所をひたすら円を描くように堂々巡りして、先に進んでないんやて。
僕も、実は堂々巡りしてるだけなんかも?
僕はどっち周りしてるんやろな?
どっち周りの傾向があるんか分かれば、意識して反対方向に行けば良えと思うねんけどな。
手の右利き、左利きとかは関係ないんやって。
まぁ、考えても仕方ないし、まずは、右周りでやってみようかな。
右へ~右へ~と意識しながら、歩く。歩く。歩く。
一日歩き通したんやろう。
急に眠気に襲われて、僕は立ち止まった。
「仕方ない、寝るか」
僕は、今日は右腕を枕に横になって目を閉じた。




