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29 シュート

本日もよろしくお願いします

良い素材は見つかるかな?

 脩人は楽しんでいるなぁ。

 こっちでは野営は必要に迫られてやる物だけど、あっちでは遊びの一環としてやるんだってのが不思議。ハンモックって初めて見たんだけど、寝心地良さそうだったね。こっちでも作れるかな?


 僕はスルホンさんとの商談の翌日、商業ギルドで相談をしたよ。スルホンさんとの契約案を見せて、問題がないかどうか助言をして貰ったんだ。結果、細かい修正が必要ではあったものの、大筋問題ないと言う事だった。良かった。次回、問題なく契約を交わす予定。ギルドに公証人と魔術契約書の準備をお願いしておいた。


 さて、“乾燥携帯食”作成のための魔道具作りを始めなきゃなんだ。脩人が構造の設計図を描いてくれたから、僕は魔道具としての機構を構築して円環術式を書き込めばいいのだけど、問題は素材だよね。それでここ数日、魔道具作りの合間に、素材探しに店をまわってみたんだけど、町の素材を取り扱う店には真空状態に耐えられそうな物は無かった。僕の手持ちの素材にもそういった物はない。

 それで、今日は冒険者ギルドに来てみた。ここには、ちょっとした資料室があって、この辺りに棲息する魔獣の事とか素材の事とかの情報があるんだよね。

 資料をパラパラと捲りながら、目当ての物が無いか探していく。

 目についたのは、海の大型魔海獣だった。小型、中型の魔海獣は海の浅い部分に多いが、大型の物は普段は深海に棲息していて水圧の大きな変化に耐える肉体を持っているそうだ。

 アテロールで時々水揚げされる大型の魔海獣はシーサーペントとクラーケンだそうだ。


 以下は資料から拾った情報。

 シーサーペントは細長く巨大な体を持つ魔海獣だ。水上から体を高くもたげさせると頭が一般的な帆船のメイントップの上までのびるほどだ。長い首、するどく長い牙は口の中に納まりきっていない。鰭はとても幅広い。体は鱗で覆われる。全長は帆船よりも長い。

 攻撃は海水の噴射、長い体で巻き付き締め付けることによる物理攻撃、噛みつき攻撃などだ。体表を覆う鱗は魔術耐性が非常に高く、また物理攻撃にも強い。

 討伐方法は物理で少しずつ鱗を剥がしておいて、できた隙間から魔術を叩き込む。


 クラーケンは巨大な丸い頭から直接に長い腕や触手が全部で8本生えており、体が無い。頭には長い角が生えている。その腕や触手で帆船を覆える程巨大である。口の奥に墨袋を有しており、粘性の墨を吐き出してくる。

 この墨をまともに浴びせられると視界が奪われ、その粘度のために動きが阻害され、足元は滑って踏ん張れなくなる。また長い腕や触手を巻き付けて締め付けによる物理攻撃をしてくる。また巻き付いた相手に口から消化液を吐き出して消化しながら食う。

 物理耐性が強く、魔術攻撃しか通じないが、魔術耐性もそこそこあるので、魔術補助具を大量投入する必要がある。


 これら大型の魔海獣は時々貿易船や漁船を襲うので、海専門の冒険者が護衛に付いている。大抵は追い払うだけで手いっぱいなんだけど、1年に1~2回位は討伐に成功する。その殆どは海底に沈んで行ってしまうのだけど、稀に運よく陸まで曳航できた時には陸揚げされる。


 シーサーペントもクラーケンも体の全ての部位が素材として利用される。

 シーサーペントの鱗は物理耐性、魔術耐性共に高いので、鎧や盾に加工される。外皮は防水性に富んでいるので、天幕、外套、馬車の幌、帆船の帆など様々な物に加工されている。リザードン革よりも丈夫で破けにくく、防水性が高い。骨格も頑丈だから、耐久性の必要なあらゆるものに加工される。肉は食用に供される。さっぱりしているのに味わい深く美味しい。魔石は巨大だ。

 クラーケンの外皮もシーサーペントと同じで防水性に富んでいる。骨は無い。墨袋を傷つけずに回収できた場合には、この墨は魔インクの材料になる。肉は食用に供される。不思議な弾力のある触感と淡白な味でそこそこ美味しい。同じく魔石は巨大だ。


 うん、これ使えそうじゃない?問題は稀にしか水揚げされないって事。そんな稀なら素材も奪い合いだよね。当然、高価になる。高価でも手に入れば良いけど、いくらお金を積んでも手に入らない可能性もあるよね。

 うーん。自分で討伐隊を組んで狙うしかないかも。だけど、そんな事が可能なのかな?しかも、そんな貴重な素材を使った魔道具って・・・盗賊に狙われる未来しか見えないよ。

 これは暫くは“乾燥携帯食”作りは僕が頑張るしかないね。調理をしてくれる人を雇えたらだいぶ楽になると思う。

 それで王都に行くまでに何とか魔道具を作るしかない。

 僕、間に合うかなぁ~?


 


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