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21 シュート

 脩人、風邪が無事に治って良かった。それに玲子さんと進展しそうで喜ばしい事だね。正直、羨ましいよ。脩人の世界とこっちでは、衣服の意匠が全然違うからお洒落なのかどうか分からないけれど、お姉さんに選んでもらった物だし大丈夫だよね。髪の毛と眉毛まで整えるってまるで貴族みたいだね。



 魚は脩人のお薦めの方法で大量収穫できたよ。まず小舟を借りて海に出た。小舟の操舵は、風の生活魔術を使えば簡単だった。港周辺なら大きな魔海獣は出ないみたいだけれど、警戒は怠らなかったよ。それで、『索敵』で見つけた魚群へ向けて『雷痺』を発動すると、バシャバシャと()ぜた後、大量の魚が浮き上がってきた。『引寄』でどんどん回収したけど、ある程度大きい魚だけを捕って小さい物は逃がしたよ。


 それで、ここのところ毎日“乾燥携帯食”を作ってるよ。脩人が魚の捌き方を教えてくれたから、最初こそ身をボロボロにしてしまったものの、直ぐにコツを掴めたよ。魚料理も紹介された通り、干物、燻製、煮物、それからフレイクって言ったっけ?身を細かく砕いたやつも作った。

 勿論、いつもの定番料理も作ったよ。新たにホーンラビットを狩りに行ったり、故郷で狩ったワイルドボアとソードディアのまだ使い残してた肉を使ってる。野菜や果物はアテロールの商店で新鮮な物を買ってきた。それぞれの料理で100食ずつを目標に頑張っている。


 料理ばかりじゃ飽きちゃうから、魔道具製作も平行してやってるよ。

 “髪乾燥機”と“乾燥・産水機”。それから『光明』の魔道具は、小型の“携帯魔燈(まとう)”と設置型の“魔燈(まとう)”を作ったよ。(かまど)の魔道具も小型の“携帯魔竈(まそう)”と設置型の“魔竈(まそう)”を作った。

 “魔竈(まそう)”は家の作業場に3台設置したから、料理をするのに効率が良くなったよ。




▲▽▲▽▲▽


 今日はアテロールの中心街に出てきた。家から遠いからね、複数の用事を一度に済ませる予定だよ。

 まず、市場で買い出し。食材とか、日々の細々としたものと、蜂蜜を入れる大きな(かめ)を複数買ったよ。それから、また背が伸びたから服を買い換えなきゃ。どうせまた直ぐに買い換えになりそうだから、古着を買ったよ。逆に、小さくなってしまった僕の服を下取りに出した。

 『加温』と『冷却』の外套は、大き目に作ってあるからまだ大丈夫だけど、時間の問題かも。これを作った時は、ここまで急成長するとは思わなかったんだよね。最終的には父上と同じ位の背丈になりそうだな。外套の作り直しに備えて、リザードマンの討伐とポイズンスパイダーの糸の採取に行きたいな。


 次に商業ギルドに寄ってみたけど、スルホンさんはまだ来てないみたい。


 最後に、冒険者ギルドに来た。ハニービーの素材を売るのと、魔獣情報の確認だね。


「こんにちは。素材の買い取りをお願いします」

「はい。ギルド証と売りたい素材を出してください」

「はい、ギルド証です。素材はハニービーの物ですが、数が多いですけど、この上に出しちゃって良いですか?」


 僕が巨大な荷物袋を見せたら、籠をいくつも準備してくれた。


「こちらに入れていって下さい」


 外骨格を50匹分、羽を50匹分100枚、針を50匹分を、次々に籠に放り込んでいく。どんどん積み上がる籠。窓口の人が慌てて追加の籠を取りに行った。次の籠には瞳を80匹分160個入れたよ。

 幼体は使わないから、全身まるまる出した。籠には入らないからそのまま机の上に出した。食用になるらしいけど、見た目的に、ちょっと食指が動かないね。脩人も昆虫食は苦手らしい。

 上位種の素材は出さなかった。今後の魔道具製作に使えそうだからね。それと蜂蜜も出さなかった。まだ巣の中から分離していないんだよね。さっき(かめ)を買ったから、次に町に出てくる時までには分離しとかなきゃ。


「こ、この数はどうしたんですか?まさかひとりでこれだけの数を仕留めた訳じゃないですよね?」

「ひとりですよ。たまたま巣を見つけたので、巣ごと討伐しました」

「は!? 巣ごと?おひとりでですか?一体どうやって?」

「ふふ、そこは秘密です。とっておきの方法とだけ言っておきます」

「はっ!そうですね、当然です。ひとりで巣ごと討伐できる様な技をおいそれと話すわけには行きませんよね。失礼いたしました。では、査定が出るまで、少々お時間を頂きます。お呼びしますので、それまでお待ちください」


 掲示板で、リザードマンとポイズンスパイダーの出現情報を確認したり、併設の食堂で軽食を食べたりして時間を潰していたら、漸く支払い窓口から呼ばれた。買い取り価格は小金貨1枚と銀貨1枚になった。よし、よし。


「巣から蜂蜜の分離をまだやって無いんだけど、分離できたらまた買い取りに持ってきますよ」

「まぁ!蜂蜜をお売り頂けるのですか!? 大歓迎です!蜂蜜は中々持ち込まれないので、希少なんです。色を付けますよ!」


 係りの人がそう言って、小踊りして喜んでいた。そ、そんなにか!?


「巣から蜂蜜を分離する効率の良い方法はご存知ですか?お教えしましょうか?」

「はい、是非!」

「蜂蜜を入れる容器はお持ちですか?」

「はい、(かめ)を買ってあります。僕の腰位の高さの物を、取り敢えず10個揃えたんですが、足りるでしょうか?」

「それは巣の大きさにも依りますが、平均的な大きさの巣でしたら、十分でしょう。それから必要なのが、遠心機です。そこに適当な大きさに切った巣を入れて遠心すると、蜂蜜が分離されるのです。遠心機はこちらで取り扱いがありますが、お買い求めになりますか?」

「いえ、取り敢えずけっこうです」

「そうですか。では、ご不明な点などがございましたら、何なりとお申し付け下さいませ」

「ありがとうございます」


 僕は冒険者ギルドを後にして帰路についた。

 明日から早速、蜂蜜の分離作業だな。それが終わったら討伐に出かけるよ。



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