33 脩人
本日もよろしくお願いします
脩人は生きてるの?
2024/4/27
33 脩人~40 脩人 ですが、雰囲気を出すために、「表示配色を黒で、白抜き文字」にしていたのですが、なろうの仕様変更が行われて、その設定が解除されてしまい、書き手側で同じように設定できなくなってしまいました。
読み手側が表示配色を変える事はできますので、もし宜しければですが、上記の話の間だけ、「ブラックモード」にしてお読みください。
ページの「表示調整」から、配色を「ブラックモード」と選択できます。
何もない、空間やった。
僕はぼんやりと辺りを見渡す。
何もない。
本当に、何もない。
ただの、真っ黒な空間。
真っ黒。そう真っ暗やない。
真っ暗やったら、「何もない空間」っちゅう表現にはならへん。「何も見えへん」になるやろ。
空間が広がってるのは見えてる。上空はかなり高い位置まで天井はあらへんみたいやと言う事も分かる。真っ黒やから、よー分からんのやけど。
「すいませーーーん!」
叫んでみたけど、応えは無い。
真っ黒な空間に僕の声は吸い込まれて行き、こだまもせーへんかった。
「す、い、ま、せーーーーーっん!!」
もう一度叫んでみる。
相変わらず、応えは無い。
何で、僕はこんな変な場所におるんや?
ここへ来る前に何してたんやったか、その記憶もあらへん。
不思議やなぁ。
取り合えず、ぼーっと突っ立ってても仕方ないし、移動してみようかな。
僕は適当に歩き始めた。
行けども、行けども、真っ黒な空間が続く。
床も真っ黒やから、何や変な気分になってくるわ。
宇宙空間を歩いてるみたいな?
その割に星は見えへんけどな。
体感で1時間くらいは歩いたやろか?
相変わらず、真っ黒や。
歩いている間、僕はずっと考えてた。
僕が何でこんな場所に居るんか言う事を。
でも、分からんなぁ。
忘れ物を思い出すためには、記憶をいちから順に思い出んが良えん違うやろか?
どうせ時間だけは十分にある。それで、記憶の整理を幼少期から始めた。
僕の名前は大工 脩人。
泉佐野市生まれで、兼業農家の三世代8人家族の三男坊や。
僕は特殊な体質をしてて、“夢の中の自分”って言うもう一人の人生を経験してる。
夢の中で僕はシュートと言う名前で、現実世界の僕と同じ歳で同じ速度で成長してる。
シュートの世界は剣と魔法のファンタジー世界や。
それで、僕とシュートはシュートを魔道具技師にするべく色々頑張ってたんや。
僕は工業高校に通いながら、コンビニでバイトしたり、道場に通ったり、薬袋さんってご夫婦の営んではる喫茶店に通ったりしてた。
コンビニで同僚になった玲子さんって美人さんが、ヤクザの女で、美人局を仕掛けてきて、コンビニのバイト仲間の優人君と、店長さんが金を脅し取られてん。
ほんで、裁判してた。
一審では勝訴してんけど、その後から嫌がらせが始まって・・・
あかん、そっから記憶ないなぁ。
シュートについての最後の記憶は、アテロールを旅立った日で、僕に何かあった様なそぶりは無かった。
行けども、行けども、真っ黒空間。
不思議と体は疲れへん。
空腹感も、口渇感ない。
寒さも、暑さも感じーひん。
不思議やなぁ。
ほんま、ここ何処やろ?
それでも、歩き続ける。
立ち止まるって言う選択肢はあらへん。
ひたすら歩き続ける。
それでも真っ黒空間は続く。
ただ、ただ、歩く。
何日も歩き続けている気がする。
と、急に眠気に襲われて、僕は初めて立ち止まった。
頭を振ったり、背伸びをしたり、頬を叩いてみたりするも、
睡魔は去ってくれへん。
「仕方ない、寝るか」
僕はその場で横たわって、左腕を枕にして目ぇ閉じた。




