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殺人鬼リスト  作者: みいな
4/4

No.4 お金がほしい

はじめにお電話頂いたとき声が低かったので男性の方なのかなと思っていたのですが、女性の方だったんですね!




お役に立てるかわかりませんが、本日はよろしくお願いします。




次の予定があるのであまり長くはいられないですが。




私が殺しを始めるきっかけになったことから順を追って話しますね。




私は現在24歳、OLとして働いているんですが、殺しを始めてからちょうど5年目、29人を殺しました。2ヶ月に一人のペースです。




実は、今日が記念すべき30人目なんです。髪も丁寧に巻いてアップヘアにしてみました。




今から5年前、私は大学に入学して友達や恋人もできて幸せの絶頂でした。毎日楽しくて幸せで......




ある日、友達の百合と遊ぶ約束をしてて楽しみにしてたんです。髪もいつもの巻き髪ではなくてストレートにして。




待ち合わせの10分前、百合から電話がありました。待ち合わせ場所は西口だが東口が近いからこっちまで来てほしい、とのことでした。そこまで離れていなかったので私は東口に向かいました。




歩きながら気づきました。東口は...工事中で通れないはず。




東口が見えてくると、百合はこちらに背を向けて誰かと話していました。よく見ると、50代くらいのおじさんだったので百合の父親かと思い、静かに隠れながら近づきました。




そして、あと一歩のとき、百合が階段の上から男の人を突き落としたんです。




そして、後ろを振り返り一言、




「おまたせ」




私はすぐに百合の手を取り走りました。とにかくあの場から離れないと、という思いで走り続けました。




どこまで走ったかわからなくなって我に返り、百合の手を離しました。




私は息を整えながら「大丈夫?」と百合に話しかけました。




返事が返ってきません。




百合の方を見ると誰もいませんでした。




下に目を向けると、手首の部分から引きちぎられたような状態の肌色の手袋が落ちてました。




私は百合と走っていたのではなくちぎれた肌色の手袋と走っていたんです。




私は百合に電話をかけながら急いで東口に戻りました。




そこは暗い階段が広がっていました。




そうです、今、東口は工事中。




関係者以外、通らない。




どうしようと考え込んでいると百合から着信が来ました。




「東口から改札まで降りてきて」




ここで逃げればよかったのかもしれません。




ただ、私はまだ危機感もなく怖さよりも好奇心が勝り、言われたとおり降りていってしまいました。





階段の下には変な方向に足が折れ曲がった百合が横たわっていました。




そして、百合の隣りにいた若いイケメンの男性が一言、




「お前が百合になる」




とだけ言われて百合の持っていたものを渡されあとは掃除の人の様子を眺めてました。




掃除を見ている間、私は人殺しだ、と頭の中で流れてました。




でも、罪悪感がなかったことに違和感を覚えてた気がします。




掃除終わって家帰ってぼーっとしてたんですけど、私すごい、っていう結論に至りました。




自慢ではないのですけど、ずっとお嬢様学校に通ってきてたんです。




それで、毎日品行方正とか、お淑やかな生活を送ってて飽きてきて映画を見に行きました。




女の子が家族を殺されて女の子は殺し屋になって復讐するっていうお話で衝撃を受けました。




それに感化されてたのかもしれません。




私も、殺し、という行動に敬意を払ってるんです。




普段は髪をストレート、女の人を殺すときは巻き髪、男の人はアップヘアです。




やっと気づいてくれましたか?




今日、巻いてアップヘアにしてるということは......両方です!




それではそろそろ、お開きにしましょうか。




今日のターゲットは詐欺グループのトップ。




成功したら私に4割入るのでがんばります。




結局、お金のためって思えば人間何でもできるんですよ。




今日は楽しかったです。




またお会いしましょう。

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