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14 脩人

本日も宜しくお願いします

誕生日のお祝いは豪勢に

 誕生日の朝を迎えた。記念すべき日やな。普通やったら16歳の誕生日が特別やなんてことは無い。そう、こっちの世界ではな。でも、僕にとっては特別や。シュートが成人する誕生日なんやからな。

 シュート、成人おめでとうさん。

 今日がちょうど日曜日で良かった。学校は休みやし、バイトも入れてへん。今日は1日シュートを祝うために過ごそうと思てる。シュートには祝ってくれる家族が()らへんから、せめて僕が祝っちゃろうと思ってんねん。


 まず、しっかり防寒対策をして空港へ向かった。僕が住んどる泉佐野市から空港島に向かって橋が渡されてるんや。電車で空港駅まで行き、無料の連絡バスに乗り継いで空港展望ホールへ向かった。ここはA滑走路を離陸する航空機が()ー見えるビューポイントやねん。ここで飛行機を眺めよー思ってるねん。シュートが飛行機を初めて見たとき、めちゃくちゃ吃驚してたからな。至近距離で見たらごっつー迫力あるし、爆音浴を楽しむんや。

 寒空の下、巨大な旅客機が過密なペースで次々と離陸していく様子をひたすら眺める。さすが国際空港やわ。エンジン音が腹に響く。因みに、着陸はB滑走路って別な滑走路や。足元から深々と冷え込むけど、カイロと保温ポットの紅茶を飲んで暖を取りながら2時間位楽しんだ。


 次に、空港ターミナルビルに戻って、高級そうな中華料理店に入った。ここで豪勢な昼食を食べるで。コース料理や。でもちょっと問題が起こった。コース料理は2名からしか注文できひんのやって。「2人分支払う」言うても「お請けしかねます」言われてもうてん。ランク落としても()えねんけど、気持ち的に妥協したくなかった。ほやから、僕は悲しげに、かつ熱く語ったった。


「今日は、こことは違う世界に(の)旅立った友達のために来たんです。彼と僕は同い歳で、誕生日も一緒で、今日がその誕生日で。もう誰にも祝ってもらえへん(祝ってくれる家族のおらん)友人と僕の誕生日を祝うために、朝から彼が大好きな(多分)航空機を展望デッキで眺めてきて、この空港のレストランで良いもの食べようと計画してたんです。彼にはここ(異世界)の食事は食べられへんから・・・」

「え・・・(こんな若くして亡くなった?)」

「2人分の食事を作って下さい。勿論、料金はきっちりと支払います。でも、僕は1人分しか食べられへんから、友達の分はお皿だけ出して()ろて、中身の料理はスタッフの皆さんで召し上がって下さい。お願いします!!」

「(天国に)旅立ったお友達のために、なんですね?」

「・・・っはい!・・・2日前に」

「っ!誕生日の2日前に・・・」


 ここで瞳を潤ませてやれば、もう完璧やった。

 僕はぜんっぜん嘘なんか言うてへんで!あちらさんが勝手に解釈しただけや。目が潤んだんも、寒いとこから屋内に入って、寒暖差で涙量が増えただけや。

 眺めの良い席に案内されて、料理を出して(もろ)た。テーブルの向かいの席には、スマホを置いて、高校の同級生とツーショットで撮った画像を出しといた。2人とも満面の笑顔をしてるやつや。

 コース料理は、前菜三種盛り合わせ、フカヒレスープ、大海老のチリソース、活蟹と春雨煮込み、蒸し点心三種(小籠包、海老蒸し餃子、海老焼売)、挽肉とレタス包み、チャーハン、杏仁豆腐。

 僕も食べたことの無い食材のんとか色々出てきて楽しめたし、ごっつー旨かった。うん満腹。朝飯抜きにしてきた甲斐があったわ。料金も1人分しか請求されへんかった。感謝、感謝。


 さて、こっちの世界の“本気”はまだまだこれからやで?覚悟せーよ、シュート。

 次に向かうは水族館や。ジンベェザメって大きな鮫が悠々と泳ぐ巨大水槽が売りやねん。素手で海の生き物に触って見よう!ってコーナーとか、クラゲの幻想的な水槽とか見て、ペンギンとかカマイルカのお食事タイムを楽しんだら、次行くで!


 本日、最大のイベントのためにヘリポートへ向かった。遊覧ヘリコプターに乗るんや!大阪の夜の空を優雅にナイトクルーズするねんで。

 ここでも、2名様から縛りがあってんけど、“旅立った友達”の話しを語って、「僕の中にもう1人()るから!」言うて、乗せて(もろ)た。嘘は言うてへんで?料金は2人分払ろたしな。親の同意書は抜かりなく準備していったから、未成年やけど手続きはスムーズにいった。

 ユニバとかあべのハルカスとかがライトアップされた夜景はまるで宝石箱やで!宝石箱見たことないけどな!通天閣も見えたで!

 

 〆は自宅に帰って、家族が準備してくれた誕生日会や。鶏モモの照り焼き、ポテトサラダ、オードブル各種、それからホールケーキ。スポンジと生クリームのオーソドックスながら、フルーツが仰山(ぎょーさん)使われた贅沢な一品や。電気消して、16本立てたローソクの火を吹き消した。




▲▽▲▽▲▽


 風呂から上がって、布団に寝転がって、回想にふける。

 シュートォ~今日は1日楽しかったなぁ~。思い出に残る特別な日になったやんな?シュートは独りや無いんやで?僕はシュートの隣には立たれへんけど、すぐ側にい~~っつも()るからな。分かったか?


 それにしても、弟の様に思てたシュートが一足早く成人になってもうたな。僕の成人は2年先や。


 散財したけど、心配あらへん。優人君のお陰で原チャの購入費用が安くつきそうやし、まだ暫くバイト続けるしな。


 そんな事をつらつら考えてたら、僕はいつの間にか眠ってしもーてた。


現在、コロナ関係で、脩人が行った場所は一部で閉鎖されています

悪しからず

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