崩壊への序章
稚拙な文章ですが、よろしくお願いします…
初夏のうだるような暑さの中冷たい水の中で泳ぐ魚を窓越しに見ると自分の置かれた状況に腹が立つ
クーラーの風で異世界問題係と書かれた表札が揺れる。
漣「なんで俺がこんなこと…」
休みのはずの祝日にPCに向かって独り言をつぶやきながら手に持っている資料に目を落とし内容を確認する。
【異世界移動に関する制約及び対処について】
この現代日本において異世界への移動は珍しいものでは無くなった。
12年前日本の科学者である如月博士が、ある論文を出し世界を震撼させ衝撃を与えた…内容は人工ブラックホールを利用し他世界への移動を可能にした画期的な乗り物【マーレ】
この乗り物のせいで各国は如月博士を現代科学の英雄だと崇めた…
しかし、論文発表から一週間後、博士は完成していたマーレと異世界移動等に関する注意点を書き記した資料を残し突如として姿を消した。
それから3年後、各国の科学者の手によってマーレは増産また機能を増やし発展を続け今では異世界へ行くことは旅行感覚と同じようになってしまった。
だが、やはり行く人間が増えれば問題も起こる…博士の残した資料により法律は作られたものの
その穴をかいくぐってやりたい放題する奴らが現れた。
そんな奴らのために完璧な法律を作ると息巻いた上司に言われた呪いの一言
上司「あとよろしく!明日から飛ぶから!」
飛ぶとは異世界移動のことだ海外ではパラレルジャンプとも言うらしい…
漣「なんで今更こんなことを…俺に…くそ上司め…」
この問題は異世界移動が普及し始めた頃からあったが誰も手を付けようとはしなかった、なぜなら異世界の数だけルールを作らなければいけないから、そんなの無理である
思考を張り巡らせながらPCに向かってすでに5時間が経とうとしていたが、一向に頭の中を整理できずにいた。
「異世界に干渉しすぎるとしっぺ返しを食らう」博士の資料の最後の一文を読み返す
漣「んなこと言われてもな…干渉しまくってるよ…」
もうこんな時間かと思いカバンの中にある弁当を取り出す…いつもしている行動、そんなありふれた日々が突如として終わった。
突然の爆発音に驚き、とっさに窓の外を見た。
漣「なんだよ…あれ…」
いつも窓から見えていた風景はもうなくそこには、「世界」があった。
20秒ほどだろうか恐らく人生において最悪な顔をしていたに違いない
だが、鳴り響く電話の音で現実に引き戻された。
「どうなってるの!あれはなに!こわい!助けて!いや…!…」
漣「大丈夫ですか!あの!もしもし!…切れた…どうなってるんだ…!?」
状況を判断できない、窓の外に見える非現実的な光景にまだ信じられずにいる
漣「とりあえず関係各所に連絡を…!」
頭の中にあるマニュアル通りに身体を動かそうとするが、思うように動かない
日頃からマニュアル通りを意識していればよかったと思うが、もう遅い
やれるだけのことをしようとするが、電話に出た男に窓の外の状況を説明しようとした瞬間
激しい光と爆音にすべての感覚を奪われた。