僕、魔物!!
一応、「俺、勇者!!」「我、魔王!!」に続く3作目です。
「俺、勇者!!」から順に見ていただくと分かりやすいと思います。
「今回の魔王様の世話役は、魔物No.107256とする」
魔界に閻魔大王の声が響き渡る。
No.107256。僕だ。
溜息が出た。
最悪だ。
100年に1回開かれる「魔王世話会議」第10回らしい。
約1000年前に眠りについた魔王様の世話役を決める会議だ。
一応、閻魔大王直轄の仕事なので名誉な事だが、今となっては罰ゲームだ。
考えてみてほしい。
いつ目覚めるか分からない魔王の世話を100年間する。
世話といっても、魔王が目覚めたら、の話である。
つまり、目覚めなければボーっとしてるだけ。
24時間魔王のそばにいなければならず、誰とも話ができない。
「ふああ〜、良う寝た」
会議から10日たったが、やはり飽きてきた。
「ん?誰やお前」
寿命が長くても流れる時間は皆同じ。やはり罰ゲーム・・・
「だからお前誰や?」
罰ゲームだと思・・・
「誰やって聞いてんねん」
罰ゲー・・・
「お前、エエ加減にせんと張り倒すぞ?」
・・・
「さっきからうるさいなー!!こっちは考え事して・・・あっ!」
目の前には魔王がいた。
しかも起きている。
「お前、いい度胸してんなあ。我にはむかう気か?」
「いいいや、そそそんなわけああるわわわわけがが・・・」
声が震えているぞ僕。おおお落ち着くんだ。
たぶんこれを文字にしたら読みづらいだろうなあ・・・
「まあ今回は許したる。なんかやる気がおきひん」
やる気が起きないって・・・鬱なのか?
いや、そんな事を考えてる場合じゃない。
何しろ魔王が目覚めたのだ。世界征服してもらわねば。
「魔王様、やる気が起きないところ悪いので「二度寝するわ」すが・・・え?」
二度寝!?なにこれ新手のドッキリ?
Now Being in Panic(混乱中)・・・
とにかく、状況は読み込めた。
今僕に課せられたミッションは「魔王を二度寝させろ」ということだ。
それを達成するだけ・・・
閻魔大王に頼んで人間界で科学者として生活している魔物に電話をした。
「もしもし?えーと、鈴木だったっけ?」
「はい、鈴木ですが」
「僕だよ、No.107256だよ」
「ああ、お前か。久しぶりだな」
「久しぶり。早速で悪いんだが、『全自動おやすみマシーン』を作ってくれないか?」
「お安い御用だ。4分後にそっちに送るわ」
さすが鈴木、No.382593だ。仕事が速い。
4分後、『全自動おやすみマシーン』が届いた。
しかし、問題が発生した。
ソーラー式の二人がかりの機械だったのだ。
僕は地上では活動できない。
環境問題は知ってるけど、何でわざわざ?
そんな中見たのが勇者についての記事。
僕は良く分からなかったが、魔王は本物だという。
魔王の言う事は絶対なので、とりあえず新宿に巨大ネズミを3000匹ほど召喚した。
言い忘れていたが、僕は召喚魔法しか使えない。
魔王の世話役がランダムでなければこんなことする必要無いほどの弱さなのに・・・
召喚から一晩たった。ネズミは東京中を走り回っている。
人間界は眩しいのであまり外を見たくない。
眩しすぎてネズミが透けて見えるように・・・
あれ?消えていってる・・・あ、僕まで・・・
じゃあ魔王様、眠れたのか・・・
では、ゆっくりお休みください・・・
気づくと、自分の部屋にいた。
閻魔大王に呼ばれる事も無くなった。
机の上には、何かが書かれた紙があった。
それを読んで、全てを思い出し、ストレスが溜まった。あの野郎・・・
*****請求書*****
No.107256様
全自動おやすみマシーン代
¥1050000
ネタが出なかったorz
ていうか受験生がこんな事やってていいのか?