表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/132

12 脩人

本日も宜しくお願いします

 やっぱりな。シュートの家の奴ら、シュートの事、追い出しにかかったし、家の印の付いたやつは持っていくなって言うてきやがった。今後、実家に関わりとーないんはこっちもやから、「手切れ金」上等やけどな。寧ろあのクソ親父が金を出した事にびっくりしたわ。「旅立つ息子を手厚く送り出した」って体裁が必要やっただけやと思うけどな。こっちの価値でだいたい100万円くらいの金を渡されたなぁ。大金や。でも、貴族が「大切な息子」にかける金としては少ないんかもな。シュートん()の経済状態を知らんから、何とも言えへんけど。

 シュートは剣を取り上げられそうになったけど、ちゃんと抗って死守したな。うん、うん、偉いぞ。


 さて、そうなると何や嫌な予感がするわ。例えば、出立する時に色々イチャモンつけられたり、あるいは家を出て平民になった途端に兄貴達に襲われたりとかな。親父は手切れ金を渡してきた時点で、もうそれで親子の関わりは終わりって思ってそうやけど、兄貴達はどうやろな?長男はシュートの貰った端金(はしたがね)に執着するやろか?でも次男は、金にがめつい所あるし、思い込みも激しい。シュートを苛める時もちょっとやり過ぎるきらいがあったから、ひょっとしたらひょっとするで。ウォルターは忖度のできる男やから、奴が財産を取り返しに来る可能性もあるん(ちゃ)うか?シュートの剣を取り上げようとしたくらいやし。


 う~ん、ちょっと早目に出立せーへんか?身分証も手に入ったし、長居する必要性ないやろ。家出る前から隠密の魔法使って、さらに王都とは違う方向に移動しようぜ。

 例えば、海辺の町にでも行ってみーひん?シュートの世界の海産物って食うた事あんまないし、ちょっと興味あんねん。魚の燻製も()えし、一夜干しとかでも行けるし、シュートも気に入ると思うで。それに、ここらでは手に入らん海辺特有の魔獣素材もゲットしときたいやん?ほとぼりが冷めるまでウロウロして、それから王都を目指したらどうやろ?

 


 僕の方は昨日、コンビニバイトの時、またヤンキーとバイト被ってもうて、しかも、がっつり話しかけられてん。僕が自動二輪免許取得の為に資料を読んどったんを見られたんや。


「え?バイクの免許とるん?大田君がバイクに興味あるって意外や」

「しばらくは原付しか乗らないと思いますけど。バイクに興味って言うか、行動範囲が広がるのと、自分、工業高校なんで、エンジン弄ったりしたいなって思いまして」

「ああ、暴走する方じゃなくて、そっちなんや。なるほどな」

「・・・」

「俺、前はVT250に乗ってたわ。知り合いの先輩に譲って(もろ)たバイクや。でもスピードオーバーで一発免停食らってよー。ついでにバイクのエンジン逝ってもーて、そっからバイク乗ってへんなー。あ、先月は盗んだバイクでちょこっと走ったけど、直ぐにガス欠した所で遺棄したし、ノーカンやな。今度はちゃんと金貯めてまたバイク買いたいなぁ。中古やけどな。今度は“カタナ”とか乗ってみたいけど、人気のあるバイクやからなぁ。安くて程度の良いやつ見つけるの(むず)いしなぁ。あ、“GSX(ジスペケ)-R250”でも()えねんけどな。あと、カワサキの“Ninja”も()えで。それから―――」

「・・・」


 え!? めっちゃ喋るやん、こいつ。バイクの事になると弾丸トークやな。車種とか色々言われても、僕にはよー分からんし、盗んだバイクの下りはちょっとコメントに困るし、ぜんぜん話しについていけへんかったわ。それに僕の名前、大田君(おおたくん)(ちゃ)うし、大工(おおたくみ)やし。怖いから指摘せーへんかったけど。でも、ヤンキーのバイク愛が過剰ぎみなんだけは()ー分かった。こいつにはバイクの話を振らんようにしよう。そうしよう。

 あ、あとヤンキーの名前は優人君やった。「名前負け」って言葉は心の中だけに留めた。



作者は、GSX-R250に乗ってました


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ