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2 シュート②

本日も宜しくお願いします

次は町中でリサーチあんどインタビュー

 次に館を出て、町へ行ってみる。

 兄上達や姉上には専属の従者や護衛騎士が付けられていて、館を出るときには必ず彼らを伴うのだけど、僕にはそんなのはいないので、一人だ。

 館の門から始まる道は直ぐに下り坂になる。そのまま真っ直ぐに下り坂が続いて、坂を下りきる直前から町の建物が始まる。道はそのまま町の中心部を貫き、途中、広場を通って町の反対側まで続いている。館から町の反対側まで、歩いて1時間もかからない小さな町だ。

 町の表通りにはたくさんの店が軒を連ねており、広場には露店が出ていた。露店からは美味しそうな匂いが漂ってきている。串焼きの店、パンに具材を挟んだパニーノを売る店、スープの店・・・お腹が空いてきた。

 しまった。僕、お金を持ってきてないよ。初めて屋敷から出て町に来た僕だけど、買い物をするのにお金が必要なのは知ってるよ!脩人が買い物しているのを見てるからね。もし従者が居れば僕の代わりに支払いをしてくれるんだろうけど、居ないのだから仕方がないね。

 残念に思いながらも串焼きのお店に近づいてみた。串焼きは炭を使って焼いている様だ。


「へい、らっしゃい。絶品の串焼きだよー!何本ご希望で?」

「あの、買い物じゃなくて質問があるんです」

「はぁ!?客じゃねぇのかよ!あっち行きな。商売の邪魔だよっ」

「あ、ごめんなさい。でも、直ぐに終わりますから、お願いします」

「ちっ何だよ、何が聞きてぇんだ?」

「あのっ、何で炭で焼いてるんですか?(かまど)の魔道具は使わないのですか?」

「あぁん!?俺を貧乏人だって馬鹿にしてんのかぁ?」

「いえっ、そうではなく、僕、世間をよく知らなくて。ごめんなさい」

「はぁ~っ、(かまど)なんてぇ高価な魔道具を俺みてぇなしがない露店商が持てるわけねぇだろがよ。あれはお貴族さまか高級料理店とかしか持ってねぇよ。それにあんなバカでかい道具は一ヶ所に据え置いて使うもんだ。移動が常の露店ではそもそも使えねぇよ」

「そうなんですねぇ。もし持ち運べる位の大きさで安価な物があれば使ってみたいですか?」

「そうさなぁ・・・火力によるかなぁ。小せぇって事は火も弱くなるんじゃねぇのか?それに、物が安くても、燃料に使う魔石は安くはねぇぜ」

「あぁ、そうですかぁ」

「もっとちゃんとした食堂とかなら、考えるかもなぁ。何、坊主は将来は魔道具技師にでもなるんかい?」

「ええ、目指そうかと思っています」

「そうかい、そうかい、ま、頑張んなっ。俺らでも買えるような魔道具を作ってくれや!期待しないで待ってるぜ!」


 次に向かったのは、魔道具店だ。露店のおじさんが、魔道具店の多い通りを教えてくれたのだ。

 魔道具を売る店は、冒険者が主に利用する様な店、魔術師が利用する様な店、生活に使われる魔道具を売る店と、扱うものが店によって違う様だ。

 僕は取り敢えず、生活に使われる魔道具を見ることにした。

 そこは高級な店構えだった。僕が店に入った瞬間に店員がこちらに視線を向けてきた。鋭い目で頭の上から足先まで舐めるように見たあと、にっこりと笑って声をかけてきた。


「坊っちゃん、ご両親とはぐれてしまったのかな?探すお手伝いを致しましょうか?」

「あの、僕、独りで来ました。魔道具を見せていただいても宜しいでしょうか?僕、魔道具に興味があって、どんなのがあるのか知りたいんです」

「見学ですか?宜しいですよ、ご案内致します」

「ありがとう。お願いします」


(店員は僕の服が高級な物だと見抜いて、“将来の顧客”候補として見てくれたんだろうな。客にならなそうな人は追い出されるのだろう)


 そして僕は図々しくも、商品をひとつひとつ説明してもらった。脩人の住む地域の住民は「タダで貰える物は、貰っておけ」ってちょっと厚かましい気質の人たちみたいで、僕もそれに習ってみたんだよ。

 見せて貰った魔道具は、(かまど)、着火具、水生成機、照明、洗濯装置、盗聴防止装置、魔術無効装置、結界発生機、空間拡張収納箱だった。王都に行けば、もっと色々な魔道具があるらしい。

 値段はやはり高価で、庶民にはとてもじゃないが手が出ない価格帯だった。それに動かすには魔石が必要だ。魔石を継続的に購入するのにも費用がかかる。

 庶民向けに安くできる方法はないのかな?

 それから、照明器具も(かまど)も他の魔道具も威力の調節と言うものは付いてなくて、“作動”か“停止”だけみたい。


 あと、魔道具技師についても聞いてみた。

 魔道具技師は魔物の素材が多く手に入る街か、王都にしか居ないらしい。僕の家の領内には居なかった。

 そして魔道具技師になるには一般的に、魔道具技師に弟子入りするか、王都にある魔術学院の魔道具技師科に通うのが近道らしい。と言うのも、魔道具技師は国に登録しなければ、商品を売ることが出来ないそうだ。その登録時に現役魔道具技師の推薦状が必要らしい。弟子になっていればその師匠が、学院に通っていればその恩師が推薦状を書いてくれるってわけ。つまり、僕は推薦人も探さなくてはいけない。

 魔道具が壊れて、あるいは不良品で、魔力が暴走なんて起こしたら人の命に関わる事故に発展する危険だってある。そんな事故が起きたときに、原因の魔道具が誰の作った物か分からなければ問題解決のしようがない。魔道具技師が登録制だと言うのは当然の事だろう。


 何だか課題ばかりで、気が遠くなる。

 僕、本当に魔道具技師になれるのかなぁ?


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