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3 シュート

本日も宜しくお願いします

魔道具の仕組みについて説明回です


 魔道具を見て回って、課題もたくさん見えてきたね。


 脩人は色々と案を出してくれたけど、まずは僕が魔道具の知識を増やさないことには空回りするばかりだと言うことがよく分かった。魔術や武術と一緒だ。まずは地固めをしないといけないよね。

 それから武術や魔術の鍛練にも今まで以上に力を入れている。魔道具技師への道のりは長そうだから、家から追い出されても直ぐに稼げる手段として冒険者をやってみようかと考えている。脩人に勧められたしね。それに魔道具の材料にする素材を手に入れるのにも、冒険者と言うのは何かと都合が良い。

 僕は剣術が苦手だけど、曲がりなりにも小さい頃からやってきたのだから最低限の技術はあるし、僕には魔術があるのだから、冒険者としてやっていけると・・・うん、たぶん、大丈夫だよ、不安だけど。

 マホウ剣士は・・・ちょっと言い過ぎかな。


 そう言えば、脩人が面白い事を言ってたよね。父上の事、ノウキンだって。脳が筋肉って意味らしい。うふふふふっ。次から父上の顔を見るたびに思いだし笑いしちゃいそうだよ、僕。


 午前中はほぼ毎日、武術の鍛練がある。今までになく前向きに頑張っている僕を見て、父上も兄上たちも鼻で笑ってたけど、僕はもう以前みたいに萎縮するのは止めた。気にせず独りで黙々と剣を振るったよ。

 実は父上の顔を見ると吹き出しそうだから、そっちを見ないようにしていたんだけどね。脩人も剣術や体術の道場に通っているからお互いに頑張ろうと思える。


 午後は、魔術の訓練をするか、図書室で魔道具関連の書籍を読み漁っている。ここ10日程でたくさんの事を学んだよ。

 魔道具には幾つか種類があるんだ。まず、魔力を多く含んだ素材に魔術を『付与』して作動させる物と、円環術式を書き込んで作動させる物だよ。前者は“付与品”と呼ばれるよ。後者は狭義の“魔道具”だよ。

 付与品は、魔物の素材など魔力を多く含んだ素材を使って製品を作り、それに魔術効果を『付与』する方法だよ。魔術効果は常時発動しているよ。例えば武器に『斬撃』の魔術を『付与』すれば切れ味が増すし、防具に『障壁』の魔術を『付与』すれば防御力が上昇するよ。服や靴に『浄化』の魔術を『付与』すれば、常に清潔を保てると言うわけ。『付与』の重ね掛けはできないみたい。1つの素材につき1つだけだよ。素材の魔力を使いきれば、ただの“物”になるよ。使い捨てにしたくなければ、魔石を追加で組み込んで魔石から魔力を供給させる方法もあるみたい。

 貴族は『障壁』が『付与』された服やドレスを纏い、『浄化』の『付与』されたアクセサリーを身に付けて常に身を守ってるらしい。『浄化』は製品を清潔に保つだけではなく、身につけた人を毒や精神系の魔術から守る効果があるんだって。

 これを制作するには、『付与』と付与したい魔術を発動できる必要があるよ。つまり、『浄化』を発動する能力がなければ、『浄化』は『付与』できないよ。だからこれから僕は魔術の訓練を頑張って、多くの種類の魔術を身に付けないといけない。


 狭義の魔道具は、魔石を砕いて粉状にした物を混ぜた“魔インク”を使って円環術式を書いて発動させるよ。術式を定着させるのに『付着』の魔術が必要みたい。こちらは1回使い捨ての物と、何度も使えるものがあるよ。


 前者は紙に円環術式が書いてあり、使用者が魔力を注ぎ込むと魔術が発動するよ。紙に書く術式は1枚につき1つだよ。攻撃魔術に使用される事が多いみたい。紙は使用後、ボロボロになり散るんだって。使い捨てるのは勿体ない気もするけど、戦闘を生業としない人が護身用に数枚持っておくとか、魔術師も自分に適正のない系統の攻撃魔術の物を保険として持っておくとかするらしい。


 後者は先日見て回った、竈や照明や洗濯機などの生活魔道具や、攻撃魔術を仕込んだ武器魔道具だよ。こちらは魔石を燃料として何度も使用できるよ。1つの魔道具に円環術式が複数仕込まれているよ。

 例えば、水を出す樽の魔道具なら、水を生成する術式、樽の中の水の量を関知する術式、樽に水が満杯になれば、水の生成を中断する術式と3つだよ。


 術式には古代文字が使用されるので、まず古代文字を覚えなきゃならない。

 そして術式の書き方が重要だよ。まず円環を書き、その線にくっ付ける様に術式を書くよ。円環の外縁が埋まったら、その術式の内側に再び円環を書いて同じようにくっ付けるように次の術式を書きこんでいくよ。一つの円環に書き込む術式の量には上限があって、より複雑なことをさせたい場合は、別に円環術式を書くよ。そしてそれぞれの術式を定義付けするための円環術式を間に挟んでそれぞれの円を接触させて書くよ。つまり凄く複雑な動作をする魔道具は、大量の円環術式がビッシリ書かれているって事だよ。

 基本的な術式は書籍に載っているけど、独自に開発した物は師匠から弟子へと受け継がれていて、門外不出になっているんだって。だから術式を盗まれない様に、円環術式は魔道具の内側に書かれるよ。魔道具は正しい手順で分解しないと、術式ごと破壊されるような仕掛けが施されているんだって。


 円環や術式はかなり綺麗な線で引かなくちゃいけないよ。円は正しく円形でなくてはならないよ。術式の文字は乱れてはいけないし、円環から離れたり()み出したりしてもいけないよ。複数の円環術式を定義付けする場合、優先順位とか相互関係を明確に書かなくてはいけないよ。

 文字が乱れると正しく魔術が発動しなかったり、誤作動を起こしたり、暴走したりするんだって。

 また、古代文字を理解していない人が形だけ真似て術式を書いてもちゃんと発動しないみたい。

 はぁ、学院で勉強する必要がある訳だ。僕も学院に行った方が良いのかなぁ。


 取り敢えず古代文字の習得からだね。これは現代文字と共通点も多いので、読書が趣味の僕にとっては難しい作業ではないよ。ノウキンの父上や兄上達には無理かもね。

 ただし、それを美しい文字で書くとなると厄介だね。正円も中々書けない。楕円になったり、線が乱れたりする。正円と格闘していたら、脩人がコンパスと言うものを教えてくれたよ。針とペンと糸があれば簡単に作れた。それからハンコと言うものも。ハンコは作るのが大変だから、同じ魔道具を量産しなくちゃいけなくなった頃にまた試そうと思う。


 

円環術式について

最初、「魔法陣」の事を間違って「魔方陣」と書いてたんですよ。

言い訳をすると、私の使ってるタブレットが「まほうじん」と打つと、「魔方陣」しかリストアップしないのですよ。(「魔法陣」が正解である事は知ってたんですよ)

で、誤字報告があり、「ホンマや、全然違う意味になっとるやん」と思って、全部「魔法陣」に直してから、

「魔法」と言う言葉はシュートの世界中では使われていません設定にしてた事を思いだし、「ぅがぁ~~!」となって、苦し紛れに既存の言葉を組み合わせて、造語しました。

 後先考えずに設定を作って、それに苦しめられたのでした。

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