26 脩人①
本日も宜しくお願いします
被害者が他にも…
長くなったので2つに分けました
お、スルホンさんともうちょっとで会えそうやな。商売の話が上手い事いくと良えな。
まぁ、まずは、いきなり全部決めてまわんと、こう、ジャブ打つ感じで様子窺ったらどうや?ほんで、腹わって話せそうやったら、徐々に話し詰めて行ったら良えんとちゃう?正式な契約はギルドに間入って貰て間違いの無いようにな。
僕の方は、昨日の晩に上の兄ちゃんに頼んだら、その場で弁護士の友達に連絡取ってくれて、早速、今晩会えることになってん。優人君、金取られてるし、「対処は早い方が良えやろ」って。
仕事が終わってから家に来てくれるらしいから、遅くなるって。せやから僕も今日は久しぶりに放課後、バイトに行くことにした。流石に玲子さんはもうバイトに来んやろ。ラ○ンも来んようになったし。
出勤してみたら、優人君が休んでるからか、店長が出てたんやけど・・・何や店長、えらい窶れてて、髪はボサボサやし、口の端が切れてて青タンできてるし。どないしたんやろ?
「おはようございまーす!」
「ああ、大工君、お疲れさん」
「店長、どないしはったんですか?殴られはったんですか?」
「ああ、ちょっとな・・・」
あんま言いたぁなさそうやったから、それ以上突っ込まんといた。もう1人バイト君が来てくれて、3人体制で働いた。
もうちょっとで上がる時間やなぁと言う頃、ちょっと柄の悪そうな客が集団で来店した。
「店長おるぅ~?」
「あ、え!? 店に来られたら困りますよ!ちょ、ちょっと、そ、外でお願いします!」
「あぁん!? 俺ら客やぞ!何で来たらあかんねん!このコンビニは客選ぶんか!? 何様やねん!」
「おっさん、舐めとんのか!?」
「そ、そ、そう言う事じゃなくて、」
「あ!このパン俺の好きなやつやん!これ貰おうかなー」
「じゃあ、俺はーこれとぉこれとぉ、これもいっとこかな」
「俺はスイーツが良えなぁ」
僕は不穏なものを感じて、スマホでさりげなく動画撮影を始めた。あの男達はたぶん、昨日優人君をボコッてた奴らやと思う。
男達は棚からパンやらお菓子やらジュースやらを漁って次々にカゴに入れていった。ほんで、レジの前を素通りして、カゴを持ったまま出て行こうとする。
「あ、あの、か、お、会計は?」
「お前、さっき俺らの事差別したから慰謝料や」
「そ、そんな!それ、窃盗ですよ!」
「はぁあー!? 文句あるんですかぁー?けーさつ呼びますぅー?レ・イ・プ「あ、あー!それは差し上げますから、そ、外で話しませんか?そ、外に、外に」
慌てた店長と男達は店外に出て行った。
何や、この展開。優人君の事件が被んねんけど?
僕はめっちゃ気になって後を追って外に出た。店長と男達はコンビニ脇に置いてる倉庫の陰で話しだした。気付かれん様に離れた場所で様子を窺っていると、奴ら店長のことを小突いたりしながら詰め寄ってる様子やった。ちょっと遠くて会話はハッキリとは聞こえんかったけど、慰謝料とか玲子さんとか若頭とか言うてる気がする。
(あぁ、やっぱり。店長も引っ掛かったんかぁ。あいつら、何人に仕掛けとんのやろ?被害者の会とか作れるんとちゃう?)
大きな暴力に発展しそうやったら警察を呼ぶつもりで見守っててんけど、そんな感じにはならずに、店長は解放されて戻ってきた。
僕は、男達が去っていった事を確認してから、店内に戻る前の店長を捕まえて、声をかけた。
「店長、美人局っすよね?」
「は!? な、何言うてんのん?何の事かよー分からんなぁ」
「隠さんで良えですよ。実は優人君も玲子さんにやられてるんです。昨日、ボコられて、それで入院してるんです。僕も標的にされて、僕の場合は未遂で終わったんっすけどね」
「え!? ・・・」
「今夜、僕ん宅に弁護士さん来てくれはる事になってて相談するんっすよ。店長の事も話して良えですか?それとも、一緒に来はります?」
「お、俺、呑みすぎて記憶なくて、き、気がついたらホテルのベッドの上で、は、裸で・・・れ、玲子ちゃんに、れ、レイプされたって訴えるって言われて、お、俺、どないして良えんか分からんくて・・・嫁にバラされたく無かったら、200万円払えって・・・う、うぅぅ」
「店長・・・」
泣き崩れる店長の背中を擦り、復活するのを暫く待った。何とか歩けるくらいになった頃には、バイトの上がる時間になってて、夜のバイト君達も出勤してきたから、店長を連れて帰宅した。
いきなりバイト先の店長を連れて帰宅した僕に家族はびっくりしてたけど、「弁護士が来たら話す」って言うたら、何も聞かんといてくれた。
22時を回ってから来てくれた弁護士さんは、意志の強そうな瞳、優しそうな笑顔にハキハキした話し方の、めちゃ頼もしそうな人やった。
被害者が他人やからプライバシーの問題がある。せやから店長と弁護士さんには僕の部屋に来て貰て、3人だけで話をすることにした。
まず、僕が玲子さんとの関わりを話した。玲子さんがバイトに来るようになった頃から始まって、コンビニ強盗事件とそれに伴って急接近した事、その後からのやり取りはラ○ンを示しながら話した。そして、初めてのデートとキス。
「いや~ん!脩人、初キッスしちゃったん♪」
突然、ここに居る筈のない姉の黄色い声が上がった。
慌てて部屋の扉を開けたら、姉と下の兄ちゃんそれからお母んの3人が、部屋に倒れる様に雪崩れ込んできた。扉に体重をかけてたんやろな。
「ちょー!何してんねん!? 立ち聞きすんなや!」
「だってぇ~大事な脩人が犯罪絡みやなんて心配になるやんかぁー」
「せやでぇ、皆心配しとるんや」
「僕は大丈夫やってぇ!友達と店長の話やー言うてるやろ!? プライバシーがあるんやから、あっち行っといて!近寄んなや!次、同じことしたら、許さんからなー!」
「えぇ~!」
「お母ぁちゃんは聞いても良えやろ?あんたの保護者やから!な?な?」
「うっさい、お母んもあっち行ってて!必要あったら、また呼ぶから」
家族はしぶしぶ居間の方に移動していった。
「騒がしくてすんません。で、続きなんですけど・・・」
後半に続く…




