30 脩人
本日も宜しくお願いします
朝も薄暗いうちから目ぇ覚めてもーたわ。前の晩は早ぁに寝たからな。暫くは二度寝しようと思って目ぇ瞑ってたんやけど、脳みそは完全に覚醒してるし、おしっこしたーなってきたし起きる事にした。
テントから顔を出してみたら、今日も天気良くなりそうな空や。おしっ、良え感じや。
トイレに行った後、朝の散歩と洒落込んで湖の周囲を歩きに行った。
色んな鳥の囀りが澄んだ朝の空気に響き渡る。鳥は朝活派なんやなぁ。鳥の種類なんかぜんぜん詳しぃのーてよぉ分からんのやけど、心が洗われる気がするわ。
散歩しながらここ最近のシュートの事を考察してみよっかな。
取り合えず、スルホンさんとの契約が纏まりそうで良かったな。これで魔道具技師になるって夢が確定したようなもんや。勝ち確や。
シュートは家族ガチャには負けたけど、人生運には恵まれてるよな。僕と人生を共有できてるんもそうやし、スルホンさんとの出会いもそうやし、これからも良え出会いが待っていそうや。
フリーズドライ用の魔道具作りでは、素材で苦労してるなぁ。でも深海に住む大型の魔海獣の素材って言う光明が見えたな。なかなか水揚げされへんのがネックなんやけどな。いつ手に入るんやら、手に入らへんのやら分からんって言うのは困るな。
シュートも言うてたけど、これはもうシュートが依頼主になって、冒険者を雇って魔海獣討伐隊組むしかないって僕も思うで。討伐に成功しさえすれば、確実に必要な分の素材を占有できるやん?魔海獣の肉を使ったフリーズドライも作れるで?
スルホンさんに1回相談してみぃや。盗賊が心配やったら、商会の名前でやるとか色々方法はあるやろ?
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考察が終わるタイミングでテントに戻ってきた。朝食は昨夜の晩御飯の残りで済ましてまう。ポトフを温めなおして、コーヒーも入れた。一晩置いた事で野菜に味が染みててめちゃ旨いやん。
片付けが終わったら、色々やってくで。今日は一人で楽しめる事色々やる予定や。
まずは 燻製作り。段ボール箱と網、アルミトレイそれからスモークウッドを準備してきてん。段ボール箱に切り込みを入れて、そこに網を差し込んで棚にする。2段準備した。
次に網に食材を並べていく。今回準備した食材はソーセージ、チーズ、煮卵、ベーコン、ちくわ、明太子、チキンラーメン、納豆。
最後に、一番下の段にスモークウッドを入れたアルミトレイを置いて、スモークウッドに直接着火して段ボール箱を閉じておく。温燻法やな。2時間弱このまま放置や。
燻製をしている間に、竈作りや。明日以降のキャンプ飯のための準備や。周囲から石を拾ってきて組んでいく。それから薪集め。キャンプ場でちゃんとした薪や炭が売ってるからそれも買うねんけど、林の中に落ちてる枝も集めとく。タダなもんが落ちてるのに使わん手はないやろ?
そんなんしてるうちに燻製が出来上がった。ソーセージを1本だけ味見に食べてみたけど、旨っ!思わず笑顔になったわ。これは昼飯に食べるつもりやから、とりま我慢や。
昼までは湖で釣りを楽しむねん。ここはワカサギ、コイ、ヘラブナが釣れるらしい。釣り糸を垂らして、適当な岩に腰を下ろす。釣果はあんま期待してない。のんびりしたいだけや。
空は快晴、そよ風が吹いて、高い空をトンビが飛んでる。
「ピ~ヒョロロ~」
はぁ~チルいなぁ。
1年前、高校生になって生活環境が激変した。勉強、バイト、教習所・・・1年間よー頑張った、僕。だから、こーやって、ただぼーっとするだけの時間って貴重やて感じる。
もー少ししたら2年生が始まって、授業も難しくなってくるし、良え充電になったわ。
結局、ワカサギが1匹釣れただけやったけど、良え時間やった。
昼ご飯は、燻製チキンラーメンを湯で戻して、燻製各種と、ワカサギを塩焼きにした。旨かった。
午後はハンモックで揺られながら読書。異世界物のライトノベル。剣魔術の使い手が傭兵として活躍しながら昔の仲間を探す話や。恰好良えわぁ。
シュート、剣魔術にチャレンジしてみてくれへん?まじで。
夕食は焼きソバを作った。肉の代わりに燻製したソーセージとちくわ入れてんけど、めちゃ旨かったわ。
夕食後、キャンプ場近くの温泉に入りに行った。無色透明でちょっと熱めのさらっとしたお湯。さっぱりしたわ。
夜は天体観測。ここは、一部が山に遮られてるねんけど、300℃くらい空が見渡せるから、絶好の天体観測ポイントや。北斗七星、カシオペア座、北極星、冬の大三角・・・有名なのしか分からんけど、かなり楽しめて良き。
今夜も、昨日程やないけど、早めの就寝。
明日は薬袋さんご夫婦が来はる予定やねん。楽しみやわ。
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キャンプ3日目の朝。
今朝もちょっと散歩して、昨夜の残りで朝食を取ったら、買い出しに行く。
30分ほど原チャで走ると、そこそこ大きめのスーパーがあって、何でも揃うねん。野菜とシチュー用の牛肉(奮発や!)とルーを買って、キャンプ場に戻った。
今夜の夕食用にビーフシチュー作るで。昨日作った竈に火を熾して、大きめの鍋を設置した。野菜はゴロっと大きめに切って、ルーの箱に書いてるレシピ通りに調理する。ここから数時間かけてコトコト煮込んでいくで。
シチューの煮込みに入った頃、薬袋さんご夫婦がキャンプ場に到着した。
「脩ぅく~ん!元気ー!? 久しぶりやねぇ~」
「お、何か良え匂いしてるな」
「こんにちわ。お疲れ様です。シチュー煮込んでるんっすよ。今夜、一緒に食べましょ」
「うわぁ嬉しいわぁ。楽しみ。ほな、お昼はサンドイッチ作ってきたから、一緒に食べよ」
「はい!頂きます!」
「設営ちゃちゃっとやってまうから、ちょっと待っててな」
「はい、僕手伝いますよ」
薬袋さんのサンドイッチは秀逸やった。やっぱプロは違う。
午後はお喋りしたあと、バトミントン対決したり、水切り対決したり、ハンモックで揺られながらシリトリしたりして過ごした。
3時間煮込んだ後2時間置いて、温めなおした夕食のビーフシチューは、自分的には大成功やってんけど、薬袋さんが“隠し味”を添加してくれて、そしたら味わいがガラリと変わって、セミプロの味になった。
「おぉ!旨い!流石っす」
「長時間煮込んだから肉がホロホロ、野菜はトロトロで最高やん!」
「うん、脩、腕上げたな。旨いで」
「ありがとうございます。薬袋さんにそう言って貰えるとめちゃ嬉しいっすわ」
食後は薬袋さんが入れてくれた紅茶を飲みながら、マシュマロを焚火で炙って食べたりした。
翌日も薬袋さんご夫婦とキャンプを楽しんで、昼過ぎに帰路についた。
薬袋さんご夫婦ってホンマ良え人やわぁ。
この4日間、楽しい事しかなかった。
高校でも好きな事を学んで、プライベートでもこうやって楽しんで、夢の中でも異世界満喫してて、最高に良い人生や・・・
この時の僕は、これからもこうやってずっと楽しい人生が続いて行くんやと、そう信じて疑ってへんかった。
じわじわ更新中
脩人の幸せな人生は長くは続かないのか!?




