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24 脩人

本日も宜しくお願いします

告白

「終わったぁー!」


 5日間のテスト期間が終わった、終わった。試験はまぁまぁできたん(ちゃ)うかな?決して「おわたorz」て事やないで?日頃の授業でしっかり理解するように努めてるからな。一夜漬けに賭けたりなんか、せーへんし。


 今日からバイト復帰や。テストから解放されて晴れ晴れとした表情でこの後の遊びの相談をしながら教室に(たむろ)ってる同級生を横目に、僕は急いで家路につく。一旦帰宅して、着替えてからバイトに行くんや。


 まだまだ冷たい初春の空気を切り裂きながら激チャリしてる合間に、最近のシュートの事を思い出す。

 何て言うか、リザードマンって魚の為に何時間でも川の中で微動だにせーへんくてハシビロコウみたいな奴やな。

 ほんで、リザードマンとの戦闘は、戦士同士の戦いって感じで格好良い(かっけー)かったわ。ものごっつー痺れたよ。今回シュートは久々にゾーンに入ってたな。『身体強化』もしてて、時々ワープの魔法とか魔法障壁とかも使ったけど、それでも勝たれへんってリザードマンの戦闘能力の高さには()()()わ。

 でも、そもそも、槍と剣との戦いは槍の方が圧倒的に有利やからな。西洋の方の動画で「槍と槍以外との戦いの戦績を調べました」っての見てみたけど、片手剣、両手剣、大剣、戦斧、小刀、片手剣とバックラー、片手剣と大盾のそれぞれで槍と戦ってみた結果、槍はそれ以外の得物の倍の勝率やった。

 でも、シュートの剣技の高さも証明されたな。シュートは「まだまだだ!」って悔しがってたけど、けっこう()(とこ)まで行ってたで?リザードマンのあの猛攻を防いでたんやもん。シュートにも、あのクソ親父の戦士としての血がちゃんと受け継がれてたんやな。シュートはまだ若いんやし、これからも()まず(たゆ)まず努力していけば、もっと強くなれるって。知らんけど。

 「え!? その戦闘能力で魔道具技師?」とか言われるようになろうぜ!



 帰宅して着替えたから、今度は原チャに乗り換えてバイトに向かうで。

 今日のバイトは優人君と2人体制らしい。入って早々から暫く客が続いて、それぞれキビキビと働いた。優人君は妙に張り切ってたけど、あんま気にせんといた。


 数時間経って、客足が落ち着いてきた頃、店長が出勤してきた。「2人で休憩してきて」って言うてくれはったから、優人君と2人で事務所兼休憩室に入って椅子に腰を下ろした。

 暫く携帯弄ったりしてたんやけど、優人君が妙にニヤニヤしてて、「俺って幸せー」とか「これからどないしよー」とか聞こえる様に独り言を言うてくる。で、チラチラ僕の事見てきよんねん。

 更に、「えへへー・・・くふふ」とか「んふ・・・んふふふ」とかってすんげぇスケベ顔して笑い始めて、ちょい気色悪(きしょ)い。


(え、僕に質問せーって事なん?めちゃダルいねんけど?)


 それでも暫くは気づかん振りして動画見たりしてたんやけど、絶妙に下手くそな咳払いとかし始めよって、鬱陶しくなってきて、仕方なく聞いてやる。


「何か()え事でもあったんすか?」

「え!? 聞いちゃう?これ秘密にする約束やから、ホンマは教えられへんねんけどなー、どないしよーかなー?でもなー俺と大田君の仲やしなー」

「あ、秘密なんやったら、()えですわ。聞いてすんません」

「あーあー、そんな拗ねんで()えやん!ちぇっ、仕方(しゃー)ないな、教えたるわ」

「いやいや、()えですわ。相手の人に悪いし」

「大丈夫やで!俺と大田君の仲やん!マブやろ?」

「いえいえ、マブやなんて烏滸(おこ)がましいっす。大丈夫す。約束は大事にせなあきませんよ?」

「そんなん言わんと、聞いてぇーなぁー。俺誰かに言いとぉーて、我慢でけへんねん!」

「それ、あきませんやん!秘密にする言うて約束しはったんでしょ?」

「せやから、大田君が黙っといてくれたらそれで()え事やん?」

「え!? そんなん嫌ですよ!もし、どこからか漏れたら、僕がリークしたんやのーても、僕が疑われるやつですやん!」

「大丈夫やって。他では喋ってないし、大田君だけやって。何かあっても、疑ったりせーへんって」

「ホンマですかいな。余所で喋ってないとか、全然信用でけへんのですけど?」

「実はなぁ、俺「僕、まだ聞くって了承してへんのですけどー!?」

「もう()えやん、行くで、言うで、頼むから聞いて?」

「もー知りませんよ?」

「あんな、俺、玲子ちゃんとお付き合いする事なってん♪うわぁー言うてもーたぁー!」

「・・・え?」

「こないだの日曜日な、2人で飲みに行ってん。ほんで、めちゃ盛り上がってやー。「優君とおると楽しい♪私、今日は帰りたくないわー」とか言われたら、もう、そう言う事やん?近くのラブホ直行してさぁ。体の相性めちゃ()えくてー、あ、この話題は大田君には刺激強すぎたか?玲子ちゃんにはな、「恥ずかしいから、皆には内緒にしといてぇ♪」って言われてんけど、誰にも喋らんって無理やろ!」


 優人君から告げられた衝撃の告白の途中から、耳がキーンとなって周囲の音が遠ざかって、景色も何か薄い膜を一枚挟んだ様な感覚に襲われた。

 優人君はまだ何事か喋り続けてるけど、僕の頭の中は(何で?何で?何で?あのキスは何やったん?何で?何で?)と言う言葉がリピートしてて、玲子さんの顔や、キスの感触や、優人君のスケベ顔や、左側肘に感じた玲子さんの胸の軟らかさとか、優人君の「ラブホ直行」と言う言葉、玲子さんの「皆には内緒ね♪」と言う言葉が、浮かんでは消え、浮かんでは消えして、訳が分からなくなってもーた。

 その後、何とか残りの時間働いた。帰宅したら、晩御飯も食べんとベッドに潜り込んだんやけど、明け方まで眠れんくて、空が白み始めてから漸く小一時間だけ眠った。


玲子ー!?お前、どう言うつもりや!!



※「ばびる」は「びびる」の変形で誤字ではありません

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